【漫画】「にゃん旅鉄道~さくらの物語~」を読む
福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu!」で、放送されていた人気ミニコーナー「にゃん旅鉄道」。現在は「ふにゃ〜り日和」へリニューアルして毎週火曜日に放送されている。「ねこが働く駅」として知られる福島県の会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台に、働くねこたちの様子を紹介している。約1分間の短いコーナーながらTVerでは、総再生数170万回を突破し、なんと映画も公開された。
今回ウォーカープラスで紹介する「にゃん旅鉄道~さくらの物語~」は、そんな「にゃん旅鉄道」をモチーフにした創作漫画。妹ねこの「さくら」を主人公に、働くねこたちの日常はもちろん、芦ノ牧温泉駅にやって来る人々との実話をもとにしたエピソードや四季折々の風景を、イラストレーターで漫画家のゆきよみさん(@yukiyomi333)が丁寧に描く。今回は、ある冬の日のエピソード。なかなか通路を渡れないおばあちゃんを会津鉄道の運転士がおぶって渡る、受験生と駅員の交流など、実話がベースになっている。作者のゆきよみさんに今回の漫画に込めた思いや、雪国で暮らす苦労と喜びを聞いてみた。
■猫たちが主役になるようにストーリーを組み立てた
雪国で生まれ育った作者のゆきよみさんは、厳しい冬での生活に多くの苦労を経験してきた。そのことについて、「冬は過酷の2文字につきますね(笑)。生きるってこんなに大変なのか!って何回も思うくらいです(笑)」と話す。また、「除雪作業が一番きついですね」と語った。雪が積もって圧雪になると除雪が困難になってくる。その結果、道幅が狭くなり、一方通行のようになり、車が雪にはまって動けなくなってしまうそうだ。
途方に暮れていると、「どこからともなく人が集まってきて、知らない人たちが力を合わせて車を押すんです」と話す。そして、何もなかったかのように、いなくなってしまう。「お礼もできないのですが、お互いさま。とっても寒いけど、こんなときは心が温まりますね」と語った。
実は、鉄道会社で勤務していたことがある作者。冬の苦労について「特にインフラの維持は大変です」と振り返る。また、「走行中の車両のドアが凍り付いて開かなくなったり、雪だるまのように車両が雪を抱き込んだり…。点検をするために、それらを溶かすことから始まるのですが、冬なのに溶けた雪や氷でずぶ濡れになるんです」と語った。
そして、「当たり前の日常の裏側には、たくさんの人の努力があって。そんなことと、駅の皆さまから伺った2人の方の実話をベースに、会津の冬を漫画にできたらいいなと思い描きました」と話す。また、実話を描く際に注意している点について、「あくまでも猫たちが主役になるようにお話を組み立てるようにしています」と教えてくれた。
読んでいると心が温まる本作をまだ読んでいない方は、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力: ゆきよみ(@yukiyomi33)
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