初挑戦のJ1で好スタートの町田、セルジオ越後が指摘する「今後の課題」と「期待のキーマン」

「そのスタイルには賛否両論あるけど、よく鍛えられていると思うし、組織的な守備をベースにしているので…

初挑戦のJ1で好スタートの町田、セルジオ越後が指摘する「今後の課題」と「期待のキーマン」

4月25日(木) 6:10

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「そのスタイルには賛否両論あるけど、よく鍛えられていると思うし、組織的な守備をベースにしているので今後も大崩れはしないだろう」

「そのスタイルには賛否両論あるけど、よく鍛えられていると思うし、組織的な守備をベースにしているので今後も大崩れはしないだろう」

まだシーズン前半とはいえ首位に立つとは思わなかった。大したものだよ。

昨季J2で独走優勝した町田が、初挑戦のJ1でもその勢いのまま好スタートを切った。親会社(サイバーエージェント)の資金に支えられ、オフに多くの選手を補強。昨季とはスタメンの顔触れがかなり変わったけど、守備ありきの堅実なサッカーは変わらない。全員がよく走って、ファウル覚悟でガツガツと激しく守る。

警告数はリーグ最多(第8節終了時点で20)。正直、不必要なファウルも多いし、審判に文句を言うシーンも目につくけど、J1でも十分に通用している。

攻撃面に関してもフィジカルを前面に押し出してくる。前線に長身選手を置き、右からも左からも徹底してロングスローを放り込んでくる。

そのスタイルには賛否両論あるけど、よく鍛えられていると思うし、何よりプロは結果がすべて。組織的な守備をベースにしているので今後も大崩れはしないだろう。

ただ、このまま優勝争いを続けられるかといえば、さすがに難しいんじゃないかな。攻撃のバリエーションがあまりにも少なすぎるからだ。

今の町田は両サイドバックが全然攻め上がらず、展開力もないから、どうしても単調な攻撃になりがち。相手からすれば守備の的を絞りやすい。

そして頼みのロングスローも相手に研究されて、なかなか結果(ゴール)にまでつながっていない。広島や神戸といった選手のキャスティングで上回る相手にはうまく守られていた。黒田監督が開幕前に掲げた今季の目標「5位以上」を実現するには、そのあたりの改善が課題になるだろう。

期待したいのは故障から復帰し、チームに合流したFWエリキの存在。昨季のJ2のMVPでチームの得点源である彼がどこまで調子を取り戻せるか。エリキが昨季同様のプレーを見せられるかどうかがチーム浮沈のカギを握るだろう。

その町田と第8節に国立競技場で対戦し、貫禄を見せたのは昨季王者の神戸だ(2-1で勝利)。この試合は僕も現地で見ていたんだけど、絶対的なエースの大迫、さらに左サイドでいい仕事をする汰木が故障で不在にもかかわらず、町田を圧倒した。

武藤、佐々木、宮代の攻撃陣は大迫の穴を感じさせず、中盤では山口がリーダーとしてチームを仕切り、扇原も好調時のプレーを取り戻していた。

セットプレーでキッカーを務める初瀬の左足も大きな武器。彼は触るだけで得点になりそうな、可能性を感じるボールを蹴ってくる。また最終ラインもマテウス・トゥーレルと山川のCBふたりがよくはね返し、右サイドバックの酒井も声を出してチームを鼓舞していた。主力選手が果たすべき役割をしっかり果たしている。

試合運びも巧みで、前線からプレスをかけてくる町田に対して無理してパスをつなごうとするのではなく、ロングボールを効果的に使って、たとえ競り負けてもセカンドボールを回収することで、主導権を握っていた。

そんな神戸の課題を挙げるなら、選手層の厚さだね。ちょっと足りない。30代のベテランが多いチームで、これから気温も上がってくるし、今季はAFCチャンピオンズリーグもある。もしこれ以上ケガ人が出ると心配だ。連覇を狙うなら、余っている外国人枠を使って攻撃陣の補強をすべきだろう。

構成/渡辺達也

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