3月4日(火) 20:10
クレジットカードの不正利用といっても、手口はさまざまです。主な手口は以下のとおりで、いずれも契約者本人が気付かないところで被害が起きています。
・フィッシング詐欺:EメールやSMSに記載されたサイトに誘導し、クレジットカードや銀行口座などの情報を盗み出す手口です。普段の生活のなかで利用機会の多いクレジットカード会社や宅配業者、通販サイトなどを装っています。
・スキミング:スキマーと呼ばれる特殊端末を使用する手口です。読み取ったクレジットカードのデータから偽造カードを作成し、不正利用されます。
・ネットショッピング詐欺:架空のネットショッピングサイトで、商品を購入させる手口です。その際に購入した商品が届かないだけでなく、クレジットカード情報も盗み出されます。
・情報の漏えい:第三者がネットショップのサイトへ不正アクセスを行い、クレジットカード情報などが不正に盗まれる手口です。
・なりすまし:第三者が不正な方法によって取得したクレジットカード情報にて、契約者自身になりすましてカード決済を行う手口です。
クレジットカードの不正利用の被害に遭っても、一定の条件に該当し、かつ適切な手続きをすれば会員規約に基づいて請求の取り消し、または損失分が補償対象となる可能性が高いです。
一般的に、請求の取り消しや損失分の補償が適用されるのは、不正利用の申告日からさかのぼって60日前までの利用分です。利用明細などを確認して不正利用に遭った可能性が高いと判断できる場合は、早急にクレジットカード会社へその旨を連絡してください。連絡先はクレジットカードの裏面や会員サイトなどに記載があります。
ただし、手続きを行えば必ず請求の取り消しや損失分が補償されるわけではありません。
クレジットカード会員の家族や同居人などの利用、クレジットカード会社が請求する書類などを提出しない、被害状況の調査に協力しない、不正利用の原因が契約者自身の故意や過失によるものの場合、請求の取り消しや損失分が補償されないため注意が必要です。
クレジットカードの不正利用の被害に遭いたくないと誰もが思っていますが、いつどのような手口で情報を盗み出されたり、漏えいしたりするか分かりません。一定の条件に該当して適切な手続きを行えば請求の取り消しや損失分が補償されるとしても、手続きなどに手間がかかります。
そこで、不正利用の被害に遭わないために、普段から以下の対策を取り入れるようにしてください。
・クレジットカードを利用したらアプリやメールで通知されるように設定する
・本人認証サービス(3Dセキュア)に登録する
・利用明細をこまめに確認する
以下で、対策別に解説します。
クレジットカードを利用したら、メールやアプリに通知が届くように設定することが可能です。リアルタイムで通知が届くので、不正利用であればすぐに気付けるでしょう。
不正利用の被害に遭わないために、クレジットカードの本人認証サービス(3Dセキュア)に登録しましょう。3Dセキュアとは、インターネット上で決済を行う際に、本人による決済であるかどうかを判断する方法です。カード会員本人が設定したパスワードなどの情報が必要となるため、不正利用されるリスクを軽減できます。
クレジットカードの利用明細をこまめに確認することで、不正利用の被害に早く気付けるでしょう。不正利用に気付いた時点でクレジットカード会社に連絡をすれば、その後の被害を最小限におさえられます。
国内外は関係なく、クレジットカードの不正利用の被害に遭うリスクは常に存在します。
しかし、クレジットカード利用後にアプリやメールに通知が届くように設定する、本人認証サービスの登録を行う、利用明細書をこまめに確認することで、不正利用の早期発見の可能性を高めることができます。これらの対策は比較的簡単に行えるので、この機会にぜひ行ってみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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