『ライトアップ木島櫻谷II』泉屋博古館東京で動物画で名高い日本画家の人物画に着目し紹介

木島櫻谷《唐美人》(部分)大正時代・20世紀泉屋博古館東京

『ライトアップ木島櫻谷II』泉屋博古館東京で動物画で名高い日本画家の人物画に着目し紹介

3月24日(月) 2:30

提供:

明治から昭和初期にかけて、京都に拠点をおいて活躍した日本画家・木島櫻谷(このしま おうこく)。2014年の『木島櫻谷―京都日本画の俊英』展と2017年の『生誕140年記念 特別展 木島櫻谷―近代動物画の冒険』展、2023年の『木島櫻谷―山水夢中』によって櫻谷の画業を検証し、その再評価を進めてきた東京・六本木の泉屋博古館東京が、テーマを絞って櫻谷の絵画表現の特質に光をあてる『ライトアップ木島櫻谷』展の第2弾を、4月5日(土)から5月18日(日)まで開催する。

1877(明治10)年に生まれ、1938(昭和13)年に亡くなった櫻谷は、江戸時代以来の円山四条派の流れを汲んだ写生を基本とし、その熟達した画風によって文展や帝展を中心に活躍した。最後の四条派とも称され、優れた動物画で知られるが、山水画や花鳥画、歴史画や人物画など、様々なジャンルを手がけている。 木島櫻谷《秋草図》(左隻)大正12年(1923)泉屋博古館東京 木島櫻谷《秋草図》(右隻)大正12年(1923)泉屋博古館東京

泉屋博古館のコレクションを築いた住友家は、大正中期には大阪・天王寺の茶臼山に建てた本邸を飾るため、櫻谷に《四季連作屏風》を注文している。今回の展覧会では、柳と桜、燕子花(かきつばた)、菊、そして雪と梅を画題とする華やかな《四季連作屏風》を全点公開するとともに、狩り競べを描いたと思しき大作《かりくら》や《唐美人》をはじめとする櫻谷の人物画にスポットライトがあてられている。 木島櫻谷《かりくら》(左幅)明治43年(1910)櫻谷文庫 木島櫻谷《かりくら》(右幅)明治43年(1910)櫻谷文庫

また写生を重んじた櫻谷が大量に残した写生帖も、いつもより増量して展示するという。息の長い繊細な線から、フリーハンドゆえに粗くはあっても的確な線まで、スピード感と臨場感をたたえた大胆かつ美しい線が見られるのが、写生帖の魅力だ。《四季連作屏風》を、「線が織りなすハーモニー」という視点から改めて見直すのも興味深いところだ。

今回は同時開催として、公益財団法人住友財団が推進してきた「文化財維持・修復事業助成」によって蘇った作品の特別展示もある。紹介されるのは、14世紀に描かれた仏画《十一面観音菩薩像》(ケルン東洋美術館蔵)と、狩野山雪の代表作《歴聖大儒像》(筑波大学附属図書館蔵)。それぞれの作品の価値を踏まえながら、絵画修理の意義とその成果について紹介する展観は、文化財修復の最前線を知る貴重な機会となるだろう。

<開催概要>
『ライトアップ木島櫻谷II ― おうこくの線をさがしに併設四季連作屏風』

会期:2025年4月5日(土)〜5月18日(日)
会場:泉屋博古館東京
時間:11:00〜18:00、金曜は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(5月5日は開館)、5月7日(水)
料金:一般1,200円、大学600円
公式サイト:
https://sen-oku.or.jp/tokyo/

ぴあ

エンタメ 新着ニュース

編集部のおすすめ記事

データが取得できませんでした。

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ