第97回アカデミー賞授賞式が3月2日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、ショーン・ベイカー監督作「ANORA アノーラ」が、作品賞に輝いた。ベイカー監督にとって、初の作品賞受賞となった。
「タンジェリン」「フロリダ・プロジェクト真夏の魔法」「レッド・ロケット」などで高い評価を受けてきたショーン・ベイカー監督が手がけた人間賛歌の物語。ニューヨークを舞台に、若きストリップダンサーのアノーラが、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘する等身大の生きざまを描いた。
初めにスピーチに立ったのは、製作総指揮のアレックス・ココ。「私たちは、この作品を約600万$の制作費で、40名ほどのクルーと一緒にニューヨークで作りました。インディペンデントの映画を作り続けています。皆さん、作り続けてください。(手に持つオスカー像を示して)その“証拠”がここにあります」と語りつつ、作品をサポートし続けた関係者に感謝の意を示した。
続けて、製作総指揮のサマンサ・クァンは「これは本当のことなんでしょうか?信じられません!10カ月、この旅路を歩いてきました」「本当に予算が少なくったんですが、心を込めて作りました。若いフィルムメーカーの方たち、是非“ストーリー”を語ってください。感動するようなストーリーを作ったら、後悔することはないと思います」と思いの丈を述べた。
ラストを飾ったのは、脚本賞、編集賞、監督賞でもオスカー像を獲得したベイカー監督。「最後にアカデミーに感謝します。インディペンデントの映画を認めてくれました。インディペンデントの素晴らしいアーティストが、今舞台に立っています。そしてこのようなインディペンデントの映画が“作品賞”を獲得することができました。本当にありがとうございました」と満面の笑みで語っていた。
同作は、第77回カンヌ国際映画祭ではパルムドールを受賞。第77回DGA(米監督組合)賞の長編映画部門で最優秀監督賞、第36回米映画製作者組合(PGA)賞で最高賞、第30回クリティクス・チョイス・アワード映画部門の作品賞、米脚本家組合(WGA)のオリジナル脚本賞を受賞するなど、アカデミー賞の主要な前哨戦を相次いで制覇していた。
【作品情報】
・
ANORA アノーラ【関連記事】
・
第97回アカデミー賞特集(2025年)・
【作品情報】「ANORA アノーラ」・
【動画】「ANORA アノーラ」予告編(C)2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved. (C)Universal Pictures