SHISHAMO「気を張っていた時代があったからこそ、今の私たちがある」 3年ぶり新作アルバム

SHISHAMO「気を張っていた時代があったからこそ、今の私たちがある」 3年ぶり新作アルバム

4月24日(水) 22:00

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去年11月にCDデビュー10周年を迎えたSHISHAMOが、オリジナルアルバムとしては約3年ぶりとなる新作『SHISHAMO 8』をリリースした。今作は3ピースロックバンドであることの強い覚悟と、気概がみなぎった一枚だ。
今の3人が自然にやりたいことをやれば、それが“SHISHAMOらしさ”になる。

「アルバムでいうと『SHISHAMO 6』までは、表現の幅を広げることを念頭に置いていたんです。だけど『SHISHAMO 7』からは、“3ピースとしてできることが、まだまだあるよね?”という想いで制作してました。今作はその強化版です」(宮崎朝子・Gt/Vo)

「個人的に気に入っているのは、1曲目の『最高速度』です。最初のベースからブイブイいくところとか、3人のバンドサウンドがとてもカッコいいんです。この曲をボートレースのテレビCM(「だれもが躍動する、スポーツ」)で知ってくださった方もいると思うんですけど、CMで流れたサビのキラッとした感じを想像しながら聴くと、1音目からギャップを感じてビックリすると思います」(松岡彩・Ba)

「今、私たちが突き詰めたいと思っていることは、“歌詞の持つ世界観をいかに3人の音だけで広げていけるか”なんです。言葉から得られる情報以上に、聴いた人の頭の中で情景が広がるアレンジや演奏を大事にしていて。特に6曲目の『ハリボテ』は、それを体現できた楽曲だと思います」(宮崎)

「私は13曲目の『恋じゃなかったら』がお気に入りです。最後に3人で歌うパートがあるんですけど、これは今までのSHISHAMOの曲ではなかった。あと、9曲目の『なんとなく。』以降からトーンが暗くなっていく分、アルバムのラストを『恋じゃなかったら』が飾ることで、前を向いて作品を締める感じがいいなと」(吉川美冴貴・Dr)

「最高速度」「私のままで」「きらきら」の歌詞には「自分を見つめ直し、誰かの真似ではなく“等身大の自己”を受け入れる」というメッセージが散見される。これは10代から戦い続けてきた彼女たちの導き出した、一つの答えだという。

「やっぱり女3人でバンドをやるのは、周りから先入観を持たれやすい。そういうことと戦っていた時期もありましたし、“なめられちゃいけない”“もっと尖っていなければ”と、ピリピリしていた時期もあって。でも自分たちが信じる音楽を続けてきて、それが自信になってからは、すべてのことを楽しめるようになったんです。例え話ですけど、昔だったら“3人でピンクの衣装を着ちゃいけないよね”みたいな風潮があったんですけど、今なら3人が何を着たとしてもSHISHAMOになる。今の3人が自然にやりたいことをやれば、それが“SHISHAMOらしさ”になるんです。今まで積み上げてきたものがあるからこそ、“なめられちゃいけない”と気を張っていた時代があったからこそ、今の私たちがあるんです」(宮崎)

8thオリジナルアルバム『SHISHAMO 8』。デジタル配信シングル「最高速度」「私のままで」を含む全13曲収録。【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,950【通常盤(CD)】¥3,300(GOOD CREATORS RECORDS/UNIVERSAL SIGMA)

シシャモ上から、松岡彩(Ba)、宮崎朝子(Gt/Vo)、吉川美冴貴(Dr)。2013年に1stアルバム『SHISHAMO』でCDデビュー。6月2日から『SHISHAMO 8』を引っ提げて全国のZeppを回るワンマンツアーを開催。

※『anan』2024年4月24日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・真貝 聡

(by anan編集部)

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