2月22日(土) 1:00
制限速度を時速1キロメートルでも超える行為は、道路交通法第22条の違反に該当する可能性があります。速度超過は交通反則通告制度における反則行為であり、「15キロメートル未満」から区分されており、何キロメートル以上の超過から反則になるとは定義されていません。
つまり、法定速度や標識で示された最高速度を1キロメートルでも超過した場合、一番軽微な区分に該当する速度超過違反になると考えられます。
しかしその一方で、実際の取り締まりには一定の裁量があるようです。2023年の道路交通法違反の取り締まり状況における最高速度違反の実績は表1の通りです。
表1
違反種別 | 件数 |
---|---|
速度50キロメートル以上 | 1万2508件 |
速度50キロメートル未満 | 12万2218件 |
速度30キロメートル未満 | 18万3204件 |
速度25キロメートル未満 | 29万2723件 |
速度20キロメートル未満 | 27万7769件 |
速度15キロメートル未満 | 78件 |
計 | 88万8500件 |
※「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」を基に筆者作成
スピード違反の罰則は、超過速度に応じて段階的に重くなる傾向があるようです。交通反則通告制度における処分内容は表2の通りです。
表2
超過速度 | 点数 | 反則金(普通車) |
---|---|---|
15キロメートル未満(一般道・高速道) | 1 | 9000円 |
15キロメートル~20キロメートル未満(一般道・高速道) | 1 | 1万2000円 |
20キロメートル~25キロメートル未満(一般道・高速道) | 2 | 1万5000円 |
25キロメートル~30キロメートル未満(一般道・高速道) | 3 | 1万8000円 |
30キロメートル~35キロメートル未満(高速道) | 3 | 2万5000円 |
35キロメートル~40キロメートル未満(高速道) | 3 | 3万5000円 |
※警視庁のホームページを基に筆者作成
制限速度より10キロオーバーの場合、違反点数は1点、反則金は9000円です。スピード違反としては最も軽微な区分といえます。
スピード違反のリスクは、取り締まりを受けて罰則を科されることではなく、スピードの出し過ぎによる人や物へ衝突する交通事故の誘発です。警視庁は、速度違反の取り締まりを行う理由として「速度超過による交通事故を防止することと、規制速度の遵守が交通事故の被害軽減に大きな効果があるため」と説明しています。
乾燥している道路において、運転中に危険を察知してブレーキを踏んだ際に車が停止するまでの距離は、時速40キロメートルで22メートル、時速50キロメートルで32メートル、時速60キロメートルだと44メートルが目安といわれています。
例えば、制限速度が時速40キロメートルの道路において25メートル前方に急な飛び出しがあった場合、時速40キロメートルでは防げた衝突が時速50キロメートルでは止まれず衝突してしまうことがあるのです。
取り締まりを受けるからスピードを出し過ぎないのではなく、安全のためにも制限速度遵守を心掛けましょう。
速度超過は1キロオーバーからでも違反行為だとされています。もし取り締まりを受けた場合、違反点数1点と9000円の罰金が科されます。速度超過がもたらす最大のリスクは、重大な交通事故の誘発といえます。罰則だけでなく、事故を誘発しない安全運転を意識し、事故防止に努めましょう。
e-Gov 法令検索道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)
e-Stat 政府統計の総合窓口交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について
警視庁交通違反の点数一覧表
警視庁反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁公開交通取締り
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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