沖縄県・那覇市で開催中の第2回Cinema at Sea沖縄環太平洋国際映画祭「オキナワパノラマ」部門で、「TRICK」シリーズなどの堤幸彦監督と仲間由紀恵が約10年ぶりにタッグを組み、沖縄を舞台にダンサーを目指す少年の成長を描く「STEP OUT にーにーのニライカナイ」が2月24日ワールドプレミア上映された。共同監督を務めた平一紘監督、本作が映画初出演となるSoul、「ミラクルシティコザ」をはじめ沖縄を舞台とした作品で活躍する俳優の津波竜斗によるトークが行われた。
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【フォトギャラリー】第二回Cinema at Sea沖縄環太平洋国際映画祭「STEP OUT にーにーのニライカナイ」トークの模様
母親の朱音(あかね)、妹の舞(まい)と3人暮らしの照屋踊(てるやよう)はダンススクールのリサに憧れ、ダンスをはじめる。朱音は家計を支えるためにスナックで働き、人とのかかわりが苦手な舞はスクールの前でいつも兄の姿を一心に見つめていた。やがて踊はリサとペアを組むようになり、だんだんとその才能を開花させ、東京で活躍できるチャンスを掴むためのオーディションに挑戦しようとするが――という物語。
DVDボックスを所有するほど「TRICK」のファンだという平監督。堤監督、仲間由紀恵との現場は「またお2人がコンビを組んでやるんだっていう嬉しさと喜びでいっぱいだった」といい、現場で芝居の段取りを確認する際には「仲間さんがまるで(「TRICK」の)山田奈緒子のようだった」という場面もあったと明かす。堤監督との共同監督ということで、「芝居未経験だったSoulのレッスンに付き添ったり、僕が沖縄県出身で在住しているので、方言を監修したりと沖縄的な要素のサポートを行った」と役割分担を説明した。
沖縄アクターズスクール所属のSoulは、本作が映画デビューとなった。「経験したことがなくて、想像もできない場所だから本当に緊張していたけれど、意外とめちゃくちゃ楽しくて、みんな優しくて」と初の映画撮影の感想を語る。Soulが演じた踊(よう)は、ダンスを始めたばかりという設定だったことから「自分の本当の人生では10年ぐらいやっているので、ダンスとは何だ――みたいな気持ちからのスタートで、ぎこちない動きをするのが難しかった」と振り返った。
そんなSoulの初演技について平監督は「本当に自然で、普段素直に生きてるんだなというのが伝わる、素晴らしい自然なお芝居をやってくれた。感情の振れ幅が大きい場面も、Soulくんなりに悩んで頑張ってやっていた」と称えた。
ヤンキーたちを率いる謝花先輩を演じた津波も「めちゃくちゃ楽しい現場だった」と述懐。「寄り目で怒ってくれ」と言われたり、共演者たちにアドリブで「謝花の歌を歌ってくれ」などの指示があったりと、堤監督がその場で浮かんだオリジナリティあふれるアイディアでの演出に「人生で初めて演技中に大笑いしそうになった」と振り返る。
そして、「Soulくんは現場を重ねていくごとに、自然体になって、どんどん堂々としてきて。本当の踊くんを見てるかのようだった。楽しそうで生き生きして、いいなって思った。妹役の(又吉)伶音ちゃん、リサ役の(伊波)れいりちゃんら(沖縄の若い役者たちが)現場で成長している作品になっていると思うので、本当に多くの人たちに見ていただきたいな」と後輩たちの頑張りと見どころをアピールした。
「STEP OUT にーにーのニライカナイ」は3月7日から沖縄県先行公開、3月14日から全国公開。「第2回Cinema at Sea沖縄環太平洋国際映画祭」は、3月2日まで那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール、桜坂劇場などで開催。スケジュール、上映作品詳細は公式HP(https://www.cinema-at-sea.com/)で告知している。
【作品情報】
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STEP OUT にーにーのニライカナイ
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