2月26日(水) 20:00
セルフメディケーション税制とは、対象の市販薬の購入額が年間1万2000円を超えたとき、超えた金額について税額控除を受けられる制度です。自分の買ったものだけではなく、生計を一にする家族が買った薬の費用も合算できます。
セルフメディケーション税制の適用を受けるためには確定申告をしますが、その際に対象の医薬品を買ったことが分かるレシート(領収書)が必要なので、「花粉症のレシートをとっておくとよい」と言われるのです。
ただし、本ケースのように「花粉症の薬1万円分」だけだと、セルフメディケーション税制の条件を満たさず、対象となりません。花粉症の薬として一般的な鼻炎薬は対象であることが多いですが、金額が1万2000円を超えていないためです。
ただし、この制度の対象の薬は花粉症の薬だけではなく、頭痛薬や風邪薬、水虫の薬、湿布薬など多岐にわたるので、普段使っている薬が対象であれば、それらを合わせることで1万2000円を超えるかもしれず、制度の適用が可能になるかもしれません。
対象の医薬品は厚生労働省のサイトで確認できるほか、一部の医薬品の箱にはセルフメディケーション税制の対象であることを示すマークがついています。
また、レシートに対象であることを示すマークがついているので、普段行くドラッグストアでもらうレシートの表示を確認しましょう。例えば、マツモトキヨシの場合は星印、ウエルシアの場合はダイヤモンドマークといった具合です。
こういったマークがあるレシートをとっておくことで、いざセルフメディケーション税制を使いたいと思ったときに役立ちます。
セルフメディケーション税制では、年間の対象医薬品購入金額のうち、1万2000円を超えた分について、所得控除を受けられます。例えば、1年間で対象となる医薬品を3万円分購入した場合を考えてみましょう。
所得控除が受けられる金額は、3万円から1万2000円を引いた1万8000円です。ただし、所得控除はあくまでも課税所得を減らせるという意味なので、1万8000円税金が安くなるというわけではありません。減らせる税額は「所得控除額×税率」となります。
所得税の税率は所得の高い人ほど税率が高くなる累進課税で、例えば年収600万円の人の多くは10%です。加えて所得の高低にかかわらず税率が一律10%である住民税(所得割)にも所得控除を適用できます。
つまり、所得税と住民税が1万8000円の10%である1800円ずつ、合計3600円減るのです。なお、セルフメディケーション税制では最大8万8000円まで所得控除を受けられます。
セルフメディケーション税制を適用するには、いくつかの条件があります。まず、日頃から健康診断や予防接種など、健康の維持や病気の予防のための一定の取り組みを行っていなければなりません。そのため、控除を受ける際には健康診断の受診や予防接種の記録が必要となります。
また、この制度は通常の医療費控除と併用できません。年間の医療費が10万円を超えた場合は、医療費控除を選ぶか、セルフメディケーション税制を選ぶかを判断する必要があります。どちらの制度を利用するかは、年間の医療費の総額やセルフメディケーション税制の対象となる医薬品購入額を比較して決めることが重要です。
セルフメディケーション税制は、年間1万2000円を超えて対象の市販薬を購入した場合、税負担を軽減できる制度です。
ただし、年間の医薬品購入額がどうなるかは、1年が終わってみないと分かりません。その年は花粉症の薬しか買わず、セルフメディケーション税制を使えないこともあれば、急に肩や腰の痛みが出て鎮痛剤や湿布を購入して、1万2000円を超えることになるかもしれません。
したがって、花粉症の薬を含め、薬の箱やレシートにセルフメディケーション税制の対象マークがあるか確認し、対象医薬品が含まれているレシートは保管しておくと良いでしょう。
医薬品の購入費用は年間で見ると大きな金額になっていることは珍しくなく、日々のレシートの管理が家計の負担を減らすことにつながるかもしれません。
国税庁 令和6年分確定申告特集 セルフメディケーション税制とは
厚生労働省 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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