いわゆる街の銭湯にはサウナ好きから高い支持を得ている施設がある。東京・三ノ輪にある「湯どんぶり栄湯」もそのひとつ。2017年にリニューアルし、温泉認定を取得。男女ともにサウナ室があり、日々多くの人が訪れる。そんな人気の銭湯がなんとトレーラーサウナを設置。しかも女性が優遇されているという。気になるトレーラーサウナを体験しに行ってきた。
【写真で見る】「湯どんぶり栄湯」のトレーラーサウナに深さ165センチの水風呂も!
■秘密の扉の向こうに広がるパラダイス!
「湯どんぶり栄湯」は住宅街にある銭湯。地元の人も多く訪れるが、ここを目指して遠方から足を運ぶ人も多く、入口の前で写真を撮る姿も少なくない。さっそく、丼をモチーフにしたロゴが描かれた暖簾をくぐる。
東京都の銭湯は入浴料が大人550円と決まっている。こちらの銭湯はサウナ料金600円かかるが、今回のお目当てはトレーラーサウナなので入浴料+浴室内のサウナ+トレーラーサウナで2500円。事前にWeb予約すると2300円で入れる。受付で予約したことを伝え、緑色のサウナキーを受け取ろう。
脱衣所入口横のスペースには、テレビでよく見る芸人さんやスポーツ選手、有名人のサイン色紙がたくさん飾られている。それを横目に女湯へ。超高濃度炭酸泉、ミクロバイブラ、ジェットエステ、座風呂など多彩なお風呂が壁沿いに並ぶ。その手前にサウナ室があり、サウナマットも置かれている。
とはいえ、今回はトレーラーサウナがメイン。まずは体や髪を洗って清め、お湯に入って体を温める。体が冷え切っている場合は、少し温まってからサウナに向かおう。浴室を通り抜け露天エリアに出ると、選ばれし者だけが入れる秘密の扉がある。そう、受付で受け取ったあの緑色のサウナキーの出番だ。
逸る気持ちを抑えつつ、扉の向こうへ。なんと、木と緑に囲まれた空間にドーンとトレーラーサウナがお出迎え。ステキ過ぎる!!さっきまでの銭湯の雰囲気とは打って変わった雰囲気。実はこの場所、「湯どんぶり栄湯」の駐車場の一部。位置的に女湯に繋がっていることもあり、現時点でトレーラーサウナは女性利用がメイン。土日の銭湯営業時間内に利用できる(ちなみに男性も営業時間前の限られた枠で入れる)。
■サウナ室では薪の香りと音に癒やされる
体を拭いて、いざ、トレーラーの中へ。コンパクトながら薪の香りが心地よく、熱すぎないのもまたいい。まずは下段に陣取る。定員は8名だが、入るタイミングはそれぞれなのでサウナ室内は余裕がある。
薪ストーブのサウナは、サウナの本場フィンランドではメジャーだが、都内では体験できる施設が限られている。ましてや銭湯ではなかなかない。薪ストーブの熱はマイルドと言われていて高温でも体感的には心地よく過ごせるという。焚火を見ているような、何とも言えないリラックス感もあり、やはり特別な時間。
トレーラーサウナではセルフロウリュOKなので、サウナストーブに水をかけると蒸気が上がって一気に体感温度が上がる。体にグッとくる熱が何とも言えず気持ちいい。適度な湿度もあって息苦しさはない。じわじわと汗が吹き出し、さっきまで寒くて体がガチガチに固まっていたのが嘘のようだ。
■深さのせい?いつもと違う樽水風呂
時間は気にせず、自分のちょうどいいタイミングで外へ出る。外気温が低いのでサウナ室から出ただけでも気持ちいいが、汗を流してもうひとつのメインイベント、樽水風呂へ。水深はなんと165センチ!女性のときは145センチに設定していたが、利用者から「深いほうがいい」とリクエストが多く、今後は男性でも女性でも165センチにする予定とのこと。165センチじゃ足がつかないと思うかもしれないが、樽の縁にもつかまれるし、溺れることはないが、設置されているロープを“命綱”にして入る。ロープにつかまって水風呂に入るのもまた特別感。もちろん、潜ってもOKなので、頭のてっぺんから足の先まで全身で水風呂を堪能できる。なんて最高な体験。
温まった体に、水風呂がちょうどいい。ととのい椅子に座ってただただ休憩する。これはたまらん。気が済むまでしっかり休憩したら、かなりとろける。トレーラーサウナ、いい!薪サウナ、いい!!
水分をしっかり取って2セット目へ。ちょうどサウナ室にいるときにスタッフが薪をくべに来てくれたので、薪の香りやパチパチという音もしっかり楽しめた。ロウリュのあとに、うちわであおいでくれたので、さらに汗をかいた。全身から汗が流れ、何だかスッキリする。サウナ室を出たらシャワーで汗を流して、水風呂→ととのい椅子で休憩。導線もよく、プライベート感がある。同時間に利用している人はほかにもいて、全員知らない人同士で会話もないのに居心地がよくて、気ままに自由に楽しんでいるような気分。
3セット目はトレーラーサウナの後、露天風呂にある美泡水風呂へ。この細かい泡の水風呂も「湯どんぶり栄湯」の特徴的な設備。樽水風呂は立った状態で入るが、こちらは混んでいなければ足を伸ばして座ってみてほしい。泡に包まれる感覚はまた格別。これもぜひ体験しておきたい。
すっかりトレーラーサウナを満喫したので、今度は露天風呂へ。つぼ湯が空いていたので、つぼの中でリラックス。薪の香り、揺らめく炎、しっかり温まって、クールダウンして、温泉にも入れてしまう、なんて贅沢!本気で疲れが吹っ飛ぶ。とてつもないご褒美だ。
■浴室のサウナと仕上げの温泉も楽しもう
露天エリアで少し休憩したら、せっかくなので浴室のサウナも体験。こちらは90度以上に設定されていて、かなり熱い。奥に広いつくりになっていて、奥に行くほど高さもあり、熱い。トレーラーサウナでしっかり温まった後なので、2段目に座る。ガラス窓の向こうにテレビがあり、音はサウナ室で聞けるようになっているので、しばしテレビを見ながらぼーっと過ごす。何も考えずにテレビを見てられるのもなかなかの贅沢。
今度は短めに切り上げて、露天エリアの常温水風呂へ。水風呂が2つあるのも銭湯ではなかなかない。しかも女湯に。美泡水風呂は16~17度に設定されているので、こちらは冷たい水風呂が苦手な人のために作られた水風呂。しかもスイッチを押すとビリビリとなる電気水風呂「どんぶりスパイス」なる仕掛けも。これ、意外とクセになる。電気風呂があまり得意ではないが、ここに入るとなぜか押してしまう。
薬湯や超高濃度炭酸泉などいろいろあるので、どのお湯でシメるかも迷うところだが、サウナにもしっかり入っているので無理は禁物。注意したいのは水分補給をこまめにすること。あれもこれもと夢中になってしまうと、うっかりしてしまうこともあるので、サウナに入る前と出たあとは、水分補給を意識しよう。
トレーラーサウナ利用は浴室も含めて2時間。あっという間だったが、満足度の高い2時間だった。なかなか入れない薪サウナを体験できて、サウナも、水風呂も、温泉も満足しかない。まさかトレーラーサウナデビューを三ノ輪の銭湯でできるとは!こんなサウナを作ってくれたことに感謝。ぜひこの気持ちよさを体験してみて。
取材・文=岡部礼子
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