子供を持つ母親にとって避けられないのがママ友同士の付き合い。気の合う本当の友人になれる相手もいるが、マウントを取ろうとする者、常に上から目線で自分がグループの中心になろうとする者もおり、そういった母親との付き合いに辟易している人も多いようだ。
次男が地元のサッカークラブに入っている
浅川美春さん(仮名・44歳)
もチームに所属する子供の母親の間にママ友カーストが存在。
立派な戸建て住宅に住み、地元の大手企業の管理職という高年収エリートの夫を持つN美さんという女性がボスママとして君臨していた。
ボスママとサッカークラブのコーチの密会をほかのママが偶然目撃
「私は彼女より10歳近く年上だったため、しつこく誘われることはなかったのですが、定期的に半強制のランチ会やお茶会を開催。フルタイムで働いているママさん以外の方が断ろうとすると露骨に嫌そうな態度を取り、周りのママさんに圧力をかけて孤立するように仕向けることもありました」
地方なので地域内に子供向けのサッカークラブが少なく、ボスママが嫌だからといっても別のチームに移ることが難しかった。子供もせっかく仲良くなった友達と離れるのを嫌がり、ほとんどの母親は我慢してママ友と付き合っていたそうだ。
傍目にはN美さんが保護者たちを上手く仕切っているように見えたこともあり、クラブの監督やコーチ陣からは頼られる存在で関係も良好。そうした状況ゆえに下手に文句を言おうものなら訴えた側が悪者扱いされる可能性があった。
だが、盤石に思えたボスママの天下はある日突然崩壊することに。コーチの1人と不倫していたことが発覚したからだ。
「N美さんは30代前半でしたが、お相手のコーチは20代半ば。しかも、俳優の松坂桃李さんに似たイケメンで、母親たちの間でも人気がありました。だから、ママ友ともデキていたことに私を含め、みんなショックを受けていました」
しかも、2人の関係がバレることになったきっかけは、N美さんにいつも虐げられていたママさんの告発。もともとボスママの夫と同じ会社に勤めており、同じ部署の上司と部下だったことも。連絡先を知っていたため、メールを送ったそうだ。
情報提供を受けたボスママ夫が調査を依頼すると、結果は真っ黒
「このママさんとは個人的に仲良くしており、本人から聞いた話ですが、2人が隣町のカフェで一緒にいるところを目撃したそうです。決定的な証拠はありませんが、N美さんはコーチが入った当初から『あの人、かっこいいよね』といった内容のことをしきりに話していましたし、言われてみると彼の前では母親連中に見せる態度と違ってオンナの顔でした(笑)。
それでも一方的に気に入っているだけで、まさかコーチをオトしたとは思ってもいませんでしたけどね」
ちなみに告発者のママさんによれば、彼女からの密告メールを受け取ったボスママの夫は、興信所に頼んで調査を開始。すると、具体的には聞いていないそうだが、“言い逃れできない決定的な証拠”がいくつも出てきたらしい。
「それまではほぼ毎回送り迎えしていたN美さんが姿を見せなくなり、ほぼ同じタイミングでコーチも来なくなりました。ただ、クラブから『一身上の都合で辞めることになりました』としか説明がありませんでした。
この時点ではN美さん息子さんはまだクラブに通っていましたし、私も不倫のことを聞かされていなかったので」
それから1か月もしないうちにボススマの子供は辞めることに。両親が離婚し、隣県にある父方の実家に引っ越すためだ。彼女は子供の親権を主張したが、密会中は子供を家に放置していたことなどが問題視され、夫側の親権が認められたそうだ。
絵に描いたようなセレブ妻からの転落劇
「N美さんも自分の実家に戻ることになったみたいですが、別のママさんが最寄り駅で大きなスーツケースを持った彼女を見かけたそうです。向こうも気づいたようですが、顔を見た瞬間に目を背けて立ち去ってしまったって。
不倫がバレて家族を失い、ひとりさみしく街を離れる姿なんて見られたくなかったのでしょうね」
ボスママについては「子供はかわいそうだけど、すべては彼女の自業自得」と美春さん。コーチが赴任してから離婚まではわずか4~5か月の出来事で、悠々自適の専業主婦ライフからの絵に描いたような転落劇だ。
「告発者のママさんがN美さんの夫の元部下だったのは彼女も知っており、キツく当たっていたのはそのことも関係しているのかもしれません。まあ、N美さんがいなくなってからは新しいボスママも現れず、ママ友たちの間にも平穏な日々が戻りましたけどね」
周りの母親たちから内心恨まれているような人間が不倫、もしくはそれを疑うような姿を目撃されてしまった場合、リークされる可能性が高くなるのは当然のこと。そもそも自分が嫌われているとは思っていなかったのかもしれないが……。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
【関連記事】
・
ママ友に“利用され続けた”30代女性。会計時に店員が言った「スッキリする一言」で縁を切ることができたワケ
・
「やっぱり東京に戻りたい」農村の生活になじめない妻と2年で離婚。東北にUターン移住した45歳男性の後悔
・
妻から「気持ち悪い。出ていけ」と言われ、実家に逃げ込んだ55歳男性。80代母の“叫び声”で眠れぬ夜を過ごす日々
・
「秋田では子どもを産みたくない」と妻に言われ…家族連れで地元に移住した30代男性の後悔「楽しいのは自分だけだった」
・
ゴミ捨て場で「ゴミの捨て方をチェックする」50代女性に、「書面で警告」した結果…