高速道路で“レンタカーを煽り続ける”黒のアルファード。恐怖のドライブに遭遇した男性の告白

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高速道路で“レンタカーを煽り続ける”黒のアルファード。恐怖のドライブに遭遇した男性の告白

4月27日(土) 8:54

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人生で初の煽り運転を体験

何かと話題になる煽り運転。YouTubeなどの動画サイトでもこうしたマナー違反のドライバーを扱った動画は人気が高く、再生回数も数十万回というのも珍しくない。今回、煽り運転の体験を語ってもらった武藤章典さん(仮名・42歳)は、人生で初めての煽り体験を「ただひたすらに恐怖だった」と振り返る。

都内に住む武藤さんは自家用車を所有しておらず、車に乗るのはもっぱらカーシェアで、その頻度は月に1度程度だ。

「昨年の秋、家族でキャンプに行った帰りのことです。高速に乗ろうと、インターチェンジに向かいました。ETCのある料金所レーンは3つあるうちの左と右で、真ん中は一般レーン。私は右側のレーンに入ってETCを通過し、そのまま直進しようとしたところ、左のレーンから猛スピードで黒のアルファードが入ってきたんです。しかし、すでに私のほうが少し早く高速に向かう道に入っていたので、アルファードは私の車の左側、助手席の後ろあたりスレスレで急ブレーキを踏み、私の後ろに付く形になりました」

妻の一言で恐怖のドライブが始まる

この一件が「恐怖のドライブ」の始まりになろうとは、武藤さんは夢にも思わなかった。

「高速に入ってしばらくすると、助手席の妻が『後ろの車、すごく近くない?』って言うんです。バックミラーを見てみると、さっきのアルファードがいました。私は確かに近いように思うけど、後ろにいるなら特に何かできるわけないし大丈夫だろうって」

このとき、武藤さんは80kmほどのスピードで走っていたのだが、その後もアルファードはつかず離れずの状態で走り続け、あるときから武藤さんは恐怖を感じるようになったという。

「前の車を追い越すと、一緒に追い越してくるんです。スピードを出して離そうとすると向こうもスピードを出して付いてくる。それで気になってバックミラーをチラチラ見ると、時折車線を跨いで近づいてきたりするようになりました。妻が『これって煽り運転されてるんじゃない?』という一言で、ハッとしましたね。煽り運転されていると気がついた瞬間から、恐怖を感じるようになってしまったんです」

夫婦ともにパニック状態に

こうなるともう、武藤さんは逃げるしかない状況に。スピードを上げて前方の車を追い越し、後ろに付かれないようにやや強引に車列に割り込んだ。するとアルファードは猛スピードで武藤さんの車を追い越し、ウィンカーを出さずに武藤さんの車の前に割り込んできたのであった。

「後ろの席では子供たちがスヤスヤと寝ていましたが、私と妻はパニックです。この話をすると『スマホがあるんだから撮影すればよかったじゃないか』とか、『奥さんから警察に電話させればよかったのに』って言われますが。普段から車に乗ってないし、ましてや煽り運転なんてされたこともないから、そんなことは考えつかなかったんですよ」

その後、アルファードは突然急ブレーキを踏んだり、武藤さんが追い越そうとするとハンドルを右に切って車線をまたぎ妨害するようになった。

「とにかくどうやって煽り運転をしている車を撒くか。サービスエリアに入ると、そこで絡まれるかもしれないと思い、次のインターで降りることにしました。しかし、ウィンカーをちゃんと出したら付いてこられる可能性もあったので、ギリギリまでウィンカーを出さず、一気にハンドルを切ってインターチェンジで途中下車して振り切りました」

バックミラーを見るたびにあの日の出来事が…

なんとか振り切れたものの、武藤さんはしばらくは放心状態だったという。

「まさか自分が煽り運転をされるだなんて考えたこともなかったので、煽り運転をされているとわかった瞬間から恐怖の連続でした。高速道路で停車寸前までスピードを落とされたときは、ニュースで見た東名煽り運転事故がよぎりましたね。私のような、たまにしか車に乗らない人は運転に慣れていないので、むちゃしない人が多いと思うんです。でも、乗り慣れている人からしたら『かったるい運転すんな!』って思われるのかも……。それと、煽られてるって気がついていないこともあるのかもしれませんね」

武藤さんはこの一件以来、バックミラーを見るとあのときのことを思い出して体が硬くなることもあるようだ。

ここ数年は煽り運転による検挙者数も増加しており、警察も検挙には本腰を入れている。くれぐれも頭に血が上っても努めて冷静にハンドルを握ってほしい。

取材・文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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