恋も戦略的? スケールが違う「クレオパトラ」の女王の美学とは【夫婦・子育ていまむかし Vol.31】

恋も戦略的? スケールが違う「クレオパトラ」の女王の美学とは【夫婦・子育ていまむかし Vol.31】

2月14日(金) 12:00

ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。

前回が世界三大美女として有名な 楊貴妃 だった流れから、今回は同じチームの誰もが知ってる女王さまにご登場頂こうと思います!

ご存知、古代エジプト最後の女王、クレオパトラ!

思ってたんとだいぶ違う!
ミステリアスな女王クレオパトラとは


歴史に詳しくなくても誰もが名前を聞いたことがあり、なんとなく姿も思い浮かぶ気がするのに、実は正確なことはあまりわかっていない人なんです。

そもそも紀元前という遠い昔だから(なんとキリスト誕生30年前!)ってこともあるんですが、大きな地震で当時の首都アレキサンドリアが海底に沈んでしまったり、まだお墓が見つかっていなかったりと解明されていないことが多いのです…それがまたミステリアスなロマンを掻き立てるんでしょうねぇ。

ではなぜクレオパトラはこんなに有名で逸話が多く知られているのか?というと、当時の最大勢力、ローマ帝国との関わりが非常に深かったためローマ側に多くの記録が残されているからなんです。

クレオパトラに、どんなイメージを持っていますか?

彫りが深い黒髪のエキゾチックな美貌でローマ帝国のトップをたぶらかし、次々と骨抜きにした美女?

黄金や宝石に囲まれた美しい宮殿で、贅沢を極めた悪女?

それとも滅びゆく国で愛に逃避行し、毒蛇(アスプ)による自害をした悲劇の女性?

ローマとエジプトの当時の関係性は、支配国家と属国でした。そして、クレオパトラに限らずですが女性の権力者は死後悪く言われることが多いんですよね…。男性は多くの女性と関係があっても権力者なら当然ってことになるのにねぇ…?

そんなわけで現代に残るクレオパトラ像は、やや悪い方に偏りのあるローマ側の記録と、そのミステリアスさとその恋愛遍歴から後世に多くの戯曲や小説の題材にされ、作り上げられた架空のイメージがほとんどなのです。

私自身、子どもの頃に見た映画『クレオパトラ』の印象が強いんですよね。

今回改めて調べてみましたが、やはりこれが正解!と言い切れないので「そんな説もあるんだな〜」ぐらいで読んでいただけると幸いです。



ちなみに、クレオパトラって当たり前にエジプト人だと思ってたんですよね、私。そりゃエジプトの女王なわけだし。

でもこの人、実はギリシャ人!え!?
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なんと白い肌にもしかしたら金髪の巻毛だったかもしれないんですって!ちょっと意外でありつつ、そういえばクレオパトラが白人のエリザベス・テーラーなことになんの違和感も持っていなかったわ…(というわけで今回は意外性の面からギリシャ人ぽい見た目でお送りします!)

紀元前の世界って実はすっごく国際社会なんです。古代エジプトの王(ファラオ)が、実はエジプト人以外だった期間も多く、さらにファラオは自分の統治する国民の言葉を理解する必要もなく、関心を持つこともなかったようです。

ファラオの役割は太陽神ラーの化身として、庶民とは全く違う金銀財宝を身に纏った煌びやかな存在で贅沢な生活を送ること。幸いナイル川が豊穣をもたらし食糧が豊富なためエジプトは当時最も裕福な国となっていました。その富をもたらす神の象徴らしく存在することが何より国の繁栄に大切だったのでしょう。

クレオパトラの見た目が本当に絶世の美女だったのかは分かりません。ただ伝わる魅力として有名なのは、声がとにかく美しく彼女が話し出すと誰もがうっとりと聞き惚れてしまったそう。さらにそんな魅力的な声で、多言語(7カ国語とも9か国語とも!)を自由自在に操ることができたとのこと!

そして乗馬の名手でもあり自ら軍隊を率いて戦いの指揮もしたとのことで、ただ玉座に座り贅沢をしているだけではなく、かなり能力の高い人だったようです。

また後世の哲学者パスカルが「クレオパトラの鼻があと1cm低ければ歴史は変わっていたかもしれない」という名言をも生み出した彼女の『美人論』ですが、やはり巨大なローマ帝国を率いる男性ふたりが惚れ込んだ!となるとそりゃあ美人なのは間違いないでしょうね。

でも大体歴史に伝説を残す女性って「美人」を強調されることが多いんですが、当然「美貌」だけじゃないんです。クレオパトラは語学力と知性、そしておそらく戦略に長け大胆な行動力もある人だったからこそ、政治に恋のエッセンスを盛り込んで成果を上げることができたのでしょう。

クレオパトラ22歳の時に出会ったローマの将軍カエサルはなんと53歳。この歳の差、そして国の代表同士でありながら恋愛に発展したのには彼女の策略によるところが大きかったはず。姉弟での覇権争いに敗れ王宮を追放され困窮していたクレオパトラがカエサルに助けを求めるため、厳しい警備を潜り抜けて直接会いに行ったとされているのですが…!
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有名な逸話では贈り物の絨毯を開くと美女が転がり出てきた、というもの。紐で縛ってあった寝具袋の中に隠れまるで自分がプレゼントかのように現れた、という説もありどちらも後世の創作を疑うような演出ですが、カエサルの死後アントニウスと初対面した時の話を知るとそれぐらいのことはやりそうな人でもあります。


恋も権力も!
その手で操る策士の女王

カエサルが死去し後ろ盾を失って再び窮地にあったクレオパトラ。カエサルの部下だったアントニウスが、彼女を尋問しようと呼び出すのですが…。
クレオパトラはそこに巨大で贅を凝らした船団を組み、香を炊き美しい帆と豪華な装飾品、花を散りばめた船の上で優雅に寝そべって登場するのです!それはもう女神アフロディーテが現れたかのようだったそうで…。
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その旅団を見た者たちが驚いて、噂としてアントニウスにも届くような 超インパクト大な出会いを演出した のです。女王としてのプライドを保つだけでなく、財を最大限に使って美しさを印象づけ、落ち目だった立場を逆転させるどころか 見事に相手を恋に落とした クレオパトラ。実力者過ぎるんです…!


とはいえクレオパトラのその戦略も、相手によって成果は違ったようです。
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年齢差もあったでしょうが、カエサルは根っからの実利主義であり政治上手でどこか冷静。彼女をローマに同伴し子まで成した仲だったのに、遺言にクレオパトラの子について言及することはなく、カエサルの死去によってクレオパトラは梯子を外された状態になってしまいます。

カエサルは、クレオパトラを属国の愛人としてしか見ていなかったのかもしれませんね…。

一方のアントニウスは、血気盛んで豪傑、政治はそんなに得意ではない軍人です。この人はカエサルとは逆にクレオパトラにゾッコンだったようで、元々エジプトの土地だった領土を返還したり、クレオパトラとの生活に耽溺してエジプトに長期滞在したり…彼女の望むことはなんでも叶えてあげたい!という感じです。


死を前にしても崩さぬ
女王の美学がハンパない!

そしてこのふたりは、ちょっとイラッとする名前の結社(サークルみたいなもの)まで作っていたようで…。

その名も『真似のできない生活者たち』
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圧倒的な富を象徴するサークルで、贅沢な宴や芸術的なイベントで知識人たちとの交流などを楽しんでいたようです。ローマへの挑発的な意味合いもあったのかもですが、確かにイラっとさせるでしょ〜?

そして、この後アントニウスと対立したローマのオクタヴィアヌスとの『アクティオンの海戦』に敗れたふたりは、死を覚悟した時にも新しい結社を作ります。

その名も『死を共にする仲間』

オクタウィアヌスの軍が迫ってくるまでの間、またひたっっすら贅沢三昧だったようです。

ですが、これは単なる享楽ではなく、敵への屈服を否定するクレオパトラの美学だったのかもしれません。死を前にしても自分が女王だというプライドを見せつける歴史的なパフォーマンス!さすが!


そしてふたりの最期はそれこそまるで演劇のよう。

クレオパトラ自害の知らせを受けて絶望し、後を追おうと自害しかけたアントニウスに誤報だったことが知らされます。最期の時はクレオパトラのそばで、と願うアントニウスは彼女の元に運ばれて息絶えるのです。そしてその後彼女も彼に重なるように自害ー。
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あれ?どこかで聞いたことあるストーリーじゃないですか?
そうそう『ロミオとジュリエット』!

あまりのロマンスっぷりに後世の創作に多大な影響を与えたと言われるクレオパトラですが、もしかしてシェイクスピアも…?!(真偽のほどは分かりませんが)

知性と美貌で
愛と権力を操る女王

そんなわけで、クレオパトラがどんな人だったのかをまとめると、圧倒的な富、知性、美貌、戦略を使って、恋と権力闘争を同時にこなし、 自分の人生そのものを演出し切ったかなりの実力者 だったようです。

窮地でこそ発揮されるド派手で大胆な演出力は、エジプトの伊達政宗と呼びたい。逆か、政宗が戦国時代のクレオパトラか。(秀吉への裏切り疑惑で呼び出された政宗は、死装束で十字架を背負い市中をパレードして世論の同情を集めるというパフォーマンスを行った)


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そしてロマンティックな最期のため悲劇のヒロイン感がありますが、いやいや実際にはかなり非道なこともしていたようでして…。当時としては彼女が特別じゃないんですが、覇権争いのために弟妹も殺していますし、自害の前には様々な毒を側近で実験していたという話も残っていますのでね。

三大美人として楊貴妃と並べられることが多いけれど、間違いなく武則天タイプの 戦略的で超パワフル女王 なのでした。
(tomekko)

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