「シュレック」や「ボス・べイビー」シリーズをはじめ、数々の傑作アニメーションを世に送りだしてきたドリームワークス・アニメーションによる記念すべき30周年の最新作『野生の島のロズ』(2月7日公開)。無人島に漂着した最新型アシスト・ロボットが野生の動物たちと育む愛や友情が描かれる。『リロ&スティッチ』(02)のクリス・サンダースが監督を務め、日本語吹替版には綾瀬はるか、柄本佑、鈴木福、いとうまい子ら豪華キャスト陣が参加する。
【画像を見る】47種類の動物が登場し、リアルな動物の毛並みの質感にもびっくり!『野生の島のロズ』の美しさに心酔
■「涙が止まらない…」子どもにも大人にも刺さる!全世代が満足できる理由は?
2024年9月に全米公開されると、週末3日間のオープニング成績で初登場1位を記録。全世界でも43か国で初登場1位、世界興収合計3億ドルを超える成績を上げており(2024年11月16日時点)、第97回アカデミー賞では3部門にノミネートされ、第52回アニー賞では最多9部門10ノミネートされた。そんな本作の日本公開に先駆け試写会を実施したところ、参加者からは「ボロ泣きならぬロボ泣き!!マジで今年はこれを超える映画に出会えないかも!」や「泣けた。こんなに感動するとは思わなかった」「涙が何度も何度も止まらない102分」と、「泣ける!」という感想が多数寄せられている。
「期待通り、ではなく期待以上だった!どのシーンも映像が綺麗だし迫力があって、ずっと目が離せなかったな。心温まると同時に色々己のことを省みたくなるストーリーだったね。気づいたらボロボロ泣いてたわ」
「想像以上に泣ける映画でした。 ロズと動物たちの愛と友情が素敵だったし、心温まるストーリーが胸に響く。 誰かを想う気持ち、そして協力し合うみんなの姿に涙が止まらなかった」
「大人も子供も、みんなに刺さる映画だと思います。島の動物たちもかわいいです。愛は偉大だなと思いました。ハンカチ必須の映画です」
「王道だがそれがいい。途中から涙が止まらない。最後はホッコリして温かい気持ちになりました。ロボットと動物だからこその純粋でまっすぐなストーリー。これ以上に美しいものはないと言ってもいい」
これらの言葉からもわかるように、上映中に参加者たちは涙をこらえることができなかったようだ。そこで本稿では、映画公式SNSで実施中の「#野生の島のロズ期待感想キャンペーン」に投稿されたコメントから、本作の注目ポイントを紹介し、どんなところが胸に響いたのかもひも解いていきたい。
■子育てに奮闘するロズと大きく羽ばたこうとするキラリ…様々な感情を呼び起こす親子の絆に共感
物語は最新型アシスト・ロボットのロズが様々な動物が暮らす自然豊かな無人島に漂着するところから始まる。プログラムに従って“仕事”を探し始めたが、動物たちは彼女を怪物だと思い拒絶。そんな時、雁(ガン)の卵を発見し、ひな鳥をかえすことに成功する。ひな鳥にキラリと名付け、キツネのチャッカリとオポッサムのピンクシッポの協力のもと、親代わりとして子育てに挑むことになるロズ。その懸命な姿を見た島の動物たちは、しだいに彼女を“家族”として受け入れていく。しかし、ロボットの生産工場がロズを修理するため、回収ロボットを島に派遣していた…。
ロボットであり感情を知らなかったロズが、キラリを育てるなかで愛情が芽生え、種族を超えた絆で結ばれていく姿、そんな彼女たちを見て島の動物たちの心にも変化が起きていく様子が大きな感動を呼ぶ本作。一方で、雁であるキラリは冬が来る前に仲間との“渡り”に加わらなければならず、それはロズにとっての子離れを意味している。
「お世辞抜きでめちゃくちゃ良い。ロズとキラリが一緒に飛ぶ練習をするシーンからずっと泣いてました。観た後から心が温かいです。後世に語り継ぎたい映画!最高傑作!」
「ロボットがひな鳥を助けたことから、しだいに愛情が芽生えて感情が生まれていく。母親から見た子の成長、巣立ちが描かれ、キラリが飛び立つシーンは泣け、さらに母を助けようとする姿に成長を感じた」
「ロボットに心が芽生え始め、どんどんと作品に引き込まれていく。ロズがキラリと一緒に成長する姿に涙があふれました」
「キラリのたくましい成長ぶりにも感激。空や海、森の大自然を背景にしたダイナミックなアクションシーンは心踊りました!」
ロズとキラリを中心とした親子のドラマが、特に大勢の涙を誘ったようだ。また、親元を離れてより大きな世界に飛び立とうとするキラリ、それを喜びながらもどこか寂しそうにしているロズの内面に共感した人も多い。
■ドリームワークス30周年を彩る躍動感あふれる映像、アカデミー賞ノミネートの音楽にも注目
本作の監督を務めたクリス・サンダースは『リロ&スティッチ』のほか、「ヒックとドラゴン」シリーズ、ハリソン・フォード主演の実写映画『野性の呼び声』(20)も手掛けている俊英。エモーショナルなドラマを作り上げる手腕は抜群で、劇中では47種類の動物、28,710羽もの雁の群れがいきいきとスクリーンを駆け巡っている。さらに、海や川、森林などの自然の描写にも思わず息をのむ美しさにあふれ、紅葉や吹雪吹き荒れる冬の厳しさといった四季折々の情景にも圧倒されてしまう。
「絵本のようなタッチでそのままアニメーションとなって動くところにすごくワクワクした。『カンフー・パンダ』や『ヒックとドラゴン』みたいに、子供を連れて観にきた親の方がやられてしまうタイプの映画」
「何度も心震える瞬間があり、その度に全身がスクリーンに映る美しい世界に溶けていって、空を飛んでいるような気持ちになりました。ドリームワークス30周年の記念作品にふさわしい傑作アニメーションです」
「本当に画が美しく、コンセプトアートや絵画がそのまま動きだしたかのようです。動物の毛並みの質感はもちろん、季節ごとの植物や風景、空気感など、オペラグラスを使っても見応えがありそうなくらい丁寧に描かれています」
また劇伴を手掛けたのは、『グリーンブック』(18)、『ドリームプラン』(21)といったアカデミー賞受賞作品の音楽を生みだしてきたクリス・バワーズ。ジャズミュージシャンとしてのバックグラウンドを持つバワーズだが、本作では子育てに奮闘するロズや、うまく泳いだり、飛ぶことができず思い悩むキラリに寄り添い、渡りのシーンでは壮大にその旅路を盛り上げるなど映画音楽としての在り方をさらに進化させ、アカデミー賞でも作曲賞にノミネートされている。さらに、多くの観客はマレン・モリスが歌う「Kiss The Sky」や「Even When I'm Not」などオリジナルソングにも心が揺さぶられたようだ。
「いままで観たドリームワークス作品のなかで一番好きです。美しい映像表現に、場面にマッチしたクリス・バワーズの音楽。表情がないのに感情豊かになっていくロズ。すべてが最高でした」
「映像が色鮮やかで本当に素晴らしいし、そこに力強い音楽が合わさって何回も泣かされました。本当に素晴らしい映画でした」
「言えることは本当に最高で期待以上。特に『Kiss The Sky』が流れるシーン。今日は感情ぐじゃぐじゃで寝ます」
ロズの球体型の胴体や長い手足、二つの丸いレンズが目を引くシンプルな顔立ちは、どこか『天空の城ラピュタ』(86)に登場したロボット兵を思わせる。それもそのはずで、このほかにもノスタルジーを感じさせる森の風景は『となりのトトロ』(88)に通じ、躍動感ある動物たちの動きは『バンビ』(42)、さらには映画だけでなくクロード・モネの絵画にいたるまで、様々なものからインスピレーションを受けているという。スタジオジブリ作品から古典的名作まで、慣れ親しんできたものに触れる感覚があるところもまた、本作が観客の心に深く突き刺さる要因になっているのかもしれない。
■先入観を乗り越えて、変化し、理解し合うことの大切さ
当初のロズはプログラムされたとおりに動こうとするが、動物たちから生きる術を学び、キラリを一人前にするためにも“プログラムを超える”決意をする。周囲にバカにされ、心が折れそうになりながらも飛行訓練に挑み続けるキラリ、狩るものと狩られるものの種族を超えて連帯し、大きなピンチを乗り越える動物たちの姿もまた、映画の枠に収まらず現代社会を生きる観客に大切なメッセージを伝えようとしている。
「この映画には様々な『超える』が描かれている。ロボットがプログラムを超えて愛を知ること、子が親を超え羽ばたくこと、自分の限界を超えること、対立を超え共に生きること。人間にもその可能性はある」
「子どもを育てる大変さ、諦めないことの大切さ、テクノロジーと自然の共存など、考えさせられるテーマが多いとてもいい映画でした」
「子どもやかつて子どもだった大人、これから親になる人、親になった人、親元から巣立った人。誰もが感動できる強度のある作品が生まれた!身を粉にして誰かを助けること、自分を受け入れること、その想いの尊さを全肯定する力作」
「思い込み、決まりごと、先入観から離れてみるのもアリなんだなって思わせてくれた」
感動させてくれるだけでなく、互いを想い合い、困難があっても諦めないことを教えてくれる『野生の島のロズ』は、人生を歩んでいくうえでの指針ともいうべき作品だ。最後に、これから本作を観る人に向けて、どんなところに注目してほしいかを紹介したい。
「ぜひ親子で観てほしいし、一人で観て号泣してもいい。親世代にも、子どもたちには育てられ、守られている当たり前さを受け取ってほしい」
「普段はなにも考えず遊び回っていた小2の息子が、ロズを見て『感動した…』と答えてくれました。この映画を通じて、息子の心の芽生えに立ち会えて私もさらに感動させられました」
「9歳の姪が号泣するほど感動していました!大人も感動できるすてきで温かい作品です」
「登場する動物みんなのクセが強くて笑ってしまいました。全世代の人が満足できる映画だと思います!」
「母、子、友だち、チーム、みんなの成長物語。緻密で迫力もあり、温かいアニメーションも圧巻。全世代関係なく家族みんなそろって観に行ってほしい」
心が芽生えたロズと彼女に見守られながら大きく飛び立とうとするキラリ、彼女たちを支え、支えられるユニークな動物たちの関係性にも注目の『野生の島のロズ』。観終わったあと、心がポカポカと温かくなるような感動のドラマを劇場で体感してほしい。
構成・文/平尾嘉浩
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