『ミッキー17』日本語吹替版声優陣
3月10日(月) 8:00
ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』の日本語吹替版を担当する声優陣が発表された。
本作は、エドワード・アシュトンによる小説『ミッキー7』を原作にしたサスペンス・エンターテインメントで、主人公は人生失敗だらけの男“ミッキー”。一発逆転のため申し込んだのは何度でも生まれ変われる“夢の仕事”、のはずが……。よく読まずにサインした契約書は、過酷な任務で命を落としては、何度も生き返るループへの入り口だった。
厳正なオーディションを経てロバート・パティンソンが演じる主人公ミッキーの声を担当するのは、舞台を中心に活躍する実力派俳優の成河(そんは)。自身が選ばれた時の気持ちを、「ポン・ジュノ監督のハリウッド作品で吹替えに参加出来るなんてまるで夢のようで、選ばれた時は信じられない気持ちというか、現実感がなかったです。そしていざ吹替えに入っても今度は大変さが勝り、実は終わった今でも現実感がありません。ふたりの異なる人格を持つミッキーの演じ分けはとにかく大変でした」と、夢のような仕事だったと振り返っている。
ブラック企業のトップ・マーシャルとその妻・イルファ役は、実の夫妻である山路和弘と朴璐美が務めるユニークなキャスティングに。ミッキーが最も頼りにするソウルメイトのナーシャに田村睦心、ミッキーの友人ながら彼に言い寄るカイを内田真礼と、日本アニメ界で大活躍するふたりを抜擢。また、人気YouTuberでもあり声優の中村悠一が、ひと癖ありげなミッキーの友人・ティモを担当するほか、花澤香菜がブラック企業の研究員のドロシーを演じる。
併せて、各キャスト陣によるポン・ジュノ監督作品の魅力についてのコメントも到着。成河は「一番の魅力はやはり、人間のダークな部分を過剰なまでに描きながらそれをエンターテインメントとして昇華させる所だと思います。あとは、登場人物全員に細かい癖があって、一見すると酷いシーンでも、愚かさの裏にある人間の愛らしさのようなものを常に失わないというのも魅力だと思います」と力説。
山路は「ポン・ジュノ監督のテンポの良さと、コミカルにして、ゾクっとくるような演出、ユニークなキャラクターたちに圧倒される」、朴は「深い社会的メッセージと、それを支える圧倒的な映像美、そして緻密に構築されたキャラクターたちだと思います。ストーリーが進行するにつれてどんどんと引き込まれていき、視覚的にも感情的にも良い意味で強烈な印象を受けます」とそれぞれ、ポン・ジュノ監督が創り出す世界観、キャラクターたちとその中に込められる現代社会にも通ずるメッセージが魅力であると語っている。
さらに、自らが演じたキャラクターたちの注目ポイントを語るコメントも公開された。
<日本語吹替版声優陣 コメント全文>
■成河:ミッキー役(ロバート・パティンソン)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:ポン・ジュノ監督のハリウッド作品で吹替えに参加出来るなんてまるで夢のようで、選ばれた時は信じられない気持ちというか、現実感がなかったです。そしていざ吹替えに入っても今度は大変さが勝り、実は終わった今でも現実感がありません。ふたりの異なる人格を持つミッキーの演じ分けはとにかく大変でした。
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:一番の魅力はやはり、人間のダークな部分を過剰なまでに描きながらそれをエンターテインメントとして昇華させる所だと思います。あとは、登場人物全員に細かい癖があって、一見すると酷いシーンでも、愚かさの裏にある人間の愛らしさのようなものを常に失わないというのも魅力だと思います。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:ミッキーはいわゆる負け組、最下層の人物としてスタートします。怠け者で受動的で、抑圧や搾取も無思考のまま受け入れます。そんなミッキーが、自分と異なる階級の人間と出会い、さらにもうひとりのミッキーが持つ「怒り」と出会い、少しずつ、世界との距離の取り方を見つけていきます。そんな彼の小さな成長にご注目下さい。
■山路和弘:マーシャル役(マーク・ラファロ)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:昔々若い頃、心身共に疲れのピークのある日。道を歩いていると、橋の向こうから、とても元気そうな自分がやって来るのを見た事がある。見つからない様に電柱の陰に隠れた。私が少し離脱系の所為だったのだが……。それを思い出した。
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:ポン・ジュノ監督のテンポの良さと、コミカルにして、ゾクっとくるような演出、ユニークなキャラクターたちに圧倒される。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:私が担当した「マーシャル」。マーク・ラファロの独特の眠り眼(マナコ)が大好物の私は、あの目を真似て声を当てていた。そこの処気付いていただければ……いや、いくら何でも気付けんわな。
■朴璐美:イルファ役(トニ・コレット)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:イルファは感情の起伏が少なく、一見無感情に見えますが、その内面には葛藤や強い意志が隠れています。そういった微妙なニュアンスを表現するのに苦労をしました。また、トニ・コレット自身の独特な声のトーンや演技スタイルも吹き替えをする点で難しかったところです。
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:深い社会的メッセージと、それを支える圧倒的な映像美、そして緻密に構築されたキャラクターたちだと思います。ストーリーが進行するにつれてどんどんと引き込まれていき、視覚的にも感情的にも良い意味で強烈な印象を受けます。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:イルファは、ブラック企業トップのマーシャルの妻です。クローン労働者たちに過酷な任務を課す立場にあり、彼らを使い捨ての存在として扱います。彼女の冷徹な態度が、作品のテーマである階級格差や労働搾取を象徴していて、その存在が物語に強い印象を与えているところは注目ポイントです。
■中村悠一:ティモ役(スティーブン・ユァン)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:役柄がなかなか掴みどころのないキャラクターをしていました。シリアスさとコミカルさを両立させる必要もあったため、色々なパターンを想像して挑戦させていただきました。
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:真面目な、ドラマ性の強いシリアスな雰囲気から、良いところで観ている側の気を抜いてくれる、緩急の付け方が非常に素晴らしい作品を作られる方と思っています。本作にもそんなシーンが沢山あり、どんどんと引き込まれました。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:利己的ですがどこか憎めない人物。最後まで観ていただいた時、やはりそうだよね!と納得の行くポジションと感じます。ご覧いただく皆様の目から、是非彼を評価してみて下さい!
■田村睦心:ナーシャ役(ナオミ・アッキー)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:不思議な作品だったので理解するのに少し時間がかかりました。ものすごく大変な状況のはずなのですが、役が思いの外、前向きで知的かつパワータイプだったので面白かったです。
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:今回の作品に限ってなのかもしれませんが、嫌なことや嫌な奴でもどこかチャーミングに描かれているところが印象的でした。いろいろな人の立場に立って観られる可能性を感じました。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:主人公の事を大切に思っているキャラクターなので、とてもつらい気持ちになったり、絶対に守るぞ!という気持ちになったり、感情を揺さぶられつつ吹き替えさせていただきました。大切な人がこんな職業だったら辛すぎる。でもそこに絶望せずに前向きに過ごしている彼女が強くてすごいです。未来にこんな技術ができたとしても、この映画を思い出してほしいなと思います!
■内田真礼:カイ役(アナマリア・バルトロメイ)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:アフレコは楽しみながら、取り組ませていただきました!!
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:日常の会話の中に、ぽんと不思議なメッセージが置かれていたり、隠れていたり、ドキッとさせられる演出の数々に、心を鷲掴みにされます。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:ミッキーとともに働いている友人のひとりです。彼女が見た景色は壮絶なものだと感じました。吹き替え版も、ぜひお楽しみください!
■花澤香菜:ドロシー役(パッツィ・フェラン)
Q:今回の吹き替えで新たにチャレンジ(ご苦労)されたことはありますか?
A:彼女のミッキーに対する研究者としての言動が、客観的には残酷に見える時もあるのですが、本当は母性のような愛情をもって接していることを意識して演じました。
Q:『パラサイト 半地下の家族』など、一度観たら忘れない、不思議な強い印象が残るポン・ジュノ監督作品ですが、一番の魅力はどのようなところだと思いますか?
A:無かったことにしてはいけない、人の苦しみを、過激で魅力的な作品を通して私たちに見せつけてくれるところだと思います。観劇後は、見てはいけないものを見てしまったような、でも決して忘れてはいけないことを教えてもらえたような気がして、ドキドキしてしまいます。
Q:階級格差や労働搾取が描かれる『ミッキー17』ですが、劇場公開を楽しみしているファンに向けて、吹替をご担当されたキャラクターの階級(立ち位置)と注目ポイントを教えてください。
A:他人事とは思えないとんでもなく恐ろしい世界の中で、彼女は癒しの存在になってくれると思います。注目ポイントはある生き物の鳴き真似です……難しかったです(笑)。そして、ミッキーの語りの明るさと物語のコントラストでぐちゃぐちゃになる感情をぜひ堪能していただきたいです。
<作品情報>
『ミッキー17』
3月28日(金) 公開
公式サイト:
https://wwws.warnerbros.co.jp/mickey17/index.html
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