【写真】「フォレスト」辻Pが撮影の裏話を明かす
比嘉愛未と岩田剛典が初共演にしてW主演を務めるドラマ「フォレスト」(毎週日曜夜10:15-11:09、テレビ朝日系)が3月2日(日)の放送で最終回を迎える。
このたびWEBザテレビジョンでは、同作を手掛ける辻知奈美プロデューサーにインタビューを実施。キャストの魅力や裏側、最終回を前に見どころを語ってもらった。
■「自分らしく、自分の好きなように生きていってほしい」と伝えたい
ーーまずは、今作を制作されたきっかけと理由を教えてください。
次の話が気になるドラマを作りたいと考え、オリジナルのラブサスペンスに挑戦しようというところからスタートしました。
打ち出しているテーマとしては「愛とうそが絡み合うサスペンス」と、誰がうそつきでどんなうそがあって…というハラハラ要素が大きいのですが、入り口で描きたかったのは、自分の人生は自分らしく、自分の好きなように生きていくべきだということだったんですよね。
自分よりも家族を優先にしなければいけない状況にある方って結構多くて。もちろんそれが間違いではなく、大切なことではあるのですが、人生は一度きりだし自分だけのものなので、自分らしく生きていく道を選んでいってほしいということを伝えられたらいいなと考えていました。
ーー初回から展開のはやさを感じたのですが、そこにもこだわりがあったのでしょうか?
今はドラマの数が多く、見る方がどんどん取捨選択していく時代だと思います。私も正直なところ、展開が遅いと見続けるのが大変だと感じるタイプなので、「まだ1話だから、2話だから」と出し惜しみせずに進めていこうというのは、脚本家さんとも話していました。
若い方は特に、映像を1.5倍速や2倍速にして見る方が多いと思うので、そういった点でもスピードは意識していました。
■第7話の抱きしめるシーンは比嘉&岩田の提案から
ーーW主演を務める比嘉さん、岩田さんの起用理由を教えてください。
比嘉さんは、演じられた役の影響で“クールでシュッとしている方”というパブリックイメージが強いかと思いますが、実際にお会いすると、とても明るく愛嬌のあるすてきな方なんです。そして芸歴20年目とのことで、長くやられているからこそ意思や考え方がしっかりされていて。
楓は、最初は親や家族の問題などに翻弄されますが、そんな彼女が全話を通して成長していき、元々彼女が持っていた1本通った筋を出力していける姿を描きたく、その両面が比嘉さんに当てはまるなと思ったんです。力強い部分もありつつ儚さを併せ持っている方なので、すてきに演じていただけるのではないかと思っていました。
岩田さんは、三代目 J SOUL BROTHERSとしてアーティスト活動をしながら俳優業もされていますが、今や日曜劇場「アンチヒーロー」(2024年、TBS系)や連続テレビ小説「虎に翼」(2024年、NHK)への出演など、“俳優・岩田剛典”のイメージが定着してきています。岩田さん自身もラブサスペンスやサスペンスものがお好きということもあり、「サスペンスは難しいけれど、ぜひオリジナルで一緒に挑戦していきましょう」とお声掛けさせていただきました。脚本はお二人と話しながら作っていったところもありましたね。
ーー具体的に、お二人の意見が反映された部分はありましたか?
例えば、第7話にあった、警察の取り調べ後に純が楓と「でもまだ終わっていない」と話すシーンですね。台本上ではシンプルな会話のみだったのですが、比嘉さん、岩田さんと現場で話し、楓が純を抱きしめるシーンに変わりました。
「自分の弟が庭に埋まっていたというとんでもない事実を目の当たりにして、自分の愛している人がこの状況に陥ってしまったら、抱きしめてあげたくなるしそこに身を委ねたくなるんじゃないかな」とお二人から提案されたんですよね。
後半戦がかなり重たいストーリーで2人のラブ要素もあまりなかったですし、前半戦も楓が純を疑ってしまい、二人の心の距離が近くなる瞬間がなかったので「いろいろな意味でとてもいいな」と思い、監督・プロデューサー陣で話し合い、採用させてもらいました。
■キャスティングのこだわりも「キャラクターが被らないように」
ーー豪華キャストが出演されていますが、キャスティングのこだわりを教えてください。
前半戦は特にそれぞれのキャラの強さが出てくる場面が多く、そこはキャスティングで考えた部分でした。
松田美由紀さんとふせえりさんの姉妹は、改めて見てもすごく強い姉妹ですよね。水野美紀さんもとても存在感を放ってくださいましたし、重厚感のある堀部圭亮さんの隣にいるのが森田甘路さん演じる間宮など、全員が違う方面で個性的。キャラクターが被らないようにすることは、キャスティングの中で意識していました。
ーー作中の雰囲気とは打って変わり、会見などからキャストの皆さんの仲の良さも伝わりましたが、撮影現場での様子はいかがでしたか?
比嘉さんと岩田さんは、お二人とも芸歴が長い方ですが、すれ違ったことすら無かったくらいの初共演と言っていました。恋人同士の役ということもあり、クランクイン前に顔合わせをしたのですが、明るい方たちなのでずっとお話をされていましたね。お二人に限らず皆さん、撮影の合間も控え室には戻らず話されていた印象があります。
例えば、松田さん演じる楓の母・鈴子がかなりの毒親で強烈なシーンが多かったのですが、カットがかかるとみんなで笑い出すなど、現場のスタッフ含め和気あいあい過ごされていました。松田さん自身はとってもおちゃめな方なので、鈴子の怖さがだんだん面白くなってきてしまって(笑)。普段と役とのギャップがありました。
今回のキャストの方たちは、本番の前後は違う話でキャッキャしていて。現場の雰囲気を良くしていただきつつ、いざ撮影に入るとグッと入り込まれていたのでさすがでした。
ーー撮影中の裏話があれば教えてください。
第1話で、洗面所で純が楓をバックハグして手を洗うシーンがあったのですが、脚本には「映画『ゴースト』のような自分たちにくすくす笑いが込み上げる」と書かれていて、お二人ともずっと「どうしよう…」と言っていました(笑)。
意外だったのですが、比嘉さんはいわゆるラブラブなシーンを演じた経験が少なかったようで緊張されていてかわいらしかったです。
他には、第3話の鈴子の誕生日会で純が間宮に呼び出された後、残った女性陣がダイニングで話しているときに、孝子が「あ、間違えた、一ノ瀬さんのだ。半分くらい飲んじゃった、まぁいっか」と純のコーヒーを飲むシーンがあったのですが、これは実はリハーサルでふせさんが本当に間違ってしまったんです。それが面白くて、本番でも採用しました。
暗い部分が多い作品ですが、ちょっとしたクスッとする部分が散りばめられていると思います。
■「最後まで裏切りがある話になっている」
ーー辻プロデューサーが個人的に気に入っているシーンやせりふはありますか?
第1話の最後、鈴子が脅迫状を受け取り、楓と純が幾島家から帰るところにかかるせりふで、「うそをついたことの一番の不幸であり罰は、もう、他の誰のことも信用できなくなってしまうこと」という言葉です。すごく真理をついているなと、とても印象に残っています。
日常でもそうですよね。自分がしたことは相手もそうしているんじゃないかな?と思ってしまうとか…。確かに、うそをつく一番の代償だなと思います。
ーーいよいよ最終回を迎えますが、最後に見どころとメッセージをお願いします。
第7話で回収されているものと、まだされていないものとがありますが、やはりこの物語は“愛とうそにまみれている”話なので、明らかになったことにもうそが入っているかもしれない、ということが終盤の一番の見どころだと思います。最後まで裏切りがある話になっているので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
そして、これまで楓に寄り添い、優しいいとこだった真琴(ファーストサマーウイカ)が、実は楓の姉であることが第7話で明らかになりましたが、彼女が何を思って生きてきたのかが最終回で出てくるので、最後まで見ていただけたらと思います。
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