3月3日(月) 19:20
都道府県道路交通法施行細則または道路交通法では、積雪や凍結した道路を走行する際に「滑り止め措置」を義務付けています。
東京都では、道路交通規則第8条により「明らかに滑ると認められる道路」での運転時にタイヤチェーンなどの滑り止め措置を講じる必要があります。
ちなみに、北海道では道路交通法施行細則第12条により、積雪・凍結時にスノータイヤを全車輪に装着するか、タイヤチェーンを取り付けることが義務付けられています。
東京都でもスタッドレスタイヤを前輪だけに装着して運転すると、「滑り止め措置を講じていない」として違反行為と判断される可能性が高いです。
違反行為は、公安委員会遵守事項違反として処罰の対象となります。「罰金」と「反則金」の2種類があり、それぞれ適用される条件が異なります。
反則金は軽微な違反時に適用されます。スタッドレスタイヤを装着せずに積雪や凍結した道路を走行した場合、滑り止め措置をしていないとして公安委員会遵守事項違反に該当し、反則金の対象となります。
・大型車:7000円
・普通車:6000円
・軽自動車:5000円
罰金は、違反の程度が重大と判断された場合に適用されます。スタッドレスタイヤ未装着のまま走行し、スリップ事故を起こして他の車両や歩行者を巻き込んだ場合は、より重大な責任が問われ、罰金5万円以下の刑事罰が科される可能性があります。スタッドレスタイヤの適切な装着と安全運転が重要です。
スタッドレスタイヤを前輪だけに装着すると、発進時のグリップ力は確保できますが、安全性の面では大きな問題があります。
特に前輪駆動(FF)の車では、ブレーキ時に後輪のグリップが不足し、スリップやスピンのリスクが高まります。カーブでは前輪がグリップしていても後輪が滑り、コントロールを失う可能性があり、急カーブではスピンや横転の危険性が増します。
さらに、下り坂では制動距離が長くなり、停止できずに前の車に追突したり、滑り落ちたりする危険もあります。
このように、スタッドレスタイヤを前2本だけ装着した場合、法律違反になる可能性があるだけでなく、運転時の安全性が大きく損なわれます。
スタッドレスタイヤを4本装着していても、左右前後でメーカーや経過年数が異なると性能に差が生じ、車のコントロールが難しくなることがあります。ブレーキ時の制動力に差が出るとスリップの原因となり、「適切な滑り止め措置が取られていない」と判断されるかもしれません。
スタッドレスタイヤには「プラットホーム」と呼ばれる摩耗の目安となる目印が設けられています。スタッドレスタイヤは溝の深さが50%まで摩耗するとプラットホームが視認できるようになり、積雪路・凍結路での性能が低下し、事故のリスクが高まります。
さらに、タイヤの溝深さが1.6ミリメートル未満になると、タイヤとしての使用限度を超えたと見なされ、整備不良制動装置等違反となる可能性もあります。
スタッドレスタイヤを前輪だけに装着すると、東京都でも違反となる可能性が高いです。違反すると反則金を支払う可能性があり、事故を引き起こすと最大5万円の刑事罰が科されるケースもあります。
スタッドレスタイヤを4本装着していても、プラットホームが見えた状態で使用している場合は滑り止め対策が不十分とみなされ違反となる可能性があります。安全のために、積雪時には4本同じスタッドレスタイヤを使用し、定期的なメンテナンスをしましょう。
e-Gov法令検索 道路交通法
東京都公安委員会 東京都道路交通規則
警察庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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