reGretGirl、Atomic Skipper、Blue Mashら全10組が熱演『Jump Higher 2025』【オフィシャルレポート】

『Grasshopper presents. Jump Higher 2025 supported by チケットぴあ』2025年2月22日 東京・渋谷 Spotify O-WEST、O-nest

reGretGirl、Atomic Skipper、Blue Mashら全10組が熱演『Jump Higher 2025』【オフィシャルレポート】

3月24日(月) 3:00

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チケットぴあの若手社員による、若手アーティストを応援するための対バンイベント『Grasshopper』が手掛けるミニ・サーキットイベント『Jump Higher 2025』が渋谷・Spotify O-WESTとO-nestの2会場を舞台に開催された。チケットぴあの若手社員がおすすめする全10アーティストのライブレポートをお届けする。

yummy'g

『Jump Higher 2025』の1音目を鳴らしたのは、yummy'gだ。中央に陣どるARISA(b/cho)がブリブリのベースで取り込んだ「boooom」でキックオフすると、欲張りな自分への自戒を張り上げる「I am」を重ねる。ローなリフが怪しく蠢くナンバーや自身を叩き直すみたいに放たれるシャウトは、彼女らのルーツだというポップパンクやガレージ的な香りを感じるものの、丸みを帯びた母音の使い方がシンボリックなASUKA(vo/g)の歌声がどこかキュートさを担保。「yummy'gは頑張っている人たちが肩の力を抜ける音楽をやっている」と表明した音楽を続けていく理由とオーバーラップする1曲「charge!!」をエンディングに添え、ろくでもない私たちに広大なサウンドを注ぎ込めば、客席はハイテンションへ誘われていく。太陽を彷彿とさせるエネルギーマシマシのステージで、イベントの成功を確信させる25分だった。

ペルシカリア

なかなか思い通りに出ない声に矢口結生(vo/g)は悔しさを滲ませていたけれど、それゆえにバンドの筋力が見えるライブだった。確かに「黎明」や「右手」からは5年間の歩みで培ったロックバンドとしての矜持と眼前のファンへの信頼がありありと伝わってくる。しかし、思えばペルシカリアは必死にあがいても上手くいかずに「どうでもいいや」とすべてを投げ出した先で、どうしても手放せなかった微かな光に薪をくべ続けてきたはず。だからこそ、「生きてれば良いことがあるんじゃないよ。生きてるんだから、自分の足で良い方向に歩いていくしかない。あなたが決めた方向の先に、ロックバンドが、ペルシカリアがいてまた会えたら、今日ステージに立った意味があると思います」と投げられた「優しい人」が、強くこだましていた。

Re:name

Re:nameの持つ洋楽的なバンドサウンドと日本語の美しさの融合。そこに人工歌唱ソフトウェア・可不を取り入れた「Vague(feat.可不)」に代表されるようにバンドという枠に留まらないサウンドもふんだんに取り入れた最新モードのセットリスト。そして関西のライブシーンで鍛え上げきたステージングの上手さ。会場を優しくもしっかり煽って、ハンズアップや横に振る手が増えていき、常に多幸感をフロアに与えていった。特に新曲「Saturday,Sunday.」は強い一体感を生み、今後も必要不可欠なキラーチューンとなるだろう。3月から始まるワンマンツアーに向けて、MCでも感じた気合い通り、しっかり仕上がっていると感じたし、ワンマンでは長尺でさらにハッピーな気持ちを感じられると思う。それを想像するだけで自らの生命力が漲ってきた気がした。

Laughing Hick

O-WESTステージの3番手・Laughing Hickは、たっぷりと確保したブレスから「愛してるって」をオープニングナンバーにセレクト。文字に定着させることを躊躇したくなるほどのリアルな不満を早口でぶちまけると「ホンネ」を束ねる。和のエッセンスを含んだアンサンブルが危険な芳香を漂わせる「休憩と宿泊」や人たらしに振り回される側の些細な抵抗を描いた「愛なんて嘘は置いといて」がむせ返るくらいの濃密な体温を投影することによって、「ホンネ」では<キライキライの大反対 伝わってくれるかな>、「カシスオレンジ」では<あなたのこと許してないよ でも ちょっとだけ愛してる>と漏れてしまった本心が縁取られていく。憎みたいのに憎めない恋模様をしたためたLaughing Hickの音楽が、ぐちゃぐちゃになった心を優しくほどいていった。

セカンドバッカー

こうへい(vo/g)は2度もまさみ(ds)からMCを突っ込まれるし、告知動画は勘違いしてボツになるし、弦も切れるし、不器用な男達なんだなと感じる瞬間が何度かあった。でもだからこそ〈愛してるよ〉〈好きだよ〉というストレートな歌詞や、こうへいがフロアへ何度も言った「ありがとう!」も深くまで届いてきた。優月(サポートb)も含めて真剣に楽しんでバンドをしている3人の姿は、見ているこちらも自然にこちらも笑顔になれる。
ただそれだけでなく初披露の新曲は歌詞もサウンドもキャッチーで浸透力があり、これから幅広い人にも愛される未来もたしかに見えた。ラストは激音ショートチューン『バンドマンとして』でエネルギーを完全放出!
あなたを支える、かっけぇバンドになっていくセカンドバッカーは4月から東名阪クアトロワンマンツアーを行う。

Fish and Lips

「あなたのヒーローになりにきました」。西村大地(g/vo)のこんな宣誓を合図に「HERO」でティップオフしたFish and Lipsのショータイムは、「まだまだいけるっしょ!」と「君のために生きてる!!!」へと転がり込む。<君はもう何も怖くないよ 僕がヒーローだ>と大胆な宣言を打ち出せる理由は、情けない部分まで愛し抜きたい大切な人がいるからであり、朗らかでありながらも純度の高い熱量をはらんだ西村のボーカリゼーションと行進曲を想像させるアンサンブルによって、主人公と愛する人の歌はバンドとリスナーの話にリンクしていく。後悔をぶつけるようにギターを掻きむしった新曲「本音」から「会いたくなったら」を経て、ゴールテープを切ったのは「青春ロックを歌って」。「ロックとは何か」が問われる日々の中、後ろから背中を支えてくれるFish and Lipsの青春ロックはまだまだ鳴り続けていくのだ。

Bocchi

1曲目『夜行列車』から、フロアにいるひとり残らずの感情や記憶に入り込み、そのシーンのBGMに変えてしまう力がある。もうこのバンドに一度意識を持ってかれたら、その没入感から抜け出すことはできない。まさや(vo/g)の透明感のある歌声や、飽きさせない曲展開やコントラストのグラデーションの多彩さ。加えて随所で慶哉(g)とゆい(b)がクラップを促したり、お立ち台に登るなどして、フロアを先導して盛り上げており、MCらしいMCはなくとも、Bocchiの世界観をじっくりと堪能することができた。
もちろんそれを可能にするだけのスケール感のあるサウンド、新曲『愛憎にレモネード』でも描いた複雑な心象描写の表現力は抜群だ。外国の方も見に来ていたがノリノリで、どうやらBocchiはボーダレスに伝わるようだ。6月29日(土) のワンマンライブのチケットも、これはうかうかしてたらなくなっているぞ。

Blue Mash

クライマックスを彩った「海岸線」の最中、優斗(vo/g)は「ドラマみたいなバンド!」と叫んだ。それではO-WESTステージの第5走者・Blue Mashの何が、彼らをドラマみたいにしているのだろう。それは例えば、青いガラガラのホームで歌っていた楽曲たちを轟かせ続けていることやシンガロングは不要だとばかりに響き渡った4人の大熱唱、「俺たちがロックスター」と断言した大胆さに負けない獰猛なパフォーマンスに由来するかもしれない。もちろん、いずれの要素もBlue Mashを彼らたらしめていることに疑う余地はないが、Blue Mashがドラマチックな根拠とはバンドが永遠ではないと知った上で、それでもロックを信じ抜きまくっていることに尽きるのではないか。「2002」や「このまま僕らが大人になっても」で舞台に立つ尊さを噛み締める中、優斗は「ここにいる全員を武道館に連れてくって夢がある」と誓いを立てた。その夢を叶える日は遠くない。問答無用でそう思わされる35分だった。

Atomic Skipper

Atomic Skipper、ボーカル・中野未悠は何度もフロアを見渡して、一人ひとりに向けてアトスキの音楽を届けてくれる。ライターをしていて、ここまで目が合ったかもと思ったバンドは初めてかもしれない。徐々に増えていくフロアにも「おいでおいで!」と声をかけており、常に4人はライブハウスで”あなた”と作り上げる時間を楽しんでいて、そこに何度も感謝を伝えていた。それに対してフロアも感謝を声で、目で、拳で伝えていて、激しい熱狂の中に、目頭にくるような対面だからこそ生まれる温かさも多く含まれていた。
そしてその感謝は、今日の日を主催したぴあの若手スタッフへも。出演バンドやぴあスタッフだけでなく、フロアにも沢山いたであろう、あらゆるフィールドで戦っている次世代達。その全員が大きく飛躍する予感を感じさせて、若者の若者によるイベント『Jump Higher 2025』のO-nest STAGEは幕を閉じた。続きは開催中のツアーで。

reGretGirl

ライブ終盤、平部雅洋(vo/g)は1日を振り返りながら「各々の主義や理想、憧れがロックバンドの音楽には詰まっていて。裏切らないものがロックバンドの音楽」と話した上で、「ずっとそばにおるから、そばにおってくれよ」と言葉を継いだ。プロポーズさながらの台詞から投下された「tear」をはじめ、結成10周年にして新進気鋭のバンドたちの総大将を任されたreGretGirlが果たそうとしたのは、救いを求める手をそっと掴むロックバンドとしての責務。「Shunari」や「ホワイトアウト」を筆頭とする磨き抜かれたラブソングで傷心に絆創膏を貼ることはもとより、一見お茶目に見受けられる「KAWAII」でさえも、間違いなく我々を肯定するナンバーなのである。「みんなと一緒に愛し合えたらと思います」の予告通り、爆速で駆け抜けた最終曲「soak」まで相思相愛の空間を建設した3人が『Jump Higher』の幕を鮮やかに下ろした。

Text:横堀つばさ(yummy'g、ペルシカリア、Laughing Hick、Fish and Lips、Blue Mash、reGretGirl)、遊津場(Re:name、セカンドバッカー、Bocchi、Atomic Skipper)
Photo:稲垣ルリ子(ペルシカリア、セカンドバッカー、Laughing Hick、Blue Mash、reGretGirl)、清水舞(yummy'g、Re:name、Fish and Lips、Bocchi、Atomic Skiper)

<公演情報>
『Grasshopper presents. Jump Higher 2025 supported by チケットぴあ』

2025年2月22日 東京・渋谷 Spotify O-WEST、O-nest
出演:Atomic Skipper/セカンドバッカー/Blue Mash/ペルシカリア/Bocchi/Laughing Hick/Re:name/Fish and Lips/reGretGirl/yummy'g(O.A.)

公式サイト:
https://fan.pia.jp/grasshopper/

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