内房総エリア(市原・木更津)で「アート体験&里山グルメ」を1日かけて堪能したら五感が癒やされた

昭和レトロな街並みに、現代アートを落とし込んだ「牛久商店街」

内房総エリア(市原・木更津)で「アート体験&里山グルメ」を1日かけて堪能したら五感が癒やされた

3月15日(土) 3:00

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昭和レトロな街並みに、現代アートを落とし込んだ「牛久商店街」
【写真】昭和レトロと現代アートが入り混じった「牛久商店街」

市原市では、「アートを日常的に感じられるまちづくり」をコンセプトに、地方創生とともに持続可能な街作りを目指している。3年に一度開催の芸術祭「いちはらアート×ミックス」をはじめ、さまざまな取り組みの中で、アッと驚くアート体験ができるスポットへと生まれ変わっている。
廃校となった旧月出小学校をリノベーションした「月出工舎」


豊かな自然とともに、現代アートが存分に堪能できる内房総エリア「市原市」「木更津市」は、アクアラインを経由すれば都内から1時間ほどで訪れることができるため週末のおでかけ先にもピッタリ。今回、「現代アートと里山グルメを堪能!五感で楽しむアートトリップ」と題されたプレスツアーに参加。アートの偉大さに気づかされた1日をレポートする。

■都心から約1時間→小湊鐵道「五井駅」へ
小湊鐵道の出発地点「五井駅」にある「こみなと待合室」


内房総の大動脈でもある小湊鐵道の出発地点「五井駅」は、100年後、200年後に残る逆開発をコンセプトに、もともと会議室だ形った場所を「こみなと待合室」として、ゆったりくつろげるカフェスペースを併設。「旅の道中をゆっくり休んでもらいたい!」という想いが詰め込まれた昭和レトロな作りと、「キハ200形」といった名車たちを眺めながら、「ジビエドッグ」「安全第一カレー」といったグルメも楽しめる。

また、ここから小湊鐵道「キハ40形」観光急行列車に乗って、各駅施設や四季折々の情緒ある風景をのんびり楽しむのも、アートな楽しみ方の1つ。五井駅は利便性もよく東京駅から電車を乗り継いでも1時間ほどなので、思い立ったら「五井駅」みたいなノリでデジタルデトックスするのもアリ。
肉汁たっぷり房総ジビエをクロワッサンでいただく「ジビエドッグ」

季節によって味が変わる「安全第一カレー」

昔ながらのレトロ電車を眺めながらカフェを楽しむ

マカロン型付箋、モケットペンケースなどオリジナル商品も販売中


■新旧交錯?空き店舗を現代アートにリノベした「牛久商店街」
昭和レトロな街並みに、現代アートを落とし込んだ「牛久商店街」


市原市のほぼ中央に位置する「牛久商店街」では、アートのまちいちはら推進事業の一環である「牛久リ・デザインプロジェクト」のもと、牛久地区の商店街や空き店舗を活用し、アーティストたちが手がけた作品展示へとリノベーションし、街のいたるところでアート体験が堪能できる。ノスタルジーな街並みのなか、最新テクノロジーのアートに出合った瞬間に、新旧入り混じった独特な空間に魅了される。
足を踏み入れた瞬間に異世界が広がる千田泰広「Analemma(アナレンマ)」※2025年秋イベントで再登場予定

この場所で生きる人々の力の源になってほしいという八木秀人「全てのエネルギーはここから始まる」


■大自然の中にポツンと生まれた荘厳な「市原湖畔美術館」でアート体験
豊かな自然に囲まれた高滝湖畔に位置する美術館


千葉県一の貯水面積を誇る高滝湖をのぞむ「市原湖畔美術館」は、現代アートを中心とした企画展、地域・子どもに開かれたワークショップ、広場を利用したマルシェやピクニックなど多彩なプログラムを展開。館内には、ヴィト・アコンチさんが率いた圧巻の約700本のチューブ(針とピン)を林立した「MUSEUM-STAIRS / ROOF OF NEEDLES & PINS」といった作品をはじめ、心奪われる10点の恒久作品も楽しめる。また、野外には彫刻作品が点在しており、存分に現代アートを体感できる。
美術館は呼吸しているをテーマにしたKOSUGE1-16「Heigh-Ho」

アコンチ・スタジオ「MUSEUM-STAIRS/ROOF OF NEEDLES & PINS」※令和7年度撤去予定

「藤原式揚水機(モニュメント)」

野外にもさまざまな彫刻アートが点在し、散策するだけで時を忘れてしまう


■絶景の中で絶品ピッツァを食す「PIZZERIA BOSSO」で癒やされる〜
高滝湖を眺めながら絶品グルメが楽しめる「PIZZERIA BOSSO」


市原湖畔美術館の敷地内にあるイタリアンレストラン「PIZZERIA BOSSO」では、ピザ窯で焼いた香ばしい生地に、地元の野菜をふんだんに使用した絶品ピッツァを楽しみながら、高滝湖をのぞめる絶景スポット。フラっと、ドライブがてらに立ち寄って、ボーっと湖を見ながら珈琲やピッツァを楽しむなんて、最高のひとときが過ごせる。
房総の四季をつめこんだ「ピッツァボッソ 四季のピッツァ」

千葉の旬な野菜を使用した「房総農家のピッツァ」

絶景を眺めながら食す「房総季節果物のドルチェピッツァ」

左手には美術館、右手には絶景カフェからの眺望


■廃校に現代アートをアップデートした「月出工舎」
廃校となった旧月出小学校をリノベーションした「月出工舎」


月出工舎は、廃校となった旧月出小学校をリノベーションし、「みんなでつくるがっこう」をコンセプトに、「遊・学・匠・食」といった、さまざまなアート体験を発信。ダイナミックな巨大壁画から校庭や校舎をはじめとした敷地内には、所狭しとアートが点在しており、そこには、「答えのないアートたちが、眠っていた創造力を掻き立ててくれる」そんな独自の空間を形成している。
古民家をサイトスペシフィック・インスタレーションとして蘇生した田中奈緒子「彼方の家」

高さ10メートルの野外彫刻 岩間賢「ほとり」

空き家に絵心を介入させた中根唯「絵の宿・出る月の絵たち」

 田中奈緒子「彼方の家」

 田中奈緒子「彼方の家」


■職員室が癒やしと最高のグルメ空間に昇華した「ヤマドリ珈琲」
旧月出小学校をリノベーションした「ヤマドリ珈琲」


旧月出小学校の職員室をリノベーションした「ヤマドリ珈琲」は、「ストローベイル」と呼ばれる工法で藁のブロックを積み重ね土と漆食を塗り上げた、まさにウォールアートとも言える癒やし空間。また、工舎内の工房で焙煎した豆を使った珈琲や、昔ながらのナポリタン(イベント会期のみの提供)など「食」の面でも、ここでしか堪能できない味がある。月出工舎のアート体験を楽しんだあとに、物思いにふける最高のスポット(基本土日のみ営業)。
「ストローベイル」という工法を用いたユニークな外装

ハンドトリップでじっくり淹れた名物「珈琲」

何カ月も試作を続け、辿り着いた珠玉のテイストは必見(ナポリタンはイベント会期のみの提供)


■音楽家・小林武史さんが総合プロデュースする「KURKKU FIELDS」
草間彌生<新たなる空間への道標>2016年 (C)YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts


「人と農と食とアート 自然の協奏曲」をテーマにした 「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」は、音楽家である小林武史さんが総合プロデューサーを務めており、サステナブルなファーム&パークとして展開。広大な敷地内には、太陽光発電や古材の再利用から微生物や植物の浄化作用を活かした循環型濾過装置「バイオジオフィルター」などをはじめとした「持続可能」な設計により、災害時の避難場所としても活用される。

草間彌生さん、増田セバスチャンさんといった世界的アーティストの作品を想像力をフルに活かして「彷徨う」ように楽しむのも同施設の楽しみ方の1つ。そして、隠れ家のようにひっそりと佇むファンタジーいっぱいの「地中図書館」は、思わず「ココは日本なの?」と、目を奪われてしまう美しい建造物に目を奪われるパワースポットだ。
増田セバスチャン<ぽっかりあいた穴の秘密>2019年-2020年

穴の中からは、作者からのメッセージを感じることができる

木や草木が生い茂るなか、ひっそりと佇む「地中図書館」

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草間彌生<無限の鏡の間 ー心の中の幻>(内部)2018年(C)YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts

島袋道浩<ツチオとツチコ:55年後のBED PEACE>2024年


■地元食材を愛した匠が創作する「perus」
イタリアなどさまざまな場所で修行を重ねたレストラン「perus」の山名シェフ


農場野菜やジビエをはじめ、地元の漁港で水揚げされた魚など最旬の食材たち、そして、それらを作っている地元農家との深いつながりを持ち、自ら生産者のもとへ出向き、その想いも引き継ぎ、料理を日々アップデートし、提供している「perus(ペルース)」。そんな「人と自然のつながり」を大事にしてきた匠が創造する料理は絶品×芸術とも言え、まさに、口の中にミラクルが入り込んでくる、そんな表現が相応しい味わい。
素材のよさを極限まで引き出すレストラン「perus」

ひとくちでいただく贅沢な「水牛モッツァレッラのカプレーゼ」

口のなかに幸せが広がる「七草リゾットー煮えばな風ー」

「猪肉の薪焼き」

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都内から約1時間、内房総(市原市、木更津市)には、広大な自然と昭和レトロな街並みが延々と広がっており、そこに点在する現代アートとの融合は、なんとも不思議な感覚にさせてくれる。多忙な毎日を過ごしていると、空を見たり、答えを探したり、時間に追われたりするが、そんな日常を忘れさせてくれる「現代アート」に触れて、デジタルデトックスするには打ってつけのスポットだった。

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