岡本太郎、河原温ら1950年代にメキシコに惹かれた美術家たちの足跡をコレクションと共に展観『メキシコへのまなざし』埼玉県立近代美術館で

岡本太郎《建設》1956年川崎市岡本太郎美術館蔵

岡本太郎、河原温ら1950年代にメキシコに惹かれた美術家たちの足跡をコレクションと共に展観『メキシコへのまなざし』埼玉県立近代美術館で

1月22日(水) 2:30

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1982年の開館以来、メキシコの近現代美術を収集し、メキシコ美術に焦点をあてた展覧会を度々開催してきた埼玉県立近代美術館で、1950年代にメキシコに深い関心を抱いた日本の美術家たちの足跡と、同館のメキシコ美術コレクションの形成の歩みをたどる展覧会が、2月1日(土)から 5月11日(日) まで開催される。

日本においてメキシコ美術が展覧会や雑誌を通じて盛んに紹介されたのは、1950年代だという。とりわけ、1955年に東京国立博物館で開催された『メキシコ美術展』がメキシコに目を向けるきっかけとなり、多くの美術家がその鮮やかな色彩、古代文明や革命の歴史と結びついた力強い造形表現に魅了された。なかでも埼玉県立近代美術館は、1979年に埼玉県がメキシコ州と姉妹提携締結を行ったことや、『メキシコ美術展』を訪れていた初代館長の本間正義が同国の美術に造詣を深めていたことから、作品収集と展覧会企画の両面でメキシコ美術に力が入れられたのだった。 シケイロスのアトリエを訪ねる岡本太郎|1967年|画像提供:川崎市岡本太郎美術館

今回の見どころのひとつは、先の『メキシコ美術展』の出品作と考えられるシケイロスの作品をはじめ、出品作家のなかからメキシコ壁画運動を牽引したオロスコやリベラ、そして次世代を代表するタマヨなどの作品が並ぶこと。1950年代に日本の多くの美術家を惹きつけたメキシコ美術の魅力に、じかに触れることができるのだ。

一方、同展で紹介される日本の美術家は、主に、福沢一郎、岡本太郎、利根山光人、 芥川(間所)紗織、河原温の5名。古代文明や壁画への憧れ、色彩や造形的な影響、言語への関心など、それぞれの視点からメキシコを捉え、自らの制作に反映させていった5人の作家の作品群と、メキシコで撮影した写真や収集した民芸品などが合わせて展示される。それぞれの作家がメキシコにどのように注目していたのかに焦点をあてながら、その足跡をたどる試みである。 芥川(間所)紗織《大木にハサマレタ若い神》1956年世田谷美術館蔵

同館ならではの展示は、戦後長らく東京国立近代美術館に勤務し、学芸員としてメキシコ美術の普及に尽力し、後に埼玉県立近代美術館の初代館長となった本間正義の仕事が、館のメキシコ美術コレクションの形成の歩みとともに紹介されること。作品や資料、開催された展覧会などを通じて、戦後の日本がメキシコ美術に向けていた眼差しを様々な角度から検証する興味深い展覧会となっている。

<開催概要>
『メキシコへのまなざし』

会期 :2025年2月1日(土)~5月11日(日)※前期は3月23日(日)まで、後期は3月25日(火)から
会場:埼玉県立近代美術館
時間:10:00~17:30(展示室への入場は17:00まで)
休館日:月曜(2月24日、5月5日は開館)
料金:一般 900円、大高720円
公式サイト:
https://pref.spec.ed.jp/momas/

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