【Jリーグ】J1で早くも苦戦中の下位クラブ 守備が崩壊、終盤に失点...序盤にして正念場

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【Jリーグ】J1で早くも苦戦中の下位クラブ 守備が崩壊、終盤に失点...序盤にして正念場

3月11日(火) 9:10

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J1開幕5試合分析後編今季苦戦のクラブ

J1リーグは開幕5試合で今季の躍進を期待させるクラブがある一方で、苦戦の連続で結果が出ずに早くも立て直しを迫られているクラブも多い。序盤にして正念場を迎えている。

前編「開幕5試合でわかった今季期待のクラブ」>>

【最下位の名古屋は守備の立て直しが急務】 1試合の結果で順位がすぐに入れ替わってしまうこの序盤で、苦しんでいるクラブを選ぶのは正直難しい。今は勝ち星に恵まれていなくても、何かをきっかけに連勝を重ねる可能性がどのクラブにもあるのがJリーグである。

そうした前提を踏まえ、苦戦しているクラブを挙げるとすれば、まずは現在最下位の名古屋グランパスになる。名古屋はここまで5戦2分3敗と未勝利で勝ち点2。苦戦している一番の要因が、5試合で失点12という守備にあることは一目瞭然だ。開幕から全試合で失点し、そのうち最初の4試合で複数失点をしていれば勝てないのも仕方ない。

名古屋グランパスは開幕5試合で未勝利と苦しんでいるphoto by Getty Images

名古屋グランパスは開幕5試合で未勝利と苦しんでいるphoto by Getty Images



昨季全体で見ると、失点47は8番目に少ない失点数で悪くない数字である。ただ、昨季終盤は失点がなかなか止まらず、ラスト5試合で1勝1分3敗、8失点を喫している。守備に問題を抱え、今オフには守備面の補強もしたが、まだ改善できていない。

当然ながら被ゴール期待値は一番高く、被シュート総数も1位と毎試合のように多くのシュートを浴びている。試合ごとにメンバーの入れ替えも多く、まだ攻守にチームとしてのやり方が浸透していない、あるいは定まっていないかのように映る。

ただ、開幕戦を除けば、複数得点は第2節のヴィッセル神戸戦のみだが、4試合で得点が取れている。徳元悠平といういいキッカーがいて、セットプレーは大きな武器だ。その強みを勝ちにつなげるためにも、ここから守備をどう立て直していくのかが求められる。

【終盤の失点に泣きまくる新潟】 名古屋と並んで5戦未勝利で19位と下位に沈んでいるのがアルビレックス新潟である。今季から樹森大介新監督が就任し、松橋力蔵政権から新たな船出となった。昨季からの、ポゼッションでボールを握りながらパスワークで相手のプレスを剥がし、前進していくスタイルは継続。そこに今季はロングフィード一発で相手の背後を突く縦に速い展開も狙う。

既存のスタイルに新しい要素も取り入れ、うまくアップデートされている印象を受ける。また、守備においても敵陣ではハイプレスをベースに、ミドルブロックではきれいな4-4-2のゾーンで守り、チームのやり方は非常に整理されている。

FW矢村健やMF新井泰貴といった新戦力もフィットし、昨季は強化指定選手で今季からプロ契約となった大卒ルーキーの稲村隼翔もすでに主軸として活躍している。

新潟がここまで苦戦しているのは、守備で粘れないところだろう。前半で秋山裕紀が一発退場し、数的不利となった第2節清水エスパルス戦は別として、それ以外の試合はすべて後半終盤に失点し、勝ちを逃す、あるいは勝ち越されている。

樹森監督は終盤に5バックにして逃げきり体勢という采配はしているものの、それでも押しきられてしまっているのが、ここまで未勝利という結果につながっている。逆に得点力はあるため、終盤にどうゲームをコントロールし、守備で強度を出して終わらせるか。それがなされれば勝ち星はつくはずである。

【序盤にして正念場のクラブ】 18位横浜F・マリノス、17位ヴィッセル神戸は、ともにいまだ未勝利ではあるがACLEの関係で1試合消化が少ないためいったん保留。16位の東京ヴェルディは、第3節町田戦で勝利したものの3敗を喫し、苦戦している。

昨季はチーム全体での高い強度による粘り強い守備をベースに、つば迫り合いを制して6位と躍進した。今季はそこで競り負けている印象だ。昨季からの主力メンバーは維持できたが、今季そこからどう発展、成長させるか。城福浩監督の手腕が試されている。

昇格組の15位横浜FCは、東京Vとは逆に粘り強く守れるものの、どう点を取るかが課題となっている。5試合で1得点はあまりに少ない。全体でコンパクトに守れたとしても、攻撃がトップの櫻川ソロモン頼みとなっているのは厳しいと言わざるを得ない。

新加入の鈴木武蔵が第3節横浜FM戦で負傷離脱したことも大きく響いているだろう。攻撃面で迫力が出せないとこのままずるずるいってしまいそうな空気もある。序盤にして正念場だ。

【浦和は期待外れのスタート】 今オフに大型補強し、上位争いも期待された浦和レッズだが、ここまで1勝2分2敗勝ち点5で13位。タレント豊富で贅沢な戦力から考えると期待外れなシーズンスタートとなった。

開幕の神戸戦こそ、王者相手に互角以上に渡り合ったゲームを見せたが、結局は0-0のドロー。その後は3試合連続で失点を重ね、湘南ベルマーレと柏レイソルに連敗。とくにホーム開幕戦となった柏に0-2で敗れたのは、守備の強度不足、不安定さを露呈し、スコア以上の敗戦だった。第5節ファジアーノ岡山戦に1-0で勝ち、ようやく今季初勝利を記録した。

同率13位の京都サンガF.C.も昨季終盤の好調さから今季の期待は大きかったが、1勝2分2敗と勢いに乗れていない。昨季は15試合で11得点と驚異的な決定力を発揮したラファエル・エリアスだったが、今季はここまでわずか1得点しか取れていない。

得点以前に、ここ3試合ともにラファエル・エリアスはシュートを1本以上打てていない。浮上のきっかけは間違いなくエースの復調。そのために、彼にどれだけチャンスが巡ってくるかが求められるだろう。

シーズンが始まってわずか5試合。ここからいくらでも調子を上げるクラブもあれば、尻すぼみしていくクラブもある。序盤でつまずいたクラブがどう立て直していくのか注目したい。

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