政府が「中堅企業」を新たに定義どんな企業が該当するの? 政府が打ち出す支援パッケージは? 専門家が解説

政府が「中堅企業」を新たに定義どんな企業が該当するの? 政府が打ち出す支援パッケージは? 専門家が解説

政府が「中堅企業」を新たに定義どんな企業が該当するの? 政府が打ち出す支援パッケージは? 専門家が解説

3月28日(木) 6:00

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モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。3月21日(木)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「政府が”中堅企業”の成長を後押し」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。


※写真はイメージです



◆そもそも「中堅企業」とは?

政府は、従業員が2,000人以下で中小企業には該当しない企業を新たに「中堅企業」と定義することを盛り込んだ「産業競争力強化法」などの改正案を通常国会に提出しました。
持続的な賃上げの実現に向けて、中小企業より規模が大きく、雇用の受け皿になっている「中堅企業」の成長を後押ししようと、補助金や税制優遇などの支援パッケージを取りまとめました。

ユージ:塚越さん、大企業と中小企業はわかります。「中堅企業」は、あまり耳なじみのない言葉ですが、これはどのような企業を指すのでしょうか?

塚越:法令の定義では、大企業は従業員が2,000人以上で、中小企業は300人以下。新しく定義される「中堅企業」は、この間の「従業員が300人以上~2,000人以下」の企業を指します。

中堅企業は、大企業と比べると規模は小さいですが、独自の技術や製品を持っていることも多く、上場はしていないものの、特定の業界では競争力を持っているのが特徴です。

対象となるのはおよそ9,000社。海外向けというよりは地域に根ざした企業が多いとのことです。例えば氷菓の「ガリガリ君」で有名な赤城乳業などが該当するということです。

ユージ:専門的な技術や人気のオリジナル製品を持った地方の企業や、新たなイノベーションを打ち出すスタートアップ企業も中堅企業に入ってきそうですね。

◆「中小ではないが、大企業ほどの体力はない」ゆえに支援されることが少なかった

吉田:政府は、なぜ「中堅企業」を定義して支援を打ち出したのでしょうか?

塚越:一言で言えば、(現状の制度では)支援対象になることが少なかったからです。中小企業は社員300人以下で資本金3億円以下。それ以外は大企業とされています。

中小企業向けには、コロナ禍でも実質無利子無担保の融資などがありましたが、中堅企業はそうした政策には当てはまりません。しかし、大企業ほどの力はない。中堅企業から大企業に成長する割合は多くないのですが、政府としても法律や政策面で中堅企業を支援して、日本経済を牽引してほしいと考えています。これによって賃上げや地方の人手不足解消、地域経済の底上げを狙っています。

ユージ:番組でも、地方の人手不足の問題を取り上げていますが、その解消と地域経済の活性化というのは、これからの日本経済にとって重要なカギになってきそうですよね。

◆190の支援パッケージの内容は?

吉田:今回まとめられた支援パッケージの内容はどうなっていますか?

塚越:190個のさまざまな包括的パッケージがあります。大きく分けると4つあります。

1つ目が、投資に関するもの。工場整備といった大規模な投資に対する最大50億円の補助です。地域課題の解決やデジタル化への支援もあります。

2つ目が、雇用に関するもの。賃上げを4%以上おこなった場合、大企業を上回る税制優遇(※大企業は7%以上が税制優遇の対象)だったり、非正規雇用の労働者を正規雇用にする場合の助成など、リスキリングや地域における人材育成の支援などもあったりします。

3つ目は、グローバルやインバウンドといった外需獲得に関するもの。海外輸出に関わる設備への支援などもあります。

4つ目が経営基盤の強化整備に関するもの。新事業展開に関する支援などです。非常に多くの支援策があります。

◆「中堅企業」への支援は地域経済の活性化につながるか?

ユージ:今回の中堅企業の支援、経済の活性化につながると思いますか?

塚越:昨今の賃上げのニュースは基本的に大企業のものが多く、日本全体の実質賃金は下がっているという課題があります。また大企業は大きいからこそ、俊敏な動きが難しいところもあります。

そういう意味では、「中堅企業」が果たす役割に着目して支援するのは良いかなと思います。特定の業種に特化して数百億の売上があって、場合によっては海外シェアも持っています。地域に根差した企業も多いので、そうした企業が支援によって伸びれば、結果的に地域の雇用にも貢献できます。

一方で、中小企業への支援も引き続き必要です。そして支援は限りある財源でおこなうので、今回のパッケージでどのくらい効果があったかをきちんと測定して、大中小の企業支援のあり方をみていく必要があります。

今回は「中堅企業」を定義することで、私たちにとっても分類が分かりやすくなりました。そして同時に政策としても、支援に対する効果なども検証していき、より見極める必要があります。こうしたことを私たちにとっても分かりやすくするために、分類分けをしたとも考えられますよね。

ユージ:塚越さんの言う通りで、今まで「大企業」と「中小企業」というざっくりした分け方だったので、両者に開きを感じていました。間にもう1つ「中堅企業」が設けられるとのことですが、僕からすると従業員数300人以上、2,000人以下という分類でも、幅広いなと思います。今後は、もっと分類されていってもいいのかなと思いました。


吉田明世、塚越健司さん、ユージ



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3月21日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限2024年3月29日(金) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/one/
TOKYO FM+

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