日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『教皇選挙』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『教皇選挙』をレビュー!

3月28日(金) 8:00

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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。新教皇になるのは誰だ? 聖職者たちのドロドロ政治劇!***『教皇選挙』 評点:★4点(5点満点) © 2024 Conclave Distribution, LLC.

© 2024 Conclave Distribution, LLC.


権謀術数にまみれた生臭いミステリー2000年前は今と時代が違ったので、神様であると同時に人間であり霊体でもあるような(?)赤ちゃんを処女が産んだり、死人が生き返ったりすることがありました。というのはキリスト教信仰の根幹で、その信仰を中心にカトリック教会という巨大な権力組織が出来上がった。

ヴァチカンはその総本山である。その頂点に君臨するのが教皇で、教皇は「イエスの一番弟子パウロの後継者」とみなされ、14億人を超す信徒の長として、とてつもない権力を手にすることとなる。

余談になるが、プロテスタントも合わせて20億人を超す人々が冒頭に書いたお伽話を真実と信じている、というのは本当に驚くべきことだと思う。

本作は頓死した教皇とその遺志を巡るミステリーを、「コンクラーベ」と呼ばれる次期教皇を決めるための選挙と絡めて描いた作品で、秘密主義に覆われたヴァチカンの内部を覗いてみたい、という好奇心にも応えるものだ。

生臭い権謀術数と、あくまでも表面上は「物静かで敬虔な」態度を貫く枢機卿たちの姿も面白おかしく描かれており、宮廷劇として楽しめる。が、そんな物語が「現代劇」として成立していることこそブラックジョークの極みなのである。

STORY:キリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者であるローマ教皇が死去。新教皇を決める選挙「コンクラーベ」のため、世界中から100人超の候補者が集結。閉ざされた礼拝堂で陰謀とスキャンダルにまみれた闘いが始まる



監督:エドワード・ベルガー

出演:レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニほか

上映時間:120分

全国公開中

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