3月7日(金) 19:00
株式会社帝国データバンクが2025年2月に発表した「初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)」によると、2025年度に初任給を前年度から「引き上げる」と回答した企業は全体の71.0%に上りました。
引き上げ額は「1万~2万円未満」の割合が41.3%で最も高く、「5000円~1万円未満」の割合が30.7%、「5000円未満」の割合が18.1%と続きます。引き上げ額の平均は9114円となっています。
このデータから、多くの企業が初任給の引き上げに前向きであることが伺えます。初任給の金額については、「20万~25万円未満」の割合が62.1%で最も高く、前年度と比べて4.7ポイント増加しました。
次いで「15万~20万円未満」の割合が24.6%、「25万~30万円未満」の割合は11.4%です。初任給が「20万円未満」の割合は24.8%と、前年度より10.4ポイント減少しています。
これらの数値から、今回の事例における28万円の初任給は平均的な金額を上回っており、高水準であることが分かります。
近年、初任給の引き上げが注目されている背景には、以下の要因が考えられます。
・人材確保の競争激化
・物価上昇への対応
・企業の業績向上
少子高齢化にともない新卒者の数が減少しており、優秀な人材を確保するために初任給を引き上げる企業が増えているとされています。また、生活必需品やサービスの価格上昇などにより、実質的な生活コストが増加していることも要因のひとつです。これに対応するため、企業は給与水準の見直しを迫られています。
さらに、経済の回復や業績の好調を背景に、社員への還元として初任給を引き上げる企業も増えているようです。初任給の引き上げには、景気の回復や企業の業績向上も影響していると考えられます。
2025年度の初任給は、全体的に引き上げの傾向が強まっており、多くの企業が賃金の見直しを進めています。今回参照した調査結果からも、28万円という初任給は平均的な金額と比べて高い水準であるといえるでしょう。
今後も、企業の採用戦略として初任給の引き上げが継続する可能性が高く、新卒者にとっては待遇の向上が期待される状況です。
しかし、初任給の引き上げだけでなく、長期的なキャリア形成や昇給・福利厚生の充実といった視点も重要です。新卒者は、初任給の額面だけでなく、企業の成長性や働きやすさといった要素も総合的に考慮しながら就職先を選ぶことが求められるでしょう。
株式会社帝国データバンク 初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
平均年収が高い職業ベスト5を調べてみた!2位は「医師」、1位は?