事故相手への賠償金が「1000万円」です。自己破産でなしにできますか?

事故相手への賠償金が「1000万円」です。自己破産でなしにできますか?

2月18日(火) 17:20

事故などによって、賠償金の支払い義務が課せられている方のなかには、債務整理を目的に自己破産を検討する方もいるかもしれません。 そこで本記事では、自己破産における賠償金の取り扱いについて解説しつつ、自己破産するメリットやデメリットなども紹介します。

自己破産とは

自己破産とは、債務整理を行うための方法のひとつです。自己破産のほかには、任意整理や個人再生という方法があります。財産がなく、債務に対する支払いができないことを裁判所に認めてもらうことで、債務を免除してもらう手続きが自己破産です。
 
基本的に、自己破産には破産手続きと免責手続きの2つがあるとされています。破産手続きは財産を処分して現金化し、債権者に配当する手続きです。破産手続きをしても債務が残った場合、その債務を免除してもらうのが免責手続きです。
 
自己破産をする場合、債務者が支払い不能であることが条件のひとつとされています。仮に5000万円の借金があっても、支払い不能でなければ自己破産はできません。反対に、50万円ほどの借金でも、自身の財産で支払いができなければ自己破産が可能だとされているようです。
 
ただし、借金の理由次第では債務が免除されないことがあります。免責がされにくい、もしくは免責されないケースのことを免責不許可事由といいます。免責不許可事由の内容はさまざまですが、ギャンブルが一例です。ただし、免責不許可事由があることで、必ず免責されないわけではないようです。
 

事故による賠償金は自己破産できる?

自己破産の手続きが完了しても、「非免責債権」に該当する債務は支払いの義務が残るとされています。
 
非免責債権の内容は、破産法によって定められています。破産法第二百五十三条によると、非免責債権に該当するのは「破産者の悪意による不法行為に基づく損害賠償」と「破産者が故意、もしくは重大な過失によって、人の生命や身体を害した不法行為に基づく損害賠償」の2つです。
 
そのため、事故による損害賠償が非免責債権に該当するか、つまりは賠償金の支払い義務を自己破産で免責できるかどうかは、事故の状況次第だと考えられます。
 
なお、裁判所での自己破産の手続きでは、「対象の債務が非免責債権かどうか」は判断されないようです。そのため、自己破産の手続きが終了した後に、非免責債権の支払いを求められることがあります。この場合は、支払いに応じなければならないようです。ただし、自己破産の手続き中においては、非免責債権の支払いは停止されます。
 

自己破産のメリットとデメリット

以下に、自己破産におけるメリットをまとめました。

●一部を除き、借金の支払いがなくなる
●債権者からの取り立てがなくなる
●生活を送るための、最低限の財産は残せる

一部の例外はありますが、債務における支払いがなくなる点が自己破産の最大のメリットだと考えられます。
 
なお、自己破産した場合には財産のほとんどを処分する必要がありますが、生活に必要な財産は残せるとされています。例えば、冷蔵庫などの家具や、ある程度の預貯金などです。
 
以下に自己破産におけるデメリットをまとめました。

●一定期間、クレジットカードやローンが利用できなくなる
●生活に必要なものを除き、財産が処分される
●国が発行する官報で、破産者の情報が公開される
●免責されない債務がある
●保証人がいる場合、保証人が返済義務を背負うことになる

自己破産すると、個人信用情報機関に情報が登録され、いわゆるブラックリストに入ることになります。ブラックリストに入れば、数年間はローンの利用やクレジットカードの発行が困難になるとされています。
 
また、保証人がいる状態で自己破産を行うと、保証人が返済の義務を背負うことになります。当然のことではありますが、当人が自己破産をしても、保証人の債務は免責されません。保証人が返済できなければ、保証人自身も自己破産などの債務整理を行う必要が生じるとされています。
 

損害賠償を免責できるかは状況次第

自己破産をしても、非免責債権に該当する債務は免責されず、支払いの義務が残るとされています。
 
損害賠償の内容次第では、非免責債権に該当する可能性があるため、事故によって発生した賠償金はその事故の状況次第で、自己破産をしても免責されません。
 

出典

e-Gov法令検索破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百五十三条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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