みんなで楽しみながらマイタンブラーを推進する、スターバックスの参加型プロジェクト「タンブラー部」。その学生部員が集まり、「タンブラー部 学生サミット」が開催された。“使い捨てない、リユースが当たり前の未来”のために学び、考え、アイデアを出し合ったサミットの様子をお届けする。
■学生やパートナーが集い、学び、考える
タンブラー部は、マイタンブラーを利用するお客全員を部員「TUMBLers(タンブラーズ)」と呼び、店舗、そしてアプリなどのデジタル空間でさまざまな活動を展開している。今回は発足以来、初めて一般公募した対面イベントで、「タンブラー利用やリユースにつながるアイデア」を考えるサミットだ。タンブラー部の学生部員24人と、応援マネージャーとして各地の店舗からパートナー(従業員)約20人が参加した。
「リユースが当たり前の日常って?」
そんな未来をつくるため、11月9日、学生部員たちは東京・目黒にあるスターバックスのサポートセンター(本社)に集結。自己紹介をしたりスターバックスからのお土産を見たりとなごやかな雰囲気でスタートした。午前はトークセッション、午後はワークショップというスケジュールだ。
トークセッションでは、「ごみの学校」代表の寺井さんからごみ問題の過去・現在・未来に関して、SIBUYA109 lab.所長の長田さんからサステナブルなアクションに関する若者の関心度や企画の考え方などがレクチャーされた。
「環境面だけではなく、新しい日常、新しい社会をどうつくっていくかという目線で考えていくことが大事」(寺井さん)
「きれいごとよりも、等身大。“正しい”を“楽しい”で解決する」(長田さん)
基礎的な知識を学び、思考を巡らせ始めた学生たちは5グループに分かれ、この日学んだことやアドバイス、そしてこれまでの自身の経験をベースに午後のワークショップに臨んだ。
■リユースの未来を考える、5つのテーマ
トークセッションの後は、スターバックスが運営するイタリアンベーカリー「プリンチ®」特製のお弁当とスターバックスのコーヒーやティーでランチ休憩。特製のランチボックスに歓声を上げたり、この日のためにつくられたフォトスポットで記念撮影したりと、皆リラックスして楽しんでいるようすだ。
そして始まったワークショップでは、A~Eの5つのグループに分かれて異なるテーマをディスカッションし、アイデアをまとめて発表する。テーマは下記の5つ。
【Aグループ】リユースを増やすためにどんなタンブラーやボトルのアイデアが考えられるだろう。
【Bグループ】タンブラー利用を増やすために、どんな店舗サービスや体験を提供できるだろう。
【Cグループ】持ち帰りができるリユースカップを広めるためにはどんなアプローチが必要だろう。
【Dグループ】タンブラー利用をみんなで楽しむために、どんなつながりや交流をつくることができるだろう。
【Eグループ】タンブラー普及のためにスターバックスは他社や地域とどんな協業ができるだろう。
この日の主役はあくまで学生部員。パートナーはサポートに徹し、学生たちは進行や書記など役割を分け、主体的に、そして活発にディスカッションを進めていく。和気あいあいとした雰囲気は保ちつつも、みな真剣に考え、意見を交わし合う姿が印象的だった。その内容を、Aグループを例に紹介しよう。
■開発担当者もうなる、等身大のアイデア
Aグループは、『タンブラーをまだ使ったことがない層に広げるなら、どんな商品があるとよいか』という視点で、意見交換。
「タンブラーには1種類しかドリンクが入れられない。1つのタンブラーで数種類購入できたらいいんじゃないかな」
「シーズンごとに新しいタンブラーが出るのは、コレクションしている人にとってはうれしい。でも、まだ使えるものを買い替えるのはもったいないから、シーズンレンタルのような形はどうだろう?」
「タンブラー利用時の特典としてお会計を優先的にできるなど、特別感を演出しては?」
「モバイルオーダーでも利用できるようにしたいよね」
出てきた課題とアイデアを1枚のシートにイラストとともにまとめ、発表タイムだ。
タイトルを「#テクカワでファッショナブルなカフェタイム(テクカワ=テクノロジー×かわいい)」とし、商品とサービスの両面からアイデアが提案された。
商品のひとつは、中央に仕切りがあり2種類のドリンクが入れられるタンブラー。
「1つのタンブラーで複数の味を味わえるので、好きな人、家族、友だち、大切な人とカフェタイムを過ごすことができます」
普段の使いやすさを考慮して発案したのは、ボディ部分がファスナーで開くタンブラー。
「タンブラーを筆箱のように開くことができれば、洗いやすいので日々の面倒が軽減されます」
ほか、推し活に使えるボディにデジタルが表示されるタンブラーや、甘いものを控えたい人向けに飲み口を通して甘味の錯覚を起こすタンブラーが提案された。
サービス面では、アプリと連携したリユースプログラムが提案された。
「季節ごとに新しいデザインを楽しめる返却式タンブラーを考えました。デザインが季節ごとに代わることで返却しようという気持ちが生まれます。期間限定にすることで、お客様が写真をとってSNSにアップする宣伝効果も期待できます」
ほか、モバイルオーダーへの活用も提案。
「タンブラーにコードが埋め込まれていて、モバイルオーダーをしたドリンクが、お店ですぐに提供されるというシステムを考えました。ペーパーカップにパートナーの方がメッセージを書いてくれるように、タンブラーからパートナーの声のメッセージが聞こえるといいなと思いました」
わくわくするアイデアには「おお…」と感嘆の声が漏れ、発表後は大きな拍手が…!スターバックスの商品開発チームの担当者も「先の未来を見た発想で、どれもワクワクするアイデアでした。“楽しいからタンブラーを使う”というところに視点を置いたスターバックスらしさに沿った商品ですね」と感心。特に、返却式タンブラーのサービス案は「目からうろこだった」と語る。
「タンブラーをコレクションするだけでなく、利用につなげるために“返却”の仕組みを取り入れる。タンブラーを開発・販売する側としては出てこない発想です…。期間をしぼって実施できるかもしれませんね。ある期間タンブラーを使ったら、いつの間にかタンブラーを持って外出する習慣につながるのではないかなと思いました」
学生部員たちの自由な発想に、パートナーたちもたくさんの刺激を受けたようだ。
■学生部員たちが描く未来とは?
ほかのグループの発表も、興味深いアイデアばかり。1つのグループに対し、スターバックスのそれぞれの担当者が感想を伝えていく。
Bグループが考えたのは「タンブラー利用を増やすための店舗サービスや体験」。Z世代をターゲットに、おしゃれをきっかけに利用促進をするなどのアイデアを発表。かっこいい文化をつくっていきたいという想いが、スターバックスの歴史や想いに重なると共感を呼んでいた。
Cグループは「リユースカップを広めるためのアプローチ」を。知名度、持ち歩きやすさなど現状の課題を話し合い、サイズやデザイン展開、SNSを活用した宣伝を具体的に提案。表面的なことだけではなく心理に迫っていると評価された。
Dグループは「タンブラー利用をみんなで楽しむためのつながりや交流」をディスカッション。“My”タンブラーということにより焦点を当てるために、タンブラーを使って楽しむすごろくゲームを発表。店舗だけでなく、家でも家族などとできるアイデアだと好評だった。
Eグループが考えたのは「タンブラー普及のためにできる他社や地域との協業」。学校や他社にスターバックスがタンブラーを配布してきっかけをつくり、ドリンクが楽しめて洗浄スペースもあるタンブラーステーションを、即席の劇を交えて提案。現在タンブラーを使っている学生だからこその、日常的に使い続けやすいアイデアだとたたえられた。
一人ひとりが、地球が抱える課題を自分事として考え、話し合い、望む未来を想い描いて生まれたアイデアの数々。これら学生らしい等身大で自由な発想が種となり、未来を変えるきっかけになるかもしれない。
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