『ベルサイユのばら』平野綾が感動する「登場人物たちの愛の深さ」!

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『ベルサイユのばら』平野綾が感動する「登場人物たちの愛の深さ」!

1月25日(土) 3:00

フランス革命に至る激動の時代を舞台に男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(以下、オスカル)やフランス王妃マリー・アントワネット(以下、アントワネット)の人生を、少女漫画界の巨匠・池田理代子が美しくも鮮烈に描いた大人気コミック『ベルサイユのばら』(以下、『ベルばら』)が、50年以上もの時を超えて劇場アニメ化。1月31日より全国の映画館でついに封切られることとなった。今回は一人の女性としてさまざまな悩みを胸に、一途な愛とフランス王妃としての誇りに生きたアントワネットを演じた平野綾に、彼女の印象や収録の感想、この作品の見どころなどを語ってもらった。

――平野さんと『ベルばら』の出会いは?
平野もともと母親から少女漫画の英才教育を受けていましたので(笑)、初めて『ベルばら』を読んだのは小学生ぐらいの頃でした。当時の私は病気がちだったこともあって、強い女性にすごく憧れていたんです。あと自分が男の子だと思っていたこともあって、「男装の麗人であるオスカルみたいになりたい」と思いながら読んでいるうちにハマって大ファンになりました。

――テレビアニメや宝塚(舞台)の『ベルばら』も見ていますか?
平野もちろんテレビアニメも宝塚も見ています。テレビアニメはネットのない時代でしたので、頑張って再放送を探したり、ビデオショップでレンタルしたりして見ていました。宝塚に至ってはオスカルをやりたいと思い入団も考えたくらいです。でも男役をやるには身長が足りなくて、それで泣く泣く断念することになりました。

――そんな『ベルばら』の劇場アニメ化を聞いたときはどう思われましたか?
平野2022年に連載50周年を記念した”ベルサイユのばら展”が開催されていたんです。ファンのひとりとして見に行ったんですが、そこに劇場アニメのビジュアルが展示されていて。この時代に『ベルばら』を新しく作る実感が湧き、改めて映画化されることへの感動と喜びを感じました。

――平野さんが感じているアントワネットの印象をお聞かせください。
平野小さい頃は「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」でお馴染みの悪女で浪費家という印象がすごく強かったんです。でも実際のアントワネットはそんなこと言っていなかったり、色々な本を読んで人物像も異なる印象を受けてから、彼女のことが気になるようになって調べるようになりました。2019年にプライベートでベルサイユ宮殿を訪れたときには、アントワネットが子供と一緒に農作業をしたり家畜を育てたりしていたという、宮殿の敷地の一角に作った村里を見学することができたんです。そんな風に庶民のことを理解しようとしていたことを知ってから、世の中で言われている悪女像とは全然違うんだなっていうのが、いまのアントワネットの印象ですね。そんなこともあって子供の頃はオスカルが大好きだったんですけど、いまでは断然アントワネット派になりました(笑)

――アントワネットを演じるにあたって意識したことは?
平野原作コミックを凝縮して映画一本分にしているということで、台詞と台詞の間で時間が数年過ぎることも起こるんです。「このセリフは何歳のときに、どういう状況で言っていて、この台詞の間にアントワネットはどんな経験をしているんだろうと、監督と答え合わせをしながらシーンを作っていきました。空白となるその何年かの間に、きっと歴史を揺るがすような大事件や彼女の成長を促すような大きな出来事が起こったんだろうなと感じていただけるような、説得力のあるお芝居を心掛けて演じました。

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大人になっても少女性を彷彿とさせる演技を散りばめた

――具体的に少女時代と、王妃となった大人のアントワネットはどのように演じ分けたのでしょうか?
平野技術的なことでいうと、最初に登場した14歳頃のアントワネットを演じるときには、身体が成熟していない子供の肺活量を意識したお芝居をしています。息が上がったり、何かに気づいて「はっ」となるときは子供らしい息の吸い方に気を付けたり、泣くときもしゃくり泣きみたいな成分を入れたりと、子供らしさを強めています。後半になると、大人になって母となり、王妃としての責任ある立場になっているので、しっかり地に足をつけた大きな存在感を意識しながら演じました。

――少女の頃からは想像できないぐらい、王妃になったアントワネットの声に威厳がありました。
平野そこが絶妙に難しいところなんです。あんまり変えすぎると別人のようになってしまうし、少女性を残しながら大人になっているところがアントワネットにはあるので。雰囲気はガラッと変えつつも、昔のアントワネットを彷彿とさせる要素を随所に散りばめることで、彼女らしさが出る工夫をしました。

――オスカルを沢城みゆきさんが演じていますが、どう思われましたか?
平野「令和でオスカルを演じることができるのは、もう沢城みゆきさんしかいない」と思っていたんです。キャスティングで沢城さんの名前を見たときには「ですよね!」ってなりました(笑)。久しぶりの共演だったので、とても嬉しかったですし、お互いシーン毎にいろいろと話し合いをしながら、すごく丁寧に収録をさせていただけたのはとてもありがたかったです。

――ふたりの掛け合いで思い出に残っているシーンはありますか?
平野ひとつは(ハンス・アクセル・フォン・)フェルゼンとの関係を忠告するオスカルに「同じ女性であるあなたにも、分かってはもらえなのですね」とアントワネットが言うシーンですね。そばにいながらその寂しさも哀しみも女性として理解していなかったことにオスカルが強い衝撃を受ける場面。あとはやっぱりふたりが決別した場面ですよね。お互いの生き方が今後交わることがないことを確認した上で、それぞれが別の道を歩んでいくことを決めるんですが、それを悲劇的にではなく、「それしか道がなかったんだろう」と、それが当たり前の選択だったように描いているんです。自分で決めた道だと潔く腹をくくったふたりの姿は悲しくも素敵でした。このふたつのシーンはテイクを重ねたこともあって、とても強く印象に残っています。

劇中に登場するキャラクターは全員心が広い

――アントワネットの人生に深く関わってくるふたりの男性、フェルゼンとルイ16世についてはどう思われていますか?
平野どうしてもフィーチャーされるのは恋人であったフェルゼンとの話なんですが、私はルイ16世こそがアントワネットにとって、すごく大切な存在だったと思うんです。自分の中に満たされない想いを持ちながら、それでもお互いの幸せを願ったからこそ、フェルゼンへの想いをアントワネットは抱き続けることができたわけですから。オスカルを一途に思うアンドレ(・グランディエ)も(フローリアン・ド・)ジェローデルも、この作品に出てくる人たちは本当に心が広いなと思います。

――物語を彩る15曲の挿入歌も、この作品の大きな魅力になっています。
平野蓋を開けてみたら本当に多くてビックリしました(笑)。全体的には、音楽劇に近いです。自身の人生を振り返ったアントワネットが、「こういうことがあったな」と思い出を歌うような感覚でレコーディングをしました 。

――収録ではどんなところに気を付けながら歌ったのでしょうか?
平野ポップスやミュージカルの歌い方など、いろんなジャンルからアプローチできただけに、音楽班からの「曲に寄り添う歌い方をしてほしい」とのリクエストに、何度もやり取りを重ねながら収録しました。現場には監督も立ち会ってくださって、出来上がったばかりの絵コンテを持ってきてくださってイメージしやすかったです。脚本の金春(智子)さんもいらして、歌詞のはめ方にもこだわりました。ぜひご期待ください!

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
平野原作コミックが連載されてから50年以上という月日が経ち、時代と共にさまざまなことが変化した今だからこそ、新しい令和の『ベルばら』をお届けすることができると思っています。ジェンダーや恋人、夫婦、愛のかたちも大きく変わりました。そうした大きな変化を内に秘めながらも、池田先生が作品に込めた想いは、そのまま変わらず受け継がれています。ぜひ長年のファンの皆さまには、かつての自分を思い起こしながら、当時とは違って見える変化も楽しんでいただけたらと思いますし、今回初めてこの作品に触れる方には、美しい映像と音楽を劇場の大きなスクリーンで堪能していただき、新たな『ベルばら』ファンになってもらえたら嬉しいです。

<PROFILE>
平野綾(ひらのあや)
10月8日生まれ。主な出演作はTVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(涼宮ハルヒ)、『ONE PIECE』(リリス)、『FAIRY TAIL』(ルーシィ・ハートフィリア)、『それいけ!アンパンマン』(コキンちゃん)。ミュージカルの出演作は、『レ・ミゼラブル』(エポニーヌ)、『レディ・ベス』(レディ・ベス)、『モーツァルト!』(コンスタンツェ)、『チェンソーマン ザ・ステージ』(マキマ)ほか。
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