朝5時、晴れ姿を見せるためにやってきた健気クール男子×素直になれない彼氏のかわいすぎる物語に「尊すぎる」の声【BL漫画】

『コンビニ店員と常連客の進路相談』より/画像提供:おきぬさん

朝5時、晴れ姿を見せるためにやってきた健気クール男子×素直になれない彼氏のかわいすぎる物語に「尊すぎる」の声【BL漫画】

3月7日(金) 3:00

『コンビニ店員と常連客の進路相談』より
【漫画】素直じゃない彼氏に「茶化すな」と迫るクール男子へ「かわいいカップルだな」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『後は野となれ山となれ』の第28話をピックアップ。作者である漫画家のおきぬさんが、2025年1月31日に、本作を「コンビニ店員と常連客の進路相談」というコメントを添えてX(旧Twitter)に投稿したところ、8000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではおきぬさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■彼氏にスーツ姿を見せるため…早朝にいきなりやってきた年下彼氏
『コンビニ店員と常連客の進路相談』より


笋住周(たけすみ あまね)は「今何時だと思ってんだ」と寝癖をつけてパジャマ姿のまま、ドアを開けた。そこにいたのは先日付き合うことになった茸屋直(くさびらや なお)。直は朝の5時にも関わらず、入学式に出るためのスーツ姿を見せるために周の元へとやってきたようだ。

スラっとした体型でスーツがよく似合っている直は、得意げに「決まってるだろ?」と表情をキラキラさせる。周は「まぁ…腹立つが……」と照れ隠しを挟みつつ、「はいはいお前タッパあるしな」「似合ってるよ」とあくびをしながら直の晴れ姿を褒める。

玄関でやり取りを続けるよりもと考えたのか、直を家に上げた周。来客用に備えておいた飲み物を飲むかと尋ねるのだが、直は「周が好きなのはどれ」と質問を返してくる。「強いていうなら白湯……?」と答える周に直が「じゃあそれ」と言うと、周はなぜか照れたようす。理由を聞いてもはぐらかす周に、「茶化すな」「言ってくれねぇと分かんねぇです」と直が詰め寄ったところ…。

この物語を最後まで読んだ人たちからは、「直のスーツ姿えぐい」「かわいいカップルだな」「尊すぎる」「私も白湯がいい!」「続きが楽しみすぎる」など反響の声が多数寄せられている。

■「皆が好きなものって何だろう…せや、コンビニや!」というノリで始まった物語
『コンビニ店員と常連客の進路相談』より


――『コンビニ店員と常連客の進路相談』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

こちらはナンバーナイン様のご依頼で、X(Twitter)とpixivで連載している漫画です。正式なタイトルは『後は野となれ山となれ』と言いまして、もともと2022年に描いていたものでした。その後、ナンバーナイン様から続編連載の打診があり、2024年5月からまた描き始めました。今回はその第28話ですね。

もう少し遡って経緯をお話しますと、本作はSNS運用を頑張っていた2022年当時、短いスパンで更新できる漫画として描いていた作品群の一つでした。画力や制作力向上にもなるし、そこまで力が入らないので息抜きにもちょうど良いかなと考えまして。更新スパンを優先する都合で、短いページでテンポよく展開が進むコメディを描いていました。その流れで、「皆が好きなもの」を意識して描き始めたものです。「皆が好きなものって何だろう…せや、コンビニや!」というノリで始めました。

ただ、その年は個人的に大変な時期だったのでかなりヤケクソでした(笑)。色々なことが重なって、真面目に生命を絶とうかとまで考えていたくらい本当にしんどい時期でした。「もう何も考えたくない!どうにでもなれ!」という気持ちで、簡単な人物設定だけ考えて、見切り発車で無計画に始めた物語です。

それが思いのほか反響を頂き、2023年で完結してから少し期間が空いて、2024年に続編制作のご依頼を頂きました。…けど最初はそのお話をお受けするか、かなり迷いました。いくつか理由はあるのですが、一つは本当に無計画に描いていた漫画だったこと。一つは、私の中では2023年当時で終わった物語だったこと。そして、今までのように自己満足のみで描くわけにはいかないという覚悟が必要なことです。迷った結果、読者さん達の続きを望む声もあるので「頑張ってみるか…」とご依頼を受けることになりました。

――白湯を選んだ茸屋に対して、笋住が照れた表情を見せている場面が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

今回の笋住、ほぼずっと照れてますね。白湯を選ぶ=笋住を選ぶということですから、そりゃ照れるということで…。

まずは茸屋のスーツ姿ですね。大学の入学式に向かう前に、アポ無しで笋住の家に突入するシーンです。個人的にカッチリした服装が好きなので、カッコよく見えるよう気合を入れて描きました。身長188cmのスーツ姿、もし実際に見たとしたら迫力ありそうですね…。

それから笋住のパジャマ姿です。これは茸屋の誕生日の時に、笋住がお揃いで用意したプレゼントです。さりげなく思い出を大事にしてる感が出てると良いなと思います。自分でおそろっちで買ったパジャマを律儀に着ているの、笋住なりの愛な気がします。

あとは、最近になってようやく二人は付き合いだしたので、以前よりもお互いに踏み込んでいっている様を描いています。今までなら出さなかった本音を曝け出したりとか…。二人の仲が少しずつ深まっているのを感じて頂ければ幸いです。

――「自分に関心持ってくれたから嬉しいんじゃないでしょうか」という笋住のセリフが個人的にお気に入りです。特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

照れると敬語になりがちな笋住氏は、私もお気に入りです(笑)。

特に気に入っているシーン茸屋編は、「お前もつくづく分かんねぇ奴だな……」のあたりです。「結構な付き合いになるのに不明な点の多い、難解な奴だな」といったニュアンスです。これまでの付き合いの積み重ねを示唆している感じがお気に入りです。茸屋は言動こそアレですが、基本的に素直に気持ちを表現することが多い一方、笋住は感情豊かに見えて本心が見えにくいキャラクターです。そんな分かりにくい笋住の人格を、「分からない」と言いながら捉えようとする真剣さ、本気加減が見られるのが好きです。

笋住編は、「気障な奴だな……」というセリフがお気に入りです。今時「気障」という言葉が使われるのか分かりませんが、笋住はそういった少し古風な言い回しをするタイプなのが窺えるかなと。茸屋の言動が「彼氏」ぶっているというか何というか…だけど様になっているし、それにときめく自分が腹立たしい…そんな笋住の心境を込めたセリフです。笋住が平静を保とうとして天邪鬼な言動を取っている時、私の筆はノリノリになっています(?)。

――以前、「ある日突然、これだ!」とストーリーが湧いてくると伺いました。本作も同じような感覚で出来たお話なのでしょうか?

私そんな雑なこと言ったんですか?(笑)。前回の「人間万事塞翁が馬」インタビューの時に言いましたね。「後は野となれ山となれ」もそんな感じですが、改めて考えてみますね。

前述の通り、もともとやけっぱちかつ勢いで描き始めた物語でした。雑に「皆が好きなもの=コンビニ」から入って、あとは自分の好きな要素をパッパッと振りかけて、ほぼ構想も何もなしに描き始めました。私は年下攻め・下剋上が好きなので、「年下コンビニ店員と客の組み合わせにして…店員がクソだったら面白いかも…そんで客がクレーム入れれば喧嘩の出来上がり。よし、GO!」と…(笑)。その後第1話を制作するまでの間、1時間も無かったです。

でも大体いつもこんな感じかもです。大枠の舞台やテイストを決めて、先にキャラクターを作って、それらを成り立たせるストーリーを作る…というのが多いかもしれません。それにしても今作は輪をかけて勢い一辺倒だったので、続編を依頼されたときは本当に困りました。ストーリーがほぼ無いんですから!!(笑)

なので、続編ではどうにかこうにかストーリーらしきものを組み立てて、ある程度計画的に進めるようにしています。前回のインタビューでお話しした「現実感のあって読み応えのある作品」をやりたいなと思って、少し挑戦しています。成長物語的要素を入れつつ、納得のいく話作りが出来たら良いなと思っています。今回ご紹介いただいた第28話にて、セクハラ男を卒業しつつある茸屋、ちゃんと茸屋に向き合おうとする笋住それぞれの成長ぶりを感じて頂ければ幸いです。

結局のところストーリーがどう湧いてくるかは、その時その時の心境次第ではあるかもしれません!やはり「ある日突然、これだ!」に帰結するのか…。

――前回のインタビューでは、「なるべく上手く描けますように」と願いながら描かれていると仰っていました。本作は、どのようなことを意識されているのでしょうか?

絵を描くのは自分なのに、まるで他人事のような発言ですね…(笑)。

基本的には引き続き「なるべく上手く描けますように」と願いつつ、出来るだけ二人ともカッコイイと思ってもらえるように意識して描いています。例えば男性らしい体つきを意識して、体表に出る筋肉や骨を線で表現したりとかですね。カッコいい体の描き方を模索中です。あとは基本的なデッサンに気をつけています。こればっかりは、普段のクロッキーや模写などの作画練習をコツコツと続けるに限りますね…。

それぞれのキャラクターで意識していることは、笋住はアホ毛と二重瞼がチャームポイントなので、絶対に忘れないようにすることです。笋住のアホ毛で喜怒哀楽を表現したりしていなかったり…?

茸屋はマッシュヘアーと刈り上げたもみあげ、左耳のピアスに気を遣っています。以前担当編集さんに「もみあげが好き」と言っていただいて以降、特にもみあげを意識するようになりました。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも応援して下さる方、本当にありがとうございます。皆様のお陰で私はこうして、またWEBザテレビジョンさんにインタビューしていただけました。「後は野となれ山となれ」、今まで本当にBL漫画か疑われるくらい糖分低めでしたが、晴れて恋人同士になってから色々と加速しています。お楽しみあれ。

それから、おきぬを初めて知っていただいた皆様へ。ここまで読んでいただいてありがとうございます。長々と語らせて頂きましたが、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。現在Xやpixivにて、BL漫画「後は野となれ山となれ」を更新中です。コンビニ店員×常連客のコメディなお話です。読んでいただけたら嬉しいです。

最後にWEBザテレビジョンの皆様、「人間万事塞翁が馬」に続いて貴重な場を設けて下さりありがとうございました!楽しかったです!!



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