春から大学生になる子どもに毎月の小遣いを「1万円」渡そうと思います。自宅通学ですが甘やかしすぎでしょうか?

春から大学生になる子どもに毎月の小遣いを「1万円」渡そうと思います。自宅通学ですが甘やかしすぎでしょうか?

3月9日(日) 19:50

大学生になるとアルバイトを始める方もいる一方で、一人暮らしの場合は仕送りとして、自宅から通学する場合は親から小遣いを渡すケースもあるでしょう。そこで気になるのは、自宅から通う大学生の子どもへの小遣いをいくらにするかということです。 本記事では、自宅から大学に通う学生の小遣い「1万円」が妥当かについて検証し、一人暮らしと自宅生がそれぞれに必要な1ヶ月の生活費を比べていきます。

大学生のお小遣いの平均額とは?

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が実施した「10代の金銭感覚についての意識調査2024」によると、大学生がもらっている小遣いの平均額は1万341円です。前年の調査では9316円だったことから、1年で1025円上昇していることが分かります。
 
今回参考としている調査の結果から考えると、毎月渡す小遣いの金額が1万円であれば、妥当な金額であるといえます。
 
ただし、大学生がひと月あたりに消費している金額を見てみると、2万1287円との結果も掲載されていました。このことから、小遣い1万円だけでは不足する可能性もあると考えられるでしょう。
 

自宅から大学に通う場合1ヶ月に必要な生活費

独立行政法人 日本学生支援機構が実施した「令和4年度学生生活調査結果」によると、1年間で必要になる生活費の支出平均は、表1の通りです。
 
表1

<支出> 自宅 学寮 下宿、アパート、その他
食費 8万8500円 23万4300円 26万2400円
住居・光熱費 0円 28万1300円 45万5400円
保健衛生費 4万9900円 4万5200円 5万2800円
娯楽・し好費 13万6700円 11万3200円 12万9900円
その他の日常費 14万9200円 16万2900円 17万1300円
支出合計 42万4340円 83万6900円 107万1800円

出典:独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
 
上記の支出合計を1ヶ月単位に換算すると、以下のようになります。

●自宅:約3万5362円
●学寮:約6万9742円
●下宿、アパート、その他:約8万9317円

学寮や下宿、アパート、その他は住居費や食費が大きな割合を占めています。食費については自宅と比較すると3倍近くの差が生まれており、住居・光熱費については金額がそのまま支出の差になる要因です。このことから、生活費で見ればどうしても学寮や下宿、アパート、その他に住む場合の支出が大きくなってしまうでしょう。
 
一方で、年間発生する通学費に着目してみましょう。自宅から通う場合の通学費は9万8300円です。対して学寮からの場合は1万7500円であり、下宿、アパート、その他からの場合は2万4800円となっています。
 
これは通学先からの距離が関係していると考えられ、学校に近いところに住む学寮や下宿、アパート、その他の方が安く済む結果となりました。学寮や下宿などであれば、電車を使わずに徒歩や自転車で移動できることも考えられるため、交通費の面では自宅からの方が高くなるといえるでしょう。
 

自宅から通う大学生の子どもへの小遣い「1万円」は妥当

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が実施した「10代の金銭感覚についての意識調査2024」では、大学生がもらっている小遣いの平均額は1万341円となりました。このことから、1ヶ月の小遣い「1万円」は妥当な金額といえるでしょう。
下宿生に比べて通学距離が長くなることのある自宅生では、通学に必要な電車やバスの定期代がかかることがあります。そのため、1ヶ月のうちで交通費にかかる金額は、下宿生よりも高くなる傾向があるようです。大学の近くにアパートを借りられる下宿生は、徒歩または自転車での通学も可能なため交通費をおさえることができるでしょう。
 
自宅から通う大学生の子どもの小遣いの額は、家庭の経済状況やアルバイトの有無などを考慮して、柔軟に決めることが大切です。
 

出典

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社10代の金銭感覚についての意識調査2024(4、11ページ)
独立行政法人 日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果(49ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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