ある男の不審死を追う刑事が辿り着いた、おぞましい光景とは――50年前の衝撃作『ソイレント・グリーン』本予告解禁

映画『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』メインビジュアル (C)2024 WBEI.

ある男の不審死を追う刑事が辿り着いた、おぞましい光景とは――50年前の衝撃作『ソイレント・グリーン』本予告解禁

4月23日(火) 17:00

リチャード・フライシャー監督による映画『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』より、本予告が解禁。また、本作に心奪われた各界の著名人から絶賛コメントが到着した。

【動画】今見ると他人事とは思えない――?『ソイレント・グリーン』本予告

本作は、チャールトン・ヘストンを主演に迎え、リチャード・フライシャー監督が1973年に発表した衝撃作。人口爆発を起こしたニューヨークを舞台に、環境破壊、資源枯渇、食糧難にあえぐ地球を描く。

爆発的な人口増加により人々に住居もなく、急激な気候変動による環境破壊で熱波にさらされるニューヨーク。食料難は状態化しており超格差社会に生きる人々は、無為に街中をうろつき、ただ週に一度政府から配給される「ソイレント」なる栄養食品を待つばかりの日々を送っている。そんな中、究極の栄養食を謳う新製品「ソイレント・グリーン」を発表したばかりのソイレント社幹部サイモンソンが、何者かに殺害される。殺人課の刑事ソーンが事件の捜査を開始するが…。

今回解禁となった本予告は、究極の栄養食「ソイレント・グリーン」を発表したばかりのソイレント社幹部・サイモンソンがゴージャスな部屋で不審な死を遂げているシーンから始まる。暗殺を疑う刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)は、老人ソル(エドワード・G・ロビンソン)の力を借りたり、時に荒々しい手を使い事件の真相を探っていくのだが…。

工場へと忍び込んだソーンに不意を突かれた従業員は、ソイレント・グリーンが大量に流れるベルトコンベアへと垂直落下。派手なアクションシーンも詰め込まれ、手に汗握る展開に期待が高まる映像となっている。

あわせて、この衝撃作に心奪われた各界の著名人から絶賛の声が到着した。『ベルサイユのばら』でも知られる漫画家・声楽家の池田理代子は「人類への衝撃的な警告となっている映画」と語り、政治学者の栗原康も「このディストピアはぼくらの現実そのもの」と、他人事とは思えないほど”今の地球”をとらえた物語であるということを強調する。

さらに、映画監督の黒沢清は「こういうバランスの映画、他に見たことない」、ミュージシャンのジム・オルーク「真の偉大な映画監督」、中原昌也「フライシャーの映画はデカいスクリーンで絶対観なきゃダメ」と、リチャード・フライシャーへの熱意が感じられる言葉が寄せられた。漫画家のやしろあずき、ライターでイラストレーターのレイナスからはイラストも到着。不穏な空気を常に纏っている本作の魅力を独自の視点で描いている。

映画『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』は、5月17日より全国順次公開。

※各界著名人のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>


■池田理代子(漫画家・声楽家)

未来社会を、シビアで容赦ない視点で描き、今なお、人類への衝撃的な警告となっている映画である。食糧問題、人口問題、高齢化問題と安楽死の問題、そして、未来にもなお存在する格差問題、すべてを仮借ない筆致で描き、それでいてエンターテインメント性も十分に備えていて目が離せない。作品中、ベートーヴェンの「田園交響曲」と共に描かれる地球の自然の美しさに胸を締め付けられた後には、観る人を打ちのめす戦慄の事実が待っている。

■栗原康(政治学者)

人間が人間の家畜として飼育される。このディストピアはぼくらの現実そのものだ。世界の終わりを殺りにゆこう。フリーダム!人間になりてえ。

■黒沢清(映画監督)

無気力な大衆と、引きこもったインテリと、ロボット化した管理者だけが存在する暗澹たる未来がずるずると描写されていく。展望はまったく開けない。ところが、野卑なひとりの警官が急に動き出したとたん、事態は猛スピードで進展し、あれよあれよと世の中のカラクリが暴かれて、最後は問答無用の社会批判に胸打たれる。こういうバランスの映画、他に見たことない。1970年代のフライシャーは本当に過激だった。

■ジム・オルーク(ミュージシャン)

リチャード・フライシャーは、そのキャリアを通じて真の偉大な映画監督の1人であり、『ソイレント・グリーン』は、シニカルな世界観に裏打ちされた緊張感の卓越した例です。名作が再びスクリーンに。

■中原昌也(ミュージシャン・作家)

何度もテレビやビデオで観た映画ですが、フライシャーの映画はデカいスクリーンで絶対観なきゃダメでしょ!

■やしろあずき(漫画家)

皆大好きディストピア!人類人口爆発!食料危機!政府の統制!!いやなんか割と未来予知されてる感じもする令和の今、大画面で、改めて学ぼうディストピア!そして皆で食べようソイレント・グリーン!!

■レイナス(ライター・イラストレーター)

結末以外も見どころだらけ、超辛辣でちょっとおかしな未来予想。これよりかはマシな未来に生きてる……と思いたい!

■鷲巣義明(映画文筆家)

終末思想が蔓延る、この時代。強いアメリカを象徴する主人公があがき、彼の親友が死に向かう。親友の死では、地球のかつての大自然の映像と共に、クラシック曲「田園」「ペール・ギュントの朝」が流れ、はかなくも美しすぎるシーンとして記憶に残る。アメリカの揺らぎの予兆のようでもあった。

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