【写真】カラオケで熱唱するのんと、タンバリンを持つ藤ヶ谷太輔DMM TVオリジナルドラマ「幸せカナコの殺し屋生活」。若林稔弥による同名4コママンガを実写ドラマ化した本作で、ブラック企業から超ホワイト殺し屋に転職したカナコを演じるのんと、「殺すぞ」とつぶやくものの、カナコに殺し屋のイロハを教える先輩の桜井に扮(ふん)する藤ヶ谷太輔が、不思議なコンビネーションを見せる作品の裏側や、互いの印象について語り合った。
■のん「藤ヶ谷先輩のおかげで普段の5倍しゃべりました」
――初共演のお二人ですが、撮影前に抱いていた印象と、実際現場を共にして感じたことを教えてい下さい。
のん:お会いする前はちょっと怖いというか、簡単に話しかけられないような印象を持っていたんです。すごく厳しそうなイメージがあったので構えていたのですが、お会いしたらとてもフランクな方で、誰に対しても分け隔てないオープンな人柄だったので、藤ヶ谷先輩と話していると「あれ、私人見知り直ったのかも」と思えるぐらいでした。
でも、他の現場で初対面の人と話したら全然しゃべることができなかったので、やっぱり人見知りは直っていませんでした。それぐらい藤ヶ谷先輩は話しやすかったです。
藤ヶ谷:皆さんも、のんちゃんに対してフワッとした印象を持っていると思うのですが、僕も最初はそんな感じのイメージでした。あとは俳優業や音楽活動だけではなく、アートなどいろいろなことをやっている方なので、すごく多才な人なんだろうなと。実際お会いするとイメージのままでした。でも、お芝居のときは瞬発力がすごく、感情の切り替えをパッとやっていく。オンとオフのメリハリがすごいなと。
――現場でお二人は結構お話されたのですか?
のん:普段の私から考えるとめちゃくちゃコミュ力高かったです。普段の5倍ぐらいしゃべりました。それは藤ヶ谷先輩のおかげです。
――いつも藤ヶ谷さんは現場で積極的にコミュニケーションをとるタイプなのですか?
藤ヶ谷:特別そうしようと決めているわけではないんです。この作品は、最初かみ合わない二人なのですが、だんだんとバディになっていく物語だったので、最初からコミュニケーションを取っていった方がいいのかなと思っていたんです。でも、撮影のときは結構しゃべっていたのですが、少し間があいて、昨年のイベントで久々に再会したら、全然かみ合わなくて(笑)。のんちゃんも話していましたが、基本人見知りなんだなと(笑)。
■藤ヶ谷太輔「バディでのアクションは大変だった」
――のんさんはマシンガントークをする場面が多く、藤ヶ谷さんは無言が多い。このコントラストはどのように演じていこうと?
藤ヶ谷:その点でいうと、英勉監督が毎日必ず朝一番で僕らのところに来てくれて、たわいもない会話をしながら、何となくですが「今日はこういうふうに撮ろうと思っているんです」と仰ってくれるんです。その会話がとてもいい時間だったなと。
のん:ありましたね。私もパックをしているときに監督が話しかけてくださいました。
藤ヶ谷:結構あの時間大事だったよね。決して「こうしてください」というのではなく、提案というか。そして、こちらの意見も聞いてくれるので、監督と3人で作り上げていった感じです。
――お互いお芝居で対峙してどんな印象を持ちましたか?
のん:クールな感じの桜井役がぴったりでした。本当に素晴らしかった。でも、漫画よりもしゃべっていないですよね?本当に台本の「……」という部分を目線やしぐさで桜井さんが何を感じているのか、とても細やかに演じられていたのが印象に残っています。
あとはアクションがすごかったです。私も結構練習してきて「いい感じじゃん!」と思っていたのですが、藤ヶ谷さんが練習をしているところをのぞいていたらすごいことをやっていてびっくりしました。「自分より全然すごい!」って打ちのめされました。
藤ヶ谷:この作品って、カナコが暴走したり、いろいろなことがあっても、最終的にカナコがチャーミングに全てを包み込む。そのチャーミングさは、のんちゃんに通じるものがあるなと思っていました。
――アクションシーンも息が合っていました。
藤ヶ谷:すごく難しかったです。僕もアクション経験が全くなかったので、それぞれがお互い個人で練習をして、最後に合わせたのですが、バディでのアクションはやっぱりお互い助け合ったり利用したりしながらだったので大変だったね。すごく難しかったけれど面白かった。
のん:私も面白かったです。コミカルなアクションもあってすごく特殊な撮影でしたね。
■監督の笑い声が安心材料に「これで良かったんだ」
――特徴的な殺し屋を演じていますが、何か参考にした作品やキャラクターはいたのですか?
のん:カナコの役柄で参考になったわけではないのですが、私は「スナッチ」(2000年)という映画が大好きで何度も見ているんです。あのちょっと乾いた世界観で人を殺していく感じが、今回の作品と共通している部分かなとイメージしたところはあります。あとは、ダメダメなところから殺し屋になっていく「ウォンテッド」(2008年)もどこか似ているのかなと思ってイメージしました。
藤ヶ谷:桜井ぐらいしゃべらない殺し屋ってなかなかいないじゃないですか。なかなかイメージとあったキャラは思い浮かばなかったですね。でも、韓国映画の「チェイサー」(2008年)の何の躊躇もせずスピーディーに殺していく感じはどこかで参考にしていた気がします。
――英監督とは現場でどんなお話を?
藤ヶ谷:やっぱり英監督はテンポがすごく面白いですよね。コンマ何秒の間というか「ここでちょっと首を…」とか「目線を外して…」みたいな演出が的確で。でも現場で英監督ってゲラゲラ笑ってくれるんですよ。
のん:本当に「ククク」とか忍ばせる感じじゃなく爆笑していました。
藤ヶ谷:笑い声を聞くと「これで良かったんだな」って安心するよね。音声さんはすごく大変そうだけど(笑)。本当にすてきな監督でした。印象的だったのが、僕は準備稿でいただいた台本だと、気を使ってくださったのか、結構せりふが多かったんです。でも、それを読んだとき、僕はせりふが少なければ少ないほど面白いんじゃないかなと思っていたんです。
その後、英監督と初めてお会いした際に僕が「準備稿を読んだんですが…」と言った瞬間に、監督が「もしかして、せりふ減らしたいですか?」と聞いてくださったんです。実は監督もせりふを減らそうと思っていたらしくて。そのときに「すごく楽しみだな。この監督についていけばいいんだ」とワクワクしたんです。
のん:それはすごいですね。究極です。
藤ヶ谷:本当に究極だよね。ただその分ハードルも高くて。「……」ばかりのお芝居ってあまりしたことがなかったから、その都度間に意味を持たせるようなことはやっていました。例えば目だけを動かしたり、細かなことを。
でも、そういう間って掛け合いのなかでやるのは難しいから、「……」を飛ばされちゃうことも結構あったんです。そんなときは必ず監督が「桜井が裏でいろいろやっているから、あと2間待ってほしい」などと言ってくれるんです。本当にありがたかった。
■のん&藤ヶ谷太輔にとって“許せない相手”とは?
――のんさんは会見のときから「藤ヶ谷先輩」と呼んでいましたが、撮影中もその呼び方だったのですか?
のん:最初は「藤ヶ谷太輔先輩」って裏で呼んでいたんです。
藤ヶ谷:クランクイン前にお祓いに行ったとき、神主さんから「◯◯の◯◯」って呼びあげられるじゃないですか。僕だったら「藤ヶ谷の太輔」って。それをのんちゃんチームの方々が格好良いってなって、「裏で藤ヶ谷の太輔さんって呼んでいます」って言われたんです。
のん:最初は「藤ヶ谷の太輔先輩」って呼んでいたのですが、長いので「藤ヶ谷先輩」になって、最後は「がや先輩」になりました(笑)。
――劇中、かなりのろくでなしが登場して殺し屋の対象になりますが、お二人が「これは許せない」と思えるような人の行動はありますか?
のん:私は高校生のとき、なぜか知らないのですが、結構道とかでぶつかってこられることが多かったんです。そんな狭い道じゃないのに、前から歩いてきてわざとぶつかってくるんです。
藤ヶ谷:なんかカナコの世界観と似ているね。
のん:あとは満員電車で「ブス!」とか言われたり…(笑)。
藤ヶ谷:まさにカナコだね。そこからのんちゃんは芸能界に入ったけれど、カナコは殺し屋になったんだね。
のん:確かに。こっちで良かった(笑)。
藤ヶ谷:僕はなんだろうな。あまり許せないって感情にならないからな。でも、昔仕事で一緒だった人で、年下なのですが、例えば「あとでこれぐらい空き時間があるから、あの店でこれ食べようか」なんて話をしていると、指をパチンと鳴らして「それいいですね」っていう人がいたんです。なんかそのちょっとした感じがやけにイラっとすることがありましたね(笑)。
――すごくテンポのいいドラマですが、どんなところを見てほしいですか?
藤ヶ谷:のんちゃんが先ほどアクションシーンを褒めてくれましたが、桜井がいくらスピーディーに相手を倒したり激し目のアクションをしても、最終的には全部カナコが持っていく。そんな展開も面白いかなと思います。
のん:やっぱりポンコツのカナコを使いながら、桜井先輩が相手を倒していくところは面白いですし、格好良いのでぜひ見てほしいです。
◆取材・文=磯部正和
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