「春になると肌の調子が悪くなる」「春の肌荒れの原因や対策が知りたい」そんな悩みを抱えていませんか?一般的には、肌荒れしやすい季節といえば冬を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実は春も肌トラブルが増えやすい季節です。
春の肌荒れを防ぐには、肌トラブルが起きるメカニズムを理解し、正しい対策を行うことが大切です。今回は、春に起きやすい肌荒れの症状や原因、さらに具体的な対策方法や摂取すべき栄養素について、あんしん漢方の山形ゆかりさんに解説していただきました。
|1. 春に起きやすい肌荒れの症状

春に起こりやすい肌荒れの症状の代表的なものとしては、乾燥によるカサつきが挙げられます。乾燥が進行すると肌の角層が剥がれやすくなり、皮膚のバリア機能が低下し、さらに刺激を受ける悪循環に陥ることもあります。
また、かゆみや赤みも春の肌荒れの特徴です。外的刺激でかゆみや赤みは悪化する可能性があるため、掻いたり摩擦を与えたりすることは禁物です。
さらに吹き出物も春に起こりやすい肌トラブルのひとつ。肌の見た目も気になるだけでなく、炎症が長引くと色素沈着の原因になる場合もあります。
|2. 春の肌荒れの原因

春の肌荒れの原因は複数あります。まずは代表的な4つの原因について見ていきましょう。
| 花粉や黄砂
花粉は春の代表的なアレルゲン(アレルギーの原因物質)です。花粉症というと、鼻水やくしゃみなどの症状を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、花粉によって発症する「花粉皮膚炎」は、かゆみや赤み、湿疹などの皮膚症状を引き起こす原因になります。
また、東アジアの砂漠から飛来する砂や鉱物粒子を含む「黄砂」もアレルゲンのひとつです。黄砂は、偏西風に乗って冬の終わりから春にかけて日本に到達し、春の肌荒れの一因になります。
| 空気の乾燥
春は冬に次いで乾燥が起こりやすい季節です。空気が乾燥し、湿度が低下すると、肌の水分が奪われてバリア機能が低下し、肌荒れの原因になります。春先は寒暖差が激しく、温度変化の影響で肌が乾燥しやすくなる場合もあります。
| 紫外線
春は冬に比べて紫外線量が急激に増え始める時期です。紫外線対策を怠っていると、無防備な状態の肌が紫外線を浴びてしまいます。紫外線によるダメージで肌のターンオーバーが乱れ、あっという間に肌荒れにつながってしまうのです。
| ストレス
春は入学、進学、入社、異動など、環境や人間関係も大きく変化する時期で、精神的ストレスが増えやすくなります。
過度な精神的ストレスは、自律神経の乱れを引き起こす原因のひとつです。自律神経は血流やホルモンの分泌などに関わっているため、自律神経が乱れると、血行不良を起こして肌へ栄養が十分に行き渡らなくなったり、ホルモンバランスが乱れて皮脂分泌量が増えたりと、肌荒れにつながりやすくなります。
|3. 春の肌荒れの対策方法

ここからは、春の肌荒れに効果的な6つのセルフケア方法をご紹介します。今日から簡単に試せるものばかりなので、参考にしてみてください。
| アレルゲンの付着を防ぐ
まずは、花粉などのアレルゲンが付着しやすい衣類を避けましょう。例えばウールや毛皮はアレルゲンが付着しやすい素材なので、表面がツルツルした綿やポリエステルなどの素材がおすすめです。
また、髪の毛は静電気を帯びやすく、アレルゲンを引き寄せる原因になります。空気が乾燥している日は静電気が発生しやすくなります。トリートメントやヘアオイルで保湿したり、静電気防止ブラシを使ったりして静電気の発生を抑えましょう。
| 紫外線対策をする
春の紫外線量は他の季節に比べても高く、夏に次ぐ肌ダメージを与えます。冬の終わりからしっかりと日焼け対策を行わないと、肌ダメージが蓄積するので、屋外・屋内問わずしっかりと紫外線対策を行いましょう。
肌の露出はなるべく避け、UVカットの素材を使用した衣服を選ぶことも大事です。また、スキンケア用品も同様にUVケア商品を中心に選んでみましょう。
|保湿ケアを丁寧にする
春は湿度も低いので、皮脂の量が少なく、肌の乾燥の原因になります。アレルゲンである花粉などを洗顔で念入りに落としたあとは、肌の保湿ケアが重要です。柔らかいタオルなどで丁寧に顔の水分を拭いたあと、化粧水で肌に十分に潤いを与え、美容液やクリームで水分を保持しましょう。
|睡眠の質を高める
睡眠の質を高めるポイントは、規則正しい生活です。朝に日光を浴びると、睡眠ホルモンの「メラトニン」の材料になる「セロトニン」が分泌されます。セロトニンは14~16時間後くらいにメラトニンに変わるので、朝に日光を浴びることで深夜0時前に眠くなり、そのまま入眠しやすくなります。
肌は寝ている間に新陳代謝が活性化するので、睡眠の質を高めて肌のターンオーバーを整え、肌荒れの改善や美肌作りにつなげましょう。
| ストレスを解消する
ストレスを解消するには、忙しい生活から少し離れ、リラックスできる自分だけの時間を作ることが大事です。例えばストレッチやヨガなどでからだを動かすことで、ストレスを軽減しましょう。
お風呂に入るときはシャワーで済ませずに湯船に浸かると、血行がよくなり、肉体・精神の疲労回復やリラックス効果も期待できます。
| 漢方薬を試してみる
漢方の基本理念は、崩れた心身のバランスを整え、不調に対処すること。肌荒れにも効果的にアプローチができます。漢方薬は植物・鉱物などの、自然由来の生薬をもとにしていて、一般的に西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれます。
また、漢方薬なら毎日飲むだけなので、生活習慣を大幅に変更しなくても簡単に試せるのが魅力です。
肌荒れに対処するには、「かゆみや炎症を改善する」働きに加えて、「胃腸の働きを高め、肌に必要な栄養を作る」「血行を促進して肌に栄養を届ける」「水分の循環をよくして肌に潤いを与える」といった働きを期待できる生薬を含む漢方薬を選びましょう。
<春の肌荒れ対策におすすめの漢方薬>
当帰飲子(とうきいんし)
血行を促進し、栄養と潤いを届けて、肌の乾燥による皮膚炎や湿疹などに働きかけます。冷え性で肌が乾燥し、かゆみのある方におすすめです。
温清飲(うんせいいん)
血流を促して栄養と潤いを与えるとともに、からだの余分な熱を抑えることで、炎症も緩和します。肌の色つやが悪く、のぼせやすい方におすすめです。
漢方薬は体質との相性も重要です。体質と合っていない漢方薬を使っても、本来の効果が得られないどころか、副作用が起こる心配もあります。漢方薬に精通した医師や薬剤師に漢方薬を選んでもらいましょう。
最近は「
あんしん漢方
」というオンライン漢方薬サービスも注目を集めています。あんしん漢方は、体質診断、漢方薬の提案、アフターフォローまですべてネットで完結します。病院に行く時間がない方、感染症対策が気になる方にもおすすめです。
|4. 肌荒れ改善のために摂りたい栄養素

ここからは、肌荒れ改善に適している栄養素を2つご紹介します。
| たんぱく質
三大栄養素のひとつ、たんぱく質は、美肌と大きな関わりがあります。例えば肌のハリや弾力を作り出すコラーゲンも、たんぱく質のひとつです。しっかりと摂取し肌に届けるために、たんぱく質のもとになるアミノ酸を肉や魚、大豆、乳製品、卵などからバランスよく摂取しましょう。
| ビタミン
ビタミンはメラニン色素の生成抑制、色素沈着の緩和、抗酸化作用など、肌を綺麗にするのに欠かせない栄養素です。
特に、ビタミンB群は前述のたんぱく質の代謝に深く関わっています。ビタミンB群は、魚やレバーに豊富に含まれています。
また、ビタミンCは抗酸化作用やコラーゲン生成のサポートに優れていて、欠かせません。アセロラ、グァバ、赤ピーマンなどに多く含まれています。肌荒れ改善のために、これらの食材を日々の食事に取り入れてみましょう。
|5. 春の肌荒れは生活習慣の見直しから!
春は、花粉や黄砂などのアレルゲン、空気の乾燥、紫外線、ストレスなど、肌荒れを引き起こす原因がたくさんあります。今回ご紹介した適切なケアを行えば、肌荒れの緩和や改善を期待できます。毎日の生活習慣から見直して、春の肌荒れに対処していきましょう。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
山形ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指す
オンラインAI漢方「あんしん漢方」
でも薬剤師としてサポートを行う。
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