2月5日(水) 0:20
出版大手のKADOKAWAは11月20日、ソニーグループから同社株取得に関する初期的意向表明を受け取ったと発表しました。その前日である11月19日には、ロイター通信をはじめとする複数のメディアが、ソニーがKADOKAWAの買収を検討しているとの報道を行っていました。
この一連の発表や報道を受け、KADOKAWAの株価は大きく反応しています。11月18日の終値が3045円だったのに対し、11月25日時点の終値は11月18日4465円と、約46%の上昇を記録しました。なお、2025年1月15日時点では終値が3195円となっており、一連の報道が出た直後と比べると株価は下がっています。
ソニーグループは12月19日、KADOKAWAとの間で戦略的な資本業務提携契約を締結したと発表しました。そして、2025年1月7日に同グループによる出資が同日付で完了しています。これにより、ソニーグループはKADOKAWAの約1200万株を引き受けたわけですが、費用として約500億円を投じています。
ソニーはすでに保有している株式と合わせて、KADOKAWAの約10%の株式を保有することになりました。この割合は、KADOKAWAにおけるソニーの影響力を強化するものですが今回、ソニーの方向性としては「買収」ではなく、あくまで戦略的提携の一環としての株式取得でした。
両社は、この提携を通じてエンターテイメントやメディア分野でのシナジーを追求し、互いの成長を目指す意向を示しています。今後の展開により具体的な成果が期待されますが、今後、株式追加取得の予定はないと発表されています。
ソニーグループは、KADOKAWAとの資本業務提携を正式に締結しました。当初は買収も視野に入れて協議を進めていましたが、最終的に提携という形で合意に至りました。KADOKAWAは、出版事業に加えてアニメやゲーム分野で強みを持ち、動画配信サービス「ドワンゴ」との経営統合を通じて、コンテンツ事業の拡大を進めています。
一方、ソニーグループは、2024年度から3年間で1兆8000億円の予算を投じ、買収や提携を通じた事業強化を目指す方針を掲げています。今回の提携により、両社はアニメや映画などの共同制作を通じて海外展開を図るほか、新たなクリエイターの発掘や育成にも注力する計画です。
買収金額は業界ごとに異なり、業界特有の要素が影響を与えます。以下に代表的な業界ごとの買収金額の目安を紹介します。
●医療・介護業界:売上高の6ヶ月分から1年分が一般的な買収金額の目安
●医療・介護業界:売上高の2倍から3倍、時には4倍から5倍に達する
●住宅・不動産・設備工事業界:売上高の6ヶ月分から1年分が目安
●運送・物流業界:売上高の2〜3ヶ月分から1年分程度
●小売り・食品業界:売上高の6ヶ月分から1年分が目安
●製造業界:売上高の1年分から2年分が目安
●教育・学習支援業界:売上高の6ヶ月分から1年分
業界別での買収金額の高低は、IT・ソフトウェア業界が一般的に高いといわれ、住宅・不動産・設備工事業界は低い傾向にあるといわれています。
ソニーがKADOKAWA株式を約500億円で10%ほど取得したのは、買収ではなく戦略的提携の一環です。完全買収となる場合、さらに高額な資金が必要になります。戦略的提携により、両社は相互の事業基盤を強化し、新たなビジネスチャンスを創出することを狙っているといえるでしょう。
ヤフーファイナンス 株式会社 KADOKAWA(株)KADOKAWA
ソニーグループ株式会社「KADOKAWAとソニー、戦略的な資本業務提携に合意」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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