3月18日(火) 1:20
以下の表1は、文部科学省と日本政策金融公庫調査結果を基に、幼稚園から大学までにかかる経費をまとめたものです。
表1
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園(3年間) | 49万5378円 | 92万6727円 |
小学校(6年間) | 211万5396円 | 1000万1694円 |
中学校(3年間) | 161万6397円 | 430万9059円 |
高等学校(3年間) | 153万8913円 | 316万3332円 |
大学(4年間) | 481万2000円 |
文系:689万8000円
理系:821万6000円 |
合計(高校まで) | 576万6084円 | 1840万812円 |
合計(大学まで) | 1057万8084円 | 2529万8812円~2661万6812円 |
筆者作成
全て公立に通った場合、高校までで約577万円、大学まで進学すると仮定した場合、公立でも1000万円を超えてきます。一方全て私立に通った場合、高校までで約1840万円、大学まで進学すると約2530万~2662万円必要となる計算です。
さらに、自宅から遠方の大学へ進学する場合には、下宿代などの費用も加わるため、より多くの資金が必要になる可能性があります。
子どもが3人いる場合、単純計算で教育費は約3倍になります。全員が幼稚園から大学まで公立に通った場合は約3170万円、全員が幼稚園から大学まで私立に通った場合には7590万~7985万円程度の教育費がかかる計算です。
教育費は高額ですが、工夫次第で負担を軽減できる可能性があります。
まず、公立校は私立校に比べて学費が安い傾向にあるため、学費負担を大幅に抑えられる可能性があります。また、免除制度など費用の負担を少しでも減らしながら通える学校がないか調べてみるのもよいでしょう。
例えば東京都立大学では、都内在住の生計維持者(親など)がいる場合、所得制限なしで授業料が全額免除されるようです。
また国士舘大学では、成績優秀者向けに入学金・授業料・施設設備費・教材費を4年間免除する「成績優秀奨学生」制度などもあるとされています。
このように、行きたい大学に学費免除制度や給付型奨学金がある場合は、積極的に活用を検討してみてください。
2025年度から、子どもが3人以上いる世帯向けに大学などの授業料無償化が拡充されるといわれています。対象世帯は、「扶養する子どもが3人以上いる世帯」(同時に扶養していることが条件)です。
私立大学の場合、授業料は4年間で最大70万円、入学金は26万円の支援を受けることができるとされています。
ただし、注意点もあります。まず、第1子が就職などで親の扶養から外れてしまった場合は、支援対象外となるのです。大学無償化の制度を活用するためには、詳細な条件を確認し、適用されるよう計画を立てることが大切です。
子どもを3人育てるには、多額の教育費がかかると考えられます。「学習費」に関する調査では、幼稚園から大学まで公立でも一人当たり1000万円を超えています。公立と私立の教育費の差を理解し、進学計画を立ててください。また、補助金などの支援制度や奨学金の活用を検討するのもおすすめです。
大学無償化の新制度も視野に入れながら、早めに教育資金の準備を進め、家計に負担をかけ過ぎないよう工夫しましょう。
文部科学省令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します
日本政策金融公庫子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
東京都公立大学法人東京都立大学の新たな授業料減免制度 ~都内子育て世帯への新たな支援を実施(授業料実質無償化)~
国士舘大学奨学金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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