2月22日(土) 19:50
まず、アンパンマンについて簡単に触れておきましょう。アンパンマンはやなせたかし氏が生み出した絵本キャラクターです。その後アニメ化され、日本中の子どもたちに愛される存在となりました。
アンパンマンは顔がアンパンでできており、困っている人に自分の顔を分け与えるという優しさと正義の象徴です。ばいきんまんという悪役との対立を通じて、善と悪のシンプルな物語が展開されます。
アンパンマンの世界には、ジャムおじさんが経営するパン工場やドキンちゃんが憧れるショッピングモールなど、さまざまな施設があります。しかし、これらの場所で「お金」のやり取りが描かれることはありません。
果たしてパンを焼く材料や設備はどのように手に入れているのでしょうか? また、物やサービスの交換はどのように行われているのでしょうか?
アンパンマンの公式サイトには、アンパンマンワールドにお金がない理由として、「アンパンマンワールドでは、自分で作ったものをあげて、みんなに喜んでもらうことだけでうれしいので、お金はまったく必要ないんですよ。」と記載されています。
たしかにアンパンマンたちは、無償でお腹が空いているみんなを助けています。つまり、アンパンマンの世界においては「みんなが喜ぶこと」が対価になり得ると考えられます。
アンパンマンのようにお金のない世界を想像してみましょう。私たちの社会では、日々の生活に必要なものやサービスを「お金」を介して交換しています。もしお金がなかったら、物々交換が主流になる可能性があります。
しかし、物々交換では「相手が欲しいものを自分が持っている」「自分が欲しいものを相手が持っている」という条件が必要です。この仕組みでは効率が悪く、大規模な社会を維持するのは困難でしょう。
また、お金がない社会では、労働の価値を客観的に評価することが難しくなるため、個々人の労働意欲が低下する可能性もあります。また農業で収穫した野菜と技術者の提供するITサービスの交換をどう公平に行うかといった問題も発生するでしょう。
そもそもお金はなぜ存在しているのでしょうか? 金融広報中央委員会によると、お金には「価値尺度機能」「交換機能」「価値保存機能」の3つの機能と役割があるとしています。
まず「価値尺度機能」ですが、お金によって、商品やサービスの価値を数字で表すことが可能です。日本では「円」がどれくらいなのかによって、商品やサービスの高い・安いを判断できます。
続いて「交換機能」ですが、お金をそれと同等の価値のものと交換する役割のことです。お金があるおかげで、前記したような物々交換の非効率さを回避できます。
最後に「価値保存機能」ですが、お金は時間を超えて価値を保存する役割を果たします。これにより、将来必要なときに使えるよう貯蓄が可能です。
これらの役割を通じて、お金は現代社会の複雑な経済活動を支える基盤となっています。
アンパンマンの世界では「お金」がない代わりに、助け合いの精神が強調されています。複雑な現実社会では、お金がないとさまざまな場面で困ることでしょう。
一方で、お金だけに頼らず、他者を思いやる心も重要です。例えば、ボランティア活動や寄付、コミュニティでの支え合いなど、お金が介在しない形で人々を助ける方法はたくさんあります。
アンパンマンの世界は、私たちに「本当に大切なものは何か」を問いかけているのかもしれません。お金の有無にかかわらず、困っている人に手を差し伸べ、助け合うことができる社会を目指すことも大切だと言えるでしょう。
アンパンマンポータルサイト Q&A アンパンマンについて
金融広報中央委員会 お金の役割って何だろう?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
【ドラえもん】スネ夫の実家は「3億5000万円」!? 骨川家は実際どれくらいお金持ちなの? 将来の職業と合わせて確認してみよう!