マーベル・スタジオの最新作「ファンタスティック4 ファースト・ステップス」が、思わぬ形で注目を集めている。米国で公開されたティーザーポスターに「AI生成疑惑」が浮上し、映画界における人工知能の活用をめぐる議論に新たな一石を投じることとなった(日本で解禁された公式ポスターは、この問題とは無関係の別デザインとなっている)。
問題となった米国版ポスターは、「4」のロゴが描かれた旗を掲げる群衆のシーンを描いたもの。SNS上では群衆の中に不自然な特徴が次々と指摘された。顔の重複や3本指の人物など、AI生成画像に特徴的な歪みが見つかったのだ。これを受け、マーベル/ディズニーの広報担当者は米Indiewireの取材に対し、AIの使用を明確に否定している。
この議論の背景には、2023年のハリウッドストライキで焦点となったAI技術の問題がある。米俳優組合と米脚本家組合は、AI技術の無秩序な導入による創造性や雇用への影響を懸念。その余波は現在も続いている。実際、アカデミー賞10部門にノミネートされた話題作「ブルータリスト」では、音声生成AI「Respeecher」の使用が明らかとなり、業界内外で議論を呼んでいる。
「ファンタスティック4 ファースト・ステップス」は、「マンダロリアン」や「THE LAST OF US」で国際的な評価を確立したペドロ・パスカルを主演に迎え、2025年夏に日本公開が決定。さらに本作は、ロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥーム役で出演する「アベンジャーズ/ドゥームズデイ(原題)」(2026年米公開)へと繋がる重要作品としても注目を集めている。映画製作におけるAI技術の適切な活用方法を巡る議論は、今後も続いていくことになりそうだ。
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