3月18日(火) 19:30
マイナ免許証は、マイナンバーカードに運転免許情報を記録し、一体化する仕組みになっています。ただし、従来の運転免許証もこれまでどおり発行されるため、今後は以下の3つから選ぶことになります。
・従来どおりの運転免許証のみを持つ
・マイナンバーカードと免許証を一体化し、これまでの免許証を返納する(マイナ免許証のみ)
・マイナ免許証にした上で、従来どおりの運転免許証も引き続き持つ(両方保有)
どの形を選んでも運転に支障はなく、マイナンバーカードを持っていない人も従来どおり免許の取得・更新が可能です。自分に合ったスタイルを選ぶと良いでしょう。
マイナ免許証には次の3つのメリットがあります。それを見ながらマイナ免許証を導入するか考えてみましょう。
「マイナ免許証のみ」を選択した場合の免許更新手数料は2100円となることが決まっています。従来の更新手数料は2500円です。さらに3月24日以降、紙の免許証を発行する場合の更新手数料は2800円に値上げされます。
つまり、マイナ免許証を選ぶことで従来より400円、値上げ後にこれまで同様の免許証を発行する場合と比べると750円の負担減となるのです。
ただし、マイナ免許証と従来の免許証を併用する場合の手数料は2950円となり、むしろこれまでよりも手数料がかかることに注意しましょう。
従来、引っ越しをした際には運転免許証の住所変更手続きを警察署で行う必要がありました。マイナ免許証を使う場合、市区町村への届出をすれば、警察への免許証の住所変更手続きが不要になります。
ただし、あらかじめ署名用電子証明書を警察に提供し、ワンストップサービスの利用に同意する手続きを行わなければなりません。
優良運転者や一般運転者は、免許更新時の講習をオンラインで受けられるようになります。ただし、視力検査などの適性検査が別途必要なため、免許センターや警察署での更新手続きは必要です。
なお、オンライン講習を利用すると、優良運転者なら500円、一般運転者なら800円かかる更新時講習手数料が200円となるため、費用を抑えられるメリットもあります。
しかし、マイナ免許証にはいくつか注意点もあります。まず、マイナンバーの券面には「有効期限」や「免許の種類」などの運転免許証情報が記載されません。
確認するには、マイナポータルにログインするか専用アプリを利用する必要があります。スマホがないと不便に感じる場面もありそうです。
また、海外で運転する場合、国際運転免許証の取得が必要になりますが、渡航先によってはマイナ免許証だけでは対応できないケースがあります。必要に応じて従来の運転免許証を持っておくと安心です。
マイナ免許証が始まっても、これまでと同様に紙の免許証は発行されるため、「マイナンバーカードを作らなければ車の運転ができない」とはなりません。
更新時の手数料が安くなる、住所変更手続きが簡単になる、オンラインで免許更新講習を安く受けられるといったことに加えて、マイナンバーカードを持ち歩いている人は、財布の中のカードを1枚減らせるというメリットがあります。
マイナンバーカードをすでに持っていて、住所変更の機会が多い人や、更新手数料を抑えたい人にはおすすめできる選択肢と言えるでしょう。一方、頻繁に海外で運転する人や、スマホやアプリの利用が苦手な人は、従来どおりの運転免許証を選ぶのが無難かもしれません。
自分のライフスタイルに合わせて、最適な形を選んでみてください。
警視庁 マイナンバーカードと運転免許証の一体化について
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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