元ラブホテル従業員が遭遇した“不思議な事件”。「女性のフリをして電話してきた」男性客の目的とは

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元ラブホテル従業員が遭遇した“不思議な事件”。「女性のフリをして電話してきた」男性客の目的とは

1月27日(月) 6:52

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ユニークで豪華なインテリアやテーマルーム、そしてジャグジーやカラオケなどの充実した設備により、非日常感が味わえるラブホテル。胸を高鳴らせ、甘い時間を期待しながら来店する人が多いことだろう。

そんなラブホテルの退店時、カップル利用の場合は、二人揃って退店するのが一般的だが、“夜のお姉さんのデリバリー”利用の場合は女性だけ先にホテルを後にするケースが多いそうだ。

今回ご紹介するのは料金未払い事件のエピソード。福岡の繁華街にあるラブホテルで、ベッドメイキングとフロント業務を5年間勤めた 天野翔子さん(仮名) の体験談である。

料金未払いを防ぐための対策

ラブホテルのフロント業務で最も集中力を働かせる瞬間は、客の退店時だと天野さんは語る。

「私が勤めていたラブホテルは、部屋に設置された自動精算機で支払う料金後払い制のため、基本的にはお金を支払わないと出入り口の扉が開かないシステムになっています。

ただ、うちは“夜のお姉さんのデリバリー”での利用が非常に多いので、先に女性が一人で退室することもよくあるため、その場合は電話をもらえば料金支払い前でもフロントから操作をして扉を開けるんです。

でも料金を踏み倒して逃げられないように、どちらか片方のお客様だけが先に退出すると申し出があった場合、本当に1人だけなのか、それとも実は2人で退出していないかを確認する必要がありました」

実際に未払いトラブルも少なくなかったため、フロント業務のなかでも退店時のチェックはかなり集中しなければならなかったんだとか。

「また、女性からフロントに『私が先に帰ります』と電話があった際には、『お連れ様に代わっていただけますか?』と伝え、男性に電話口に出てもらって確認。ほかにも、どちらか1人が先に退室した後に、今度はフロントから部屋に電話して在室確認も行っていました」

「車に財布を忘れた」と電話

いつもは料金踏み倒しを防ぐために対策を怠っていなかったというが……。事件が起きたのはとある土曜日のお昼前だったそうだ。

「その日は私が出勤した時点で、すでに満室の状態でとても混雑していました。慌ただしいなかのシフト交代で、前のフロント担当者から業務の引き継ぎを受けたのですが、そのほとんどが“夜のお姉さんのデリバリー”を利用する男性1名のお客様ばかり。

途中から女性が入室し、そのあとに女性一人が退室していくという状況がひっきりなしに続き、とても慌ただしい日だったんです」

そんななかフロントに鳴り響いた電話が問題に発展したんだとか。

「『車に財布を忘れたので取りに行きたい』という男性からの連絡でした。けれど、このお客様の利用状況は、普通のカップルなのか、“夜のお姉さんのデリバリー”利用の男性1名なのか、前担当者から引き継がれていませんでした。

本来なら共有されていないといけない情報なんですが、シフト交代時にバタバタしていたのが原因ですね。ただ、車に戻りたいという理由でフロントから扉を開錠するケースはありますし、車のナンバーも事前に控えていたため、私は鍵を開けてあげたんです」

次に女性のような声で電話が…

「防犯カメラで部屋前の通路を見ていると、部屋から出てきた男性は黒いパーカーを深くかぶり、顔を隠すようにしていたのが印象的でした。その男性は数分で戻ってきましたが、その約10分後、同じ部屋から再び電話がかかってきたんです。

電話に出てみると、女性のような声で『私、先に帰ります』とのこと。少し違和感を覚えつつ、いつものように『お連れ様に代わってください』と伝えると、少し間を置いてから男性の声で『大丈夫です』と返事がありました。

通常、女性から男性に代わる際には『代わってと言われたよ』といった声など、男女のちょっとした会話のやりとりが電話越しに聞こえるものです。しかし、今回はそういった会話が全くなく不自然に感じ……。一人二役を演じている可能性が高いと直感しました」

つまり、男性客は高い声を出して女性を装い、料金未払いのまま退室を目論んでいるのではないかという推理だ。

「また防犯カメラでその部屋前の通路を見張っていると、ニット帽を深くかぶった人物が足早に部屋を出てきました。その人が先ほど駐車場に行った男性と同一人物かどうかは確認できませんでしたが、私はすぐに駐車場の出口に向かい、待ち構えました。

すると、その人物は焦った様子で車に乗り込み、猛スピードで駐車場を出ようとしたんです……!」

天野さんの予想はビンゴ!料金未払いのまま逃げようとしていたのである。天野さんは恐怖を忘れ、必死に車を止めようと両手を広げ立ち塞がったという。

サービス延長で部屋代が足りず

「その人物は、私の推測通り、黒パーカーの男でした。私に気づいて観念したのか、車を停めて降りてきました。

『お支払いがまだですよね?お部屋にはどなたか残っていますか?』と尋ねると、男性はうつむいたまま何も答えません。仕方なく『警察を呼びますので一旦部屋に戻りましょう』と促したところ、彼は突然『すみません、払います!』と土下座して謝り始めました」

しかし、料金未払いでの逃走は立派な犯罪行為にあたるため、天野さんは警察に通報。

「警官が到着してから一緒に事情を聞いたところ、男性は“夜のお姉さんのデリバリー”利用で、私がフロントに入る前に、すでに女性だけ先に退室していたようです。

ただ、“夜のお姉さんのデリバリー”のサービス時間を延長したため、その追加料金を支払った結果、ホテル代を払うお金が足りなくなったということでした。

ちなみに、部屋にはある程度の額を現金で持ってきていて、財布は車に置いていたため、『車に財布を忘れたので取りに行きたい』と電話してきたときは、まだ逃走する気持ちはなかったそうなんです。

でも、財布の中のお金を足してもやはりホテル代は足りない。そんなとき、電話に出たフロント担当者が替わっていると思い出したそうで、もし女性だけ先に退室していることが引き継がれていなければ、もう一度ドアを開けてもらえるかもしれないと思ったようですね」

けっきょくこの男性は微罪処分として処理されたとのこと。

「フロント間の業務連絡がきちんとできていなかったことも原因だったので、私たちにも落ち度はありました(苦笑)。ただ、料金未払いは立派な犯罪ですので、みなさんもラブホテルをご利用の際は金銭の余裕を持ってお越し下さい」

――女声を出して一人二役も演じるという、大胆不敵な料金未払い未遂事件だった。

<取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio>

【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。

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