3月12日(水) 2:40
2024年に行われたチューリッヒ保険会社の調査によると、全体の72.5%のドライバーが運転中に「あおり運転をされた経験がある」と答えていました。2023年にも同様の調査が行われており、その時点では53.5%だったため19%上昇しています。
また、2020年6月の法改正により、あおり運転が厳罰化されました。それにより、悪質なあおり運転を受けないように意識している人が全体の8割程度になっています。しかし、意識していても多くの人があおり運転を受けた経験があり、厳罰化によって減少したとはいい切れません。
実際のあおり運転の内容については「(前を走る)自分の車に接近して、もっと速く走るように挑発された」が全体の76.5%と最も多いです。続いて「必要のないハイビームをされた」「左側から追い越しされた」などが挙げられています。
一方で、あおり運転をされる理由については、76.3%の人が「きっかけに思い当たることがない」と答えています。しかし「制限速度で走行していた」「スピードが遅かった」「車線変更や追い越しをした」など、何かしらのきっかけに覚えがあるという人もいるようです。
前述の調査結果から、あおり運転に遭遇したときの対処法を表1にまとめました。
表1
道を譲る | 44.3% |
何もしない | 32.5% |
ドアや窓を完全に閉めて、ロックをかける | 11.5% |
別の道に逃げる | 10.8% |
ドライブレコーダーやスマホで撮影する | 9.3% |
路肩に停車する | 8.8% |
コンビニやサービスエリアに逃げる | 5.3% |
警察に通報する | 4.8% |
ハザードランプを点灯させる | 2.8% |
※チューリッヒ保険会社「あおり運転に関する調査」を基に筆者作成
あおり運転では、後ろから激しく接近されるケースが多い傾向にあるため、「道を譲る」という人が最も多いようです。
一方で、被害状況を警察に通報する人は5%未満となっています。また、同乗者がいないケースでは連絡できず、別の道やコンビニ、サービスエリアなどに逃げて回避する人の割合が大きいようです。
例えば、あおり運転を回避した後に警察に通報するケースでは、証拠がないと取り締まりが難しくなる可能性があります。このようなケースでは、ドライブレコーダーやスマホによる動画撮影が有効となるケースがあるようです。
国土交通省の調査では、ドライブレコーダーの活用実績として「自分以外の交通事故やあおり運転の動画を警察に提出した」が全体の11.5%となっています。
また、チューリッヒ保険会社の調査では、あおり運転をされないことへの工夫として「ドライブレコーダーを設置した」が全体の45.8%と「車間距離を取る」に続いて2番目に多い結果となっているようです。
さらに「ドライブレコーダーの普及があおり運転の減少につながる」と考える人が80%ほどになっており、今後の普及が期待されます。
ドライブレコーダーは、常時録画できるものや衝撃を感知して録画できるタイプなどがあるとされています。
機能やメーカーなどによって価格は異なりますが、5000円台で買えるものや6万円を超えるものまであるようです。どのような機能が必要かを明確にして、ドライブレコーダーを搭載する目的に合ったものを選ぶとよいでしょう。
また、任意の自動車保険には特約でドライブレコーダーを搭載できるものがあるようなので、利用を検討するのもよいでしょう。
あおり運転に遭遇したら、直ちに道を譲ったり別の道に逃げたりして、安全確保を優先させるとよいでしょう。あおり運転をされている状態で警察に通報することは難しいため、ドライブレコーダーを活用して安全を確保してからの通報がおすすめです。
ドライブレコーダーは機能やメーカーによって価格が異なるものの、安いものであれば5000円程度から取り付けられる可能性があります。あおり運転対策として、自分に合ったドライブレコーダーの搭載を検討しましょう。
チューリッヒ保険会社あおり運転に関する調査
国土交通省自動車局保障制度参事官室国土交通行政インターネットモニターアンケート 自動車用の映像記録型 ドライブレコーダー装置について 令和2年10月13日~10月26日実施
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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