2月6日(木) 19:50
贈与税とは、個人から財産をもらったときに、もらった人が負担する税金です。1月1日から12月31日までの1年間で110万円を超える財産をもらった場合に課税されるといわれています。
なお、亡くなった人から相続などによって財産をもらった場合には「相続税」がかかります。贈与税は、相続税の課税を逃れるために生前贈与する行為を防ぐ役割も担っているのです。
なお、60歳以上である父母や祖父母から子や孫へ贈与する場合、累計2500万円までは贈与税がかからない「相続時精算課税制度」も設けられています。
贈与税は、基礎控除額である「110万円」を控除した残額に対して課税されるといわれています。子や孫など血縁関係のある直系卑属(子、孫、ひ孫など、自分よりも後の世代の直系血族)と、それ以外の人(兄弟姉妹や甥姪など)では、税率が表1のように異なります。
表1
税率 | 課税財産額(基礎控除後の課税価格) | |
---|---|---|
直系卑属 | 一般 | |
10% | ~200万円 | ~200万円 |
15% | ~400万円 | ~300万円 |
20% | ~600万円 | ~400万円 |
30% | ~1000万円 | ~600万円 |
40% | ~1500万円 | ~1000万円 |
45% | ~3000万円 | ~1500万円 |
50% | ~4500万円 | ~3000万円 |
55% | 4500万円~ | 3000万円~ |
※財務省「贈与税に関する資料」を基に筆者作成
今回のケースでポイントとなるのは、プリウスの販売価格です。販売価格はカタログ値で275万円から460万円となり、110万円を超えています。
仮に350万円とした場合、成人を迎えた20歳の子どもは直系卑属となるため、特例贈与財産として15%の税率が適用されます。よって、計算式は「350万円-110万円(基礎控除)=240万円(課税価格)、240万円✕15%(税率)-10万円(控除額)=26万円」となり、課税金額は26万円です。
贈与税を申告しなかった場合には、ペナルティとして無申告加算税や延滞税などが課される可能性があるため、しっかりと申告しましょう。
財産を取得した場合でも、非課税となるケースがあります。まず、法人から取得した財産に贈与税はかからないといわれています。さらに、扶養義務者相互間における生活費や教育費の負担、お見舞いや香典、祝い金、心身障害者共済制度に基づいた給付金の受給などもこれに該当するようです。
なお、贈与の額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。そのため、車の購入に必要な金額を110万円以下に抑えて贈与することで支援する方法も考えられます。ただし、まとまった額を贈与するために、意図的に分割贈与したと税務署に判断された場合には、贈与税が課される可能性があるため、注意しましょう。
贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日まで(令和6年分は令和7年2月3日(月)から3月17日(月))に所轄税務署へ贈与税の申告と納税をする必要があります。
贈与税の申告書には「第一表(兼贈与税の額の計算明細書)」「第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)」と「第二表(相続時精算課税の計算明細書)」などがあります。申告の内容によって申告書が異なるため注意してください。
110万円を超える車をプレゼントした場合には、贈与税が課されます。贈与税を支払いたくない場合は、110万円を超えない車を贈る必要があるため、中古車など査定額が低い車を選ぶという選択肢もあります。
贈与税が発生した場合には申告し、贈与税を適切に納めましょう。
財務省贈与税に関する資料
トヨタ自動車株式会社プリウス
国税庁No.4408贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
子供や孫にお金を渡したい!相続税を抑えて贈与できる4つの方法とは