見つけ出した“自分のために生きる道”と、タイトルに込められた意味【未恋~かくれぼっちたち~#最終話】

見つけ出した“自分のために生きる道”と、タイトルに込められた意味【未恋~かくれぼっちたち~#最終話】

見つけ出した“自分のために生きる道”と、タイトルに込められた意味【未恋~かくれぼっちたち~#最終話】

3月20日(木) 2:10

※本コラムは『未恋〜かくれぼっちたち〜』最終話までのネタバレを含みます。

■“誰かのため”じゃなくて、“自分のため”に生きられるようになりたい

コミックブーンが発掘した“第二の深田ゆず”こと本島りん(外原寧々)の連載デビュー作が、『キスをしたらいちごジャムになった件』に決定!内容は明かされていないのでよく分かりませんが、編集部内では「絶対に売れる」という雰囲気が漂っていました。

そのため、編集長の堂島(金井勇太)が意気揚々と役員会で報告をしたのですが……。健斗(伊藤健太郎)が急に 「この新連載、白紙に戻させてください」 と言い出しました。 「絶対に売れるからこそ、危険だ」 と。

編集者として、いちばん求められるのはヒット作を世に送り出すこと。そう考えたら、光学館の編集者・桔川(松下優也)のように、売れる作品を描いてくれるなら、作家の体力や精神面はどうでもいいと割り切るのが普通なのかもしれません。 でも、健斗は作家の未来を考えているんですよね。

いま、『キスをしたらいちごジャムになった件』を売り出したら、必ずヒットする。でも、りんの未来を考えているからこそ、「誰かにやらされるんじゃなくて、描きたいものを描いてほしい」とストップをかけたんだと思います。 わたしは、健斗のこういうところがすごく好きです。

また、みなみ(愛希れいか)の 「でないと、漫画が描けなくなります。わたしが、その証拠です。人からの期待に沿ったものを描く。自分の言葉が、自分のものじゃなくなる感覚。それが正しいと自己暗示をかけ続け、いつしか描けなくなりました」 という言葉も突き刺さりました。

みなみは、小説の新人賞を獲ったものの、そのあと小説の世界から離れてしまった。 そういう経験があったからこそ、りんには自分のために描いてほしかったんだと思います。

「いちばん喜んでくれる人のために描く。これは、創作者にとって当たり前のことです」と健斗は言っていました。これって、創作だけでなく人生にも当てはまると思うんですよね(急に、壮大なテーマになっちゃってごめんなさい……)。

誰かの漕いだ船に乗っているのはラクかもしれないけれど、そういう生活を続けていたら、いつの間にか自分が自分じゃなくなってしまう。いちばん大切にしなければいけないもの(=自分)がおろそかになってしまうんです。

もちろん、自分の意見ばかりを主張しているわけにはいきません。「それは絶対に違うって!」と思っても、「はい」と答えなければならない場面に遭遇することだって、多々あります。 でも、1日のなかでひとつだけでも“誰かのため”じゃなく“自分のため”の選択をするように意識すれば、人生はちょっとずつ変わっていくんじゃないかな?って。『未恋』には、大切なものをたくさん教えてもらった気がします。

■健斗って、本当に分かりやすくてかわいい!

パッと見はミステリアスなんだけど、実は分かりやすい男性ってめちゃくちゃかわいくないですか?健斗ってまさにそのタイプなんですよね。健斗が、友人の一平(森永悠希)に「俺、この仕事(=編集者)好きだったわ」と言った時、わたしまで「知ってる〜!!」ってツッコミを入れたくなりましたもん。

あと、ゆず(弓木奈於)のことが大好きなのもダダ漏れでしたよね。ゆずの一人称が「わたし」じゃなくて「ゆず」になっていただけで、 「切羽詰まってるのかもしれない!」と察知して助けに行くってヒーローすぎやしませんか!?これは、編集者としてではなく、ひとりの男性としての行動だと思います。

「今、仕事が楽しいんだ。本当にいろいろ楽しくて、感謝してて。それを伝えたくてしょうがない。でも、なかなか言えない。まず、いちばん誰に伝えたいかずっと考えてて、それがゆずだった。ゆずとやり直したい」というスピーチ並みに長い健斗の告白を、 「理屈っぽい!考えないで好きって言って!」とぶった斬るゆずも、最高でした!わたしは、ゆずみたいになりたい!

ゆずって、わがままで周囲を振り回すタイプなんですよ。なのに、「こいつ面倒くさい女だな〜」と思わせないのがすごい。ビジュアルのかわいさももちろん関係しているのかもしれないけれど(というか、それが大きいのかもだけど)、一つひとつの言い方がかわいいんですよね。

わがままを言ったり、嫉妬心をあらわにしたりする時は、いつも以上にポップなしゃべり方にするとか。ゆずの場合は計算でやっているわけではないと思いますが、恋愛だけでなく人付き合いをする上でも使えるテクニックだな〜と思いました。

あと、最後の 「好き(健斗)」「なんて?(ゆず)」「好き!(健斗)」「誰が?(ゆず)」「ゆずが!ゆずが、好き!(健斗)」「聞こえない!もう1回!(ゆず)」 というやり取りに、ニヤけが止まらなかったのはわたしだけじゃないですよね?この場面を見て、「バランス最強だな〜」と改めて感じました。

照れ屋な健斗は、自分が想っていることを素直に言えないところがあるから、そこをゆずが引き出してくれる。そして健斗は、強く見えるけれど実は繊細な部分があるゆずの性格を熟知しているので、大事なところで手を差し伸べてくれるんです。

“好き”の伝え方も、2人は正反対。健斗はゆずの目を見て、「俺はゆずが好きだ」と真剣に伝えていたけれど、ゆずは後ろから抱きついて「わたしも、健斗が好きっ!」とポップに言っていました。紆余曲折ありましたが、ようやく2人が本当の意味でカップルになれて良かった〜!

タイトルの『未恋』には、さまざまな意味が込められていると思います。 夢への未練、まだ始まっていない恋、焦がれているもののまだ叶っていない願い……。本作は、夢を諦めた経験がある人も、夢を叶えた人にも、必ず刺さるポイントがある作品 だったと思います。夢を諦めた経験があるわたしは、刺さりすぎてしんどくなる回もありました。

でも、健斗やゆず、みなみに星くん(鈴木大河)を見ていると思うんですよね。夢はいくつあってもいいし、もちろん変わってもいい。そして、夢を叶えた人には、叶えた人なりのしんどさがあるって。人はないものねだりをする生き物だから、今ある幸せにはなかなか気づかない。でも、持っていないものではなく、持っているものに目を向けられるようになっていけたらいいなと思います。

全10話、一緒に楽しんでくださった皆さんありがとうございました♡

(菜本かな)

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