父親が亡くなり相続税が「1000万円」超に! 支払いが難しければ「実家」を物納することは可能? ポイントもあわせて解説

父親が亡くなり相続税が「1000万円」超に! 支払いが難しければ「実家」を物納することは可能? ポイントもあわせて解説

1月30日(木) 17:20

父親が亡くなり相続が発生した場合、その資産価値に応じて相続税の支払いをしなければなりません。しかし、多額の相続をするときには相続税が想定よりも高くなる可能性も考えられます。 もしも実家を相続する気がない場合、相続税の納付の代わりに実家を物納したいと考える人もいるかもしれません。 本記事では、実家をはじめとする不動産を物納できるかについて解説するので、気になる人は参考にしてみてください。

相続税は一定の条件を満たせば物納が認められている

相続税は一定の条件を満たせば、例外的に物納が認められています。ただし原則としては金銭での納付になり、どうしても金銭での納付が困難な状態だと判断されなければ物納は許可されません。
 
相続税で物納するための条件として、国税庁では以下を定めています。
 

1:延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、その納付を困難とする金額を限度としている
 
2:物納申請財産は納付すべき相続税額の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、日本国内に所在する財産

 
これらの条件を満たしている必要があるため、相続税を通常通り納付できる場合や延納で納付できる場合は物納は利用できません。
 
物納が利用できないなら実家を売却して現金化をおこなってから、金銭による納付も1つの方法として挙げられます。
 
また、物納については物納しようとする相続税の納期限または納付すべき日までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出する必要があります。
 

不動産以外も相続税は物納できる

物納を利用する一定の条件を満たしているなら、不動産以外での物納もできます。ただし、優先順位が決められており、原則として第1順位から物納しなければなりません。不動産を含めた優先順位については、図表1を参考にしてみてください。
 
図表1

第1順位 1.不動産/船舶/国債証券/地方債証券/上場株式など
2.不動産および上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
第2順位 3.非上場株式など
4.非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの
第3順位 5.動産

国税庁 No.4214 相続税の物納を基に作成
 
基本的に表1の「1」~「5」の順番での物納になるため、優先順位については把握しておきましょう。
 

管理処分不適格財産に該当していないかもポイント

管理処分不適格財産に該当すると物納ができないため、不動産物納を検討している人は注意してください。特に不動産については、確認するべきポイントが多いといえます。
 
「担保権の設定の登記がされていることその他これに準ずる事情がある不動産」「境界が明らかでない土地」など複数の提示されている条件に該当していると管理処分不適格財産とされ、不動産による物納が認められず、他の方法での納税を検討しなければなりません。
 
また、不動産以外にも株式やその他の財産についても条件はあるため、場合によっては1つも物納ができない可能性も考えられます。
 

物納の許可までの審査期間や再審査について

物納申請書を提出した後は要件の調査をおこない、物納申請期限から3ヶ月以内に許可か却下の判断がされます。ただし、申請財産の状況によっては、審査期間が最長で9ヶ月まで延長される可能性もあります。
 
しかし、物納申請した財産が管理処分不適格財産に該当した場合、物納申請が却下されるでしょう。却下されたときには却下された財産の代わりに、他の財産を物納申請することが1回だけ可能です。
 

まとめ

相続税は場合によっては数百万円から数千万円になる可能性も考えられ、金銭での納付が難しくなるかもしれません。このようなケースでは一定条件を満たしていれば、物納による相続税の納付が認められています。
 
実際に物納ができるかどうかについてはさまざまな条件が設定されているため、実家が条件を満たしているかを確認してみてください。
 

出典

国税庁 No.4214 相続税の物納
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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