「人との距離感って難しい…」親同士の人間関係に悩む母に共感!『母ですが妻やめました』

後でならいい言葉が見つかるのに/(C)とげとげ。/KADOKAWA

「人との距離感って難しい…」親同士の人間関係に悩む母に共感!『母ですが妻やめました』

4月20日(土) 21:00

自然豊かな葉山の町を舞台にした長期連載コミックエッセイ『夫ですが会社辞めました』。同じ保育園に通うさまざまな一家の夫婦関係・家族の在り方が描かれています。多くの共感を呼び、WEB連載は累計4,000万PVを超える注目作です。
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会社を辞めて「主夫」になった男性と「大黒柱妻」の一家を主人公に描いたシリーズ第1弾に続き、本作はシリーズ第2弾。
「ダメ親だと思われたくない」「私って子育てに向いてない」「もうヤダ」…育児をしながら、こんなふうに悩んだことがある人は少なくないですよね。主人公・理恵も、そのひとり。さらに、親同士の人間関係もうまくいかなくて…。
子どもが通う園や学校での人付き合いは、著者・とげとげ。さん自身も苦手意識があったようです。

■私はきっと母親に向いていない…
夫・亮と5歳の娘・ナナと3人で暮らす主人公・理恵。
ナナは保育園で友だちを叩いてしまったり、じっとしていられなかったり、困るような行動が多く、夫は地元の友だちと遊んでばかりで保育園の行事にも参加せず、ほとんど家にいません。育児への悩みと、夫への不満で、いつもイライラ…。
さらに、理恵自身も人付き合いが苦手でママ友とうまく馴染めず、「もしも母親適性検査なんてものがあったら、私はきっと不合格だ」と追い詰められていってしまいます。
ひとりきりだと思っていた理恵ですが、同じ保育園に通うさまざまな家族や職場の人との交流を通じて、少しずつ前向きな気持ちが芽生えてきます。
そして、夫との離婚も考え始めますが、正社員として働いた経験がありません。

仕事やお金や向上心もない母親が、夫がいなくてもやっていける…?
不器用な母親が成長していく、再生の物語が描かれています。



■子どもを通しての人間関係を丁寧に
――本シリーズでは、さまざまな一家の、それぞれ違った夫婦関係・家族の在り方が描かれています。本作の主人公・理恵と娘のナナを描く際に心がけたことはありますか?

とげとげ。さん:主人公の理恵は自分には何もできないと自信がないため、基本的に自分から行動するタイプではなく、周りの影響を受けて背中を押されるように進んでいきます。作中では、理恵がそうなった理由や背景、育った環境も描いています。親から『あなたには無理』と言われて育ったり、周りの友人も同じような環境の子が多くて将来について考える機会があまりなかったり…。ついみんなと同じような道に流れてしまう様子を描きたいと思いました。

また、理恵と娘のナナの距離感には少し注意しました。他の親子はスキンシップが多いですが、理恵とナナはさほどなく、ここぞというところ以外は手をつなぐこともあまりない親子です。

――子どもが生まれる前と変わらず自由に過ごす夫と、他の子よりも手がかかる娘のナナ…。どんどん思い詰めていく理恵ですが、同じ園に通う親子と関わることで少しずつ世界が広がっていきますね。本作では、親同士の付き合いや子ども同士の関係など、園を通じての人間関係が丁寧に描かれているのが印象的でした。

とげとげ。さん:その時々で人との付き合い方は変わってくると思います。子どもを通しての人間関係は、自分自身の人間関係以上に気遣いが必要だったり、子どもに振り回されて自分の意思では動けなかったり、独特な難しさがありますよね。そのため、苦手意識を感じている人が多いと思うので、そのあたりを丁寧に描きたいと思いました。

――この物語には理恵と同じように人付き合いの苦手なキャラクターとして、主夫のカズくんパパとソラくんパパが登場しますね。理恵と、カズくんパパ、ソラくんパパの3人での会話シーンが印象的でした。

とげとげ。さん:この3人の会話の空気感は、作品自体の空気感につながると思っています。なので、大事にしました。日常的にすみっこにいる3人が、誰にも目のつかないすみっこで、微妙な距離感で話している。少し切ない自虐ネタが多いのですが、でも寄り添い合うような温かさのある空気感です。



■苦手意識のある人付き合いだけど、大切にしたい
――作中では、人付き合いの苦手な理恵が、ママ友と仲良くなりたいと奮闘したり、モヤモヤと葛藤したりするエピソードが描かれていますね。とげとげ。さんも同じような経験はありますか?

とげとげ。さん:グループLINEでメッセージを送ったあと、誰からも返信がないと『不快な気持ちにさせてしまったかも』と気になるので、私も親同士の付き合いには苦手意識があります。子どもが園に行き始めた頃は、他のママ達と仲良くなりたくて矢継ぎ早に質問してしまい、引かれて後悔したこともありますよ。

――反対に、ママ友がいてよかったなど、嬉しいエピソードがあれば教えてください。

とげとげ。さん:疲れ切って園にお迎に行くときに『お疲れ〜』と挨拶を交わし合うだけで、同志感を覚え、しんどいのは自分だけじゃないと心が軽くなったことが何度もあります。また、引越しをして、知り合いがゼロからのスタートだったからか、道で知り合いに会い、手を振り合うだけでも少し温かい気持ちになります。
他にも、地域の口コミ情報などネットでは得られないような情報をもらえたり、自分の見ていないときの子どもの様子を教えてもらったり、手が回らないところをフォローしてもらったり、お泊まりやお出かけへ一緒に連れて行ってもらったり…。自分たちだけではできない経験を子どもにさせてもらえることもあるのでありがたいですね。

***

悩まされることも多い人付き合いですが、親同士のつながりがあることで、心が軽くなったり、温かい気持ちになったり、子どもの世界が広がったり…。とげとげ。さんは、その大切さもひしひしと感じているようです。

取材・文=松田支信



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