「蚊に刺されやすい人」には特徴があった。刺されなくなる方法をフマキラーの虫博士に聞いてみた

「蚊に刺されやすい人」には特徴があった。刺されなくなる方法をフマキラーの虫博士に聞いてみた

3月18日(火) 23:45

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暖かくなって過ごしやすくなり、お出かけやキャンプ、BBQなどの計画を立てることも増えたのではないでしょうか。そんなときに気になるのが、蚊やアウトドア中に気をつけたい虫。

そこで殺虫剤でおなじみのフマキラー株式会社で開発本部基礎科学研究部部長・主席研究員を務める佐々木智基先生に詳しく話を聞きました。

新商品開発のため虫の飼育や研究をおこなう佐々木先生は、多くのメディアでも取り上げられる虫博士です。

蚊に刺されやすくなる条件



――暖かくなって嬉しいですが、この時期になると、蚊に刺されるのが嫌です。

佐々木先生:そうですね。だいたい気温が20~30℃あたりになると、蚊が活発になります。

日本では、蚊に刺されてもかゆくなるだけのことが多いですが、病原体を持った人の血を吸った蚊がほかの人を刺すことで病気が感染することもあるので注意してください。

厚生労働省によると、日本脳炎以外の蚊媒介感染症は海外からの輸入感染症としてみられていますが、デング熱は2014年に国内感染例が報告されています。

――それなら余計に刺されないよう気をつけたほうがいいですね。蚊に刺されやすい人とそうではない人がいますが、何か違いはありますか?

佐々木先生:蚊は触覚に生えた約2000本の産毛で温度を感知しています。体温が高いほど蚊が感知しやすくなるので、もともと体温が高い人は刺されやすいです。

たとえば、赤ちゃんや妊婦さん。あと、お酒を飲んだあとや運動後など体温が上がっているときも刺されやすくなります。

――ほかにも、刺されやすくなる条件があれば教えてください。

佐々木先生:人が吐く息に含まれる二酸化炭素や足の裏から出るニオイ、汗のニオイの原因となる乳酸や脂肪酸なども感知します。

また、光の波長で色を識別する蚊にとって判別しやすい黒っぽい色を好む傾向があるので注意してください。

そして蚊は、日当たりの悪い池や沼などの水辺に卵を産みつけるので、こういった場所へ行くと刺されやすいです。ほかにも、草がたくさん生えている場所や木陰、雨水がたまっている場所なども注意してください。こういった場所に近づかないというのもひとつの方法です。

蚊に刺されないための対策



――なるほど。では、黒っぽい服装は避けたほうがいいですね?

佐々木先生:はい。黒っぽい服は蚊が判別しやすいだけでなく、熱をよく吸収して温度が高くなるため寄ってきやすくなります。なので、白っぽい服や淡い色合いの服装がおすすめ。あと、肌を露出していると刺されてしまうので、長袖・長ズボンで出かけるといいですね。

ただ、肌にピッタリと密着している服装だと、服の上から刺されてしまうこともあります。肌に密着しない、ゆったりとした服装で出かけてみてください。

――汗は、ニオイも取れるようなボディーシートなどでこまめに拭き取れば大丈夫ですか?

佐々木先生:はい。そのほか、体温を下げるために冷却スプレーなどを使うという方法もありますが、虫よけを正しく使っていただくことも重要です。虫よけを塗ったところは、刺されなくなりますから。

――それは嬉しいです。

佐々木先生:ただ先ほどもお伝えしましたが、正しく使っていただくことがとても重要です。スプレー後には全体に塗り広げ、汗をかくと流れてしまうので、こまめに塗り直します。塗り直す前には、汗をキレイに拭き取ってください。

あと、日焼け止めといっしょに使う場合は、日焼け止めを塗ってから虫よけ商品を使うようにします。日焼け止めは、太陽から肌を守るようコーティングする働きがあるので、先に虫よけ商品を使うと、虫よけ成分もいっしょに閉じ込められて効果を発揮できなくなってしまうからです。

アウトドア中に気をつけたい虫



――キャンプやBBQなどアウトドアも楽しい季節に突入しましたが、自然の多いところで気をつけたほうがいい虫について教えてください。

佐々木先生:水辺で見かける「ヌカカ」という小さな虫がいます。

体長は1~2mmほどで、刺されるとかなりかゆいです。海や川、森林にある渓流などにいることが多いので注意してください。あと、キャンプ場の多い山間の川や清流付近だと、ハエの仲間 「ブユ」。ブユは皮膚を噛み切って血を吸うので、痛みや腫れが伴います。

――うわぁ……、どちらも気をつけたい虫ですね。

佐々木先生:はい。あと、カラフルな虫には要注意です。美しい姿は毒を持っていると周りにアピールしていて、毒を持っていることが多いので、近づかないでください。

自然の多いところには、血を吸うヤマビルや毒を持ったヘビもいます。肌を露出しない長袖・長ズボンでアウトドアを楽しんでほしいです。

車の中にはいってくる虫はどう対策すればいい?



――キャンプ場は、虫が多いですよね。蚊やユスリカ、チョウバエなど。

佐々木先生:ユスリカは木々の茂みや川辺、用水路や側溝、明るくてあたたかい外灯や自動販売機などの近くにもいます。チョウバエも外灯などに寄ってくる習性があり、生活圏で見かけることもあるでしょう。

――キャンプ場などから帰るときや普段の生活でも、車のなかに入ってくることもあります。こちら、何か対策はありますか?

佐々木先生:虫の種類にもよりますが、ユスリカやチョウバエなら当社製品の「虫よけバリア クルマ用」で虫の侵入を防ぐことができます。車が大きい場合には2個入りを買って、運転席と助手席のサンバイザーに挟めば設置完了です。

コテージなどに泊まるときの対策



――自然の多い場所へ行ったらそのまま泊まりたくなるのですが、前に20センチぐらいある大きなムカデと小さなムカデ数匹に遭遇してから怖いです。何か対策はありますか?

佐々木先生:ムカデもやはり、出入口の隙間などから入ってくるので、コテージの出入口の下にある隙間部分やドア周辺に殺虫剤のスプレーしておくと効果的です。

殺虫効果が弱いものだと、だいぶんなかまで入ってきてから死ぬので、殺虫効果の強いものがいいかもしれません。殺虫効果が高いものだと、殺虫剤を撒いた近くで死んでくれます。

――強烈な殺虫剤だと人間にも影響がありそうで怖いです。室内から外に向かってスプレーするなど、何か工夫は必要でしょうか?

佐々木先生:そんなに敏感になる必要はありませんが、一気にたくさんの量が出るものや薬剤の量が多すぎるものは控えたほうがいいでしょう。

害虫を駆除する殺虫剤を取り締まる法律がないため自主的な基準にはなりますが、約50社の企業が会員として加盟する生活害虫防除剤協議会というものがあり、決められたルールを守って製品の安全性や有効性、安定性の確保を図っています。

なので、生活害虫防除剤協議会公認の登録マークが付いている製品を選んでいただくことも安心につながるかもしれません。

――虫に関する商品がたくさんあってわかりにくいという人もいると思うのですが、やっぱり虫の種類や用途ごとに分けて使ったほうがいいですよね?

佐々木先生:はい。それぞれ専用に作られていて、使う場所や扱い方が違うので。ただ、私は用途や効き目など自分に合っていると感じた3本を厳選して使っています。皆様も、虫の種類や用途、効き目などを考慮してお気に入りをみつけてみてください。

虫を寄せ付けない対策でアウトドアを快適に楽しもう



春以降は、虫たちも活発になる時期。

屋外に出ると蚊などの虫に遭遇する機会も増えますが、虫を寄せつけない対策や虫よけ商品などを活用しながら、楽しく野外イベントやアウトドアを楽しみたいものですね。

【佐々木智基】
フマキラー株式会社にて開発本部基礎科学研究部部長・主席研究員を務め、虫の飼育・研究をおこなう虫博士で、5年以上にわたり蚊・ゴキブリ・ダニ・アリ・外来種問題を担当。虫や植物がテーマのキッズ向けサイト「フマキッズこども研究所」内でも“虫はかせ”として活躍するほか、「虫や植物とふれあうコンテスト」の審査員も務めている。

<取材・文/山内良子>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。

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