ユーノスMX-5のEVに『Octane』UK版編集部が試乗

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ユーノスMX-5のEVに『Octane』UK版編集部が試乗

2月26日(水) 3:11

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『Octane』UK版編集部がEV化された1996年ユーノスMX-5(ロードスター)に試乗。以前MX-5を所有していたグレン・ワディントンがその印象をレポートする。

【画像】見た目はほとんど変わらないが、ボンネットの下にバッテリーがあるMX-5(写真4点)


以前に乗っていたマツダのMX-5は、今回試乗したMX-5 EV by エレクトロジェニックに少し似た、黒のマーク1(初期型)だった。サスペンションをいじり、エグゾーストもワイルドなものにしていた。欠けていたものはひとつだけ。トルクだった。トルクに関してはこのEVのほうが大きい。

エレクトロジェニック社は、マツダの由緒あるツインカム車をバッテリー駆動に交換するためのコンバージョンキットを開発した。新しいパーツはうまく組み込まれていて、なかなか気が利いている。エンジン(フロント)とガソリンタンク(リア)の部分にバッテリーが搭載され、現実的な航行距離は150マイル(約240km)だ。最高出力は160bhp(オリジナルは116bhp)、ピークトルクは229lbに向上しており、重量はわずか100kg増の約1100kgだ。重量配分は変わらず、パワーウェイトレシオは21%向上している。しかも、0-60mphは約6秒、最高速度は115mphだ。

モーターは、ギアボックスの位置に配される。動力はエレクトロジェニック社独自のステップダウントランスミッションを経由し、特注のトルクチューブに収められて短くなったプロペラシャフトに送られる。サスペンションは純正のもので、ステアリングラックも同様だが、通常のベルト駆動ではなくメルセデス・ベンツ製の電動ポンプでアシストされる。純正のディスクブレーキに加え、回生ブレーキが装備されている。

外観も内装も、オリジナルとほとんど変わらない。元の構造はそのままで、切断したり穴を開けたりすることはなく取り付けることができるため、元に戻すことも可能だ。ボンネットとリアバンパーの下に違いがあるのがわかるが、車内に乗り込んでみればイグニッション・キーも始動方法も同じだ。ギアレバーもある(バックギアに入れるときは下に押しながら入れる)。それに、目的は変更されているものの、時計と計器類も同じものだ。例えばレブカウンターは、電力不足かエネルギー回生かに応じて動くし、燃料計は充電量を示す。ただし、水冷式なので温度計は本物だ。センターコンソールには、設定可能なドライブモード(エコ、ノーマル、スポーツ)があり、スロットル、出力、回生のポテンシャルがマッピングされ 、さらにスピードリミッターのセットも含まれる。この個体では、ロンドンの市街地でずっと使用するように設定されている。

ありがたいことに、今日はリミッターは必要ない。エコモードでのレスポンスはとてもソフトで、いい感じで運転しやすい。ノーマルモードでは回生のレスポンスが向上し、シングルペダルでの速度調節が可能だ。スポーツモードはさらにエッジが効き、最大の馬力とトルクが得られる。

驚くべきは、走行距離74,000マイルでレストア歴のない輸入車ユーノスMX-5の、洗練されたソリッド感だ。構造部材として機能するバッテリーパックを組み込むことで、シャシー剛性の向上もさせている。またフロントには、エアコンやECUなどの周辺部品が多く配置されている。

曲がりくねった道はすこぶる楽しい。MX-5はトルクが増せばより楽しくなるが、その効果はさほど顕著ではない。変速を繰り返すのではなく、入力を調整するのだ。スポーツモードでは、ギアを戻すときの減速で車をコントロールし、再度アクセルを踏み込むときにそれを活用すればいい。

直線では、その効果は明確だ。このマツダは、水平線に素早く吸い込まれるように、あっという間に楽々と制限速度に達する。たしかに、シフトチェンジを繰り返しながら前へ前へと進むMX-5の姿は懐かしく思えるが、このEV化されたMX-5の動力は決して無音という雰囲気ではないので、個性がないわけではない。ロータリーエンジンのように回転し、その回転速度(最高回転数は12,000rpm)は常に忙しそうな音を響かせ、実際のスピードよりも速く感じる。

今回の車は、第一弾だ。キットの価格はまだ発表されていないが、注文数が増えれば、より手頃な価格になるだろう。


文:Glen Waddington
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