父の死後に「実家」を相続→でも空き家を放置すると「罰金」が発生する? 愛着があっても手放すべき? 回避のためには売るべきなのか解説

父の死後に「実家」を相続→でも空き家を放置すると「罰金」が発生する? 愛着があっても手放すべき? 回避のためには売るべきなのか解説

2月11日(火) 19:30

親の死後、実家が空き家になってしまい、相続はしたけど住む予定はない状況について考えます。実家には思い入れからも愛着が湧きやすく手放したくないと考える人も多いと思いますが、放置することで罰金が科せられる可能性があるので注意が必要です。 本記事では、空き家を相続した場合について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

空き家を相続した場合にかかる費用

空き家を相続した場合には、評価額に応じて相続税が発生する可能性があることをはじめ、相続登記に関わる費用として、登録免許税や書類取得費用などがかかります。維持管理費用としては、固定資産税、火災保険料、地震保険料、光熱費、修繕費なども発生することになると考えられます。
 
明確な使途があればよいのですが、空き家を維持するだけでも多くのお金がかかるおそれがあるため、売却などの選択肢も視野に入れる必要があるでしょう。
 

空き家を放置した場合、罰金になる可能性がある

2014年11月に成立した「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、管理が適切でない空き家の所有者に対して、自治体が改善命令を出すことができるようになっています。改善命令に従わない場合、「最大50万円」の過料(罰金)が科される恐れがあります。
 
罰金を回避するためには、草刈や清掃、点検、修繕といった定期的な管理が必要です。近隣住民に迷惑がかからないよう、適切に管理しなければなりません。
 

売却すべきかどうかの判断

前項までのように、空き家は維持管理の費用がかかる上に、定期的な管理を行わないと罰金が科される可能性まであります。もちろん生まれ育った実家という心理的側面もあるため、売却が最適な選択肢とはいえませんが、土地や建物を有効に活用してくれる誰かに譲ることも検討しておきましょう。
 
また、不動産の売却は、物件の所在地によっては買い手がなかなか見つからない可能性もあります。急いで売却しないといけない事態になった場合、都合よく高い値段でスムーズに購入してくれる買い手が見つかるとは限りません。
 
早めに信頼できる業者を見つけ、売却の可能性がある時点から相談を行っておきましょう。
 

売却以外の活用例

空き家の状態によっては、売却以外の選択肢も出てきます。戸建て賃貸やシェアハウスとして貸し出したり、コインパーキングや月極駐車場への転換などです。
 
ただしこれらの活用を行った場合も、業者との契約内容や、顧客の利用状況次第では、想定していたほど収益が生み出されない可能性があります。そのため、不動産の活用は人から聞いたよい話ばかりをうのみにしないようにしましょう。
 
なぜなら不動産は固定資産であり、立地や建物の状態、近隣の状況などのさまざまな状況により収益性が変化するため、「再現性が低い」からです。事前学習、シミュレーションを念入りに行った上で不動産の活用方法を決めましょう。
 

まとめ

本記事では、空き家を相続した場合にかかる費用や、放置することで「罰金」が科される恐れがあることなどについて、解説を行いました。また、空き家の売却やそれ以外の活用例についても触れました。
 
親族内でよく相談した上で、相続した空き家をどうするのか、検討してみてください。
 

出典

e-Gov 法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法
 
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

【関連記事】

父が相続税対策で「毎年100万円」贈与してくれます。110万円以下なら贈与税はかかりませんか? 契約書がないとトラブルになるって本当ですか?
姉のマンション購入に「500万円」をポンと出した両親。それでも将来の相続は「姉妹平等」なんですか?「2000万円」を相続する場合の注意点を解説
親が亡くなった後、タンスから「100万円」が出てきた!「相続税」は発生する?
ファイナンシャルフィールド

新着ニュース

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ