昨今SNSで「#ドカ食い気絶部」のハッシュタグが流行中。いわゆる暴飲暴食とは違い、食後に急激な眠気を得ることを目的としてドカ食いをする行為だ。「気持ちよく寝るために食いまくる」という女性たちが抱える“心の闇”とは……?
「#ドカ食い気絶は超危険!」過食症に陥った元モデルが警鐘
ドカ食い気絶にハマる人の多くがよく観ているというYouTubeの大食い動画。だが、そんな大食いの仕事がきっかけで過食嘔吐に苦しんだ経験を持つ人も。
インフルエンサーの関あいかさんが、壮絶な過去を振り返る。
「コロナ禍でYouTubeを始めることになり、当時、大食い企画がバズリやすいと聞かされて挑戦したんです。ただ、もともと私は幼い頃からモデルの仕事をしてきたこともあって、拒食症を発症したぐらい厳しい体重管理をしてきた。だから、完食できずに企画倒れになって。スタッフさんから『成立させろよ!』と激怒されて、吐けば食べ続けられると思ったんです」
あっという間にミイラのような体になってしまった
大食いの撮影は、ほぼ毎日。最初は完食するために吐いていたが、だんだん吐く行為が快感になっていった。
「我慢してきた揚げ物や炭水化物も吐けばチャラになると思い、プライベートでも過食嘔吐するようになりました。安くて量が食べられるピザやパスタ、唐揚げなどを毎日デリバリーで大量に注文。だけど全部吐いていたので、体は栄養失調状態になった。YouTubeを始めた頃は44㎏あった体重が、半年で32㎏になっていました」
ガリガリの体なのに食費は月100万円超え
見た目に引きずられるように私生活もすさんでいく。
「当時の食費は月100万円を超えていて、お金を工面するために知人や夜のお店のお客にまで借りまくっていた。さすがにヤバいと思った身内に、都心から郊外へ引っ越しをさせられて。ほどなくして常用の睡眠薬が切れたので町医者に行ったら、私の体形に驚かれて紹介状を渡され、そのまま摂食障害の専門病院に行って即入院となりました」
約4か月の入院生活。食事管理や行動制限のもと、治療の過程で自分と向き合った。
「閉鎖病棟でガリガリのおばあちゃんを見て、本気で治さなきゃと怖くなった。退院してから4年たっても今でもストレスがかかると過食に走りそうになり、年一ペースで入院しています。ただ最近は結婚したので、精神的には安定しています」
大食い動画を真似する代償はあまりに大きい
そう笑う彼女は幸せそうに見えるが、現在も過食嘔吐の後遺症に苦しんでいる。
「胃液で歯が溶けてボロボロになってしまったので、歯はすべてインプラント。また腎臓がおかしくなっていてカリウムの数値が下がっているので、トイレが遠くてむくみやすい。体形は健康的に戻っても、目に見えない臓器のダメージは戻らないと言われました。それは諦めて一生付き合っていくしかないですね」
だからこそ、「ドカ食い気絶部」に思うことがある。
「SNSのモッパン動画(食事シーンの動画)やハッシュタグなどを使い、『大食いなのにやせている』的なことを発信して、承認欲求を満たすのは簡単。だけど、それを繰り返しているとやめられなくなって、依存症になり得る行為だと自覚してほしい。私は何も考えずに大食い動画に手を出したことで、貴重な20代の一部を失ってしまった」
体重のように人生の時間は元に戻らない。
【関 あいかさん】
1996年生まれ。中学時代からモデルとして活動。半生を綴った自叙伝『摂食障害モデル』(彩図社)が注目を集める。現在はインフルエンサーとして活躍中
取材・文/週刊SPA!編集部
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