【第1話】から読む。
前回からの続き。私はタマミ。夫と息子サトルとの3人暮らしです。中学でバスケ部に所属するサトルは、まだ1年生ながらレギュラー入りを果たしました。しかしある日、同じバスケ部でクラスメイトのソラくんがバカにしたように煽ってきて、ケンカになってしまいます。その後ふたりを仲裁してくれた先生から「原因はソラくんのやっかみかもしれない」と電話をもらい、私はひとまず静観していようと決めました。しかしソラくんママから「配慮しないサトルくんが悪い」といったメッセージを受け取り、私の怒りは爆発したのです。
私はサトルが部屋に入ったのを見計らい、帰宅した夫に相談をしてみました。ソラくんと口論になり、先生が仲裁に入ってくれたこと。夜になって、ソラくんママからものすごい長文メッセージがきたこと……。夫もそれを読んで、「おおう、なるほどね……」と引き気味につぶやいていました。
ソラくんママに腹が立ち、ガツンと言い返してしまいたい私。しかし夫には冷静に諭されました。「サトルのことを悪く言われたらオレだって腹が立つ。けれどあまり強い言葉は返さないほうがいいと思うよ?サトルの立場も考えなきゃ。普段からやっかまれてるって、先生が感じるくらいなんでしょ。ただでさえ目立つ存在なんだろうから、親が下手に動かないほうがいいよ」
そこまで考えが至っていませんでした。もし私の激しい言葉が部内の保護者のあいだで拡散されてしまったら……。レギュラーどころか、部活もできなくなる可能性があります。私の行動でサトルの足を引っ張る可能性があった……と考えたら、私は突然恐ろしくなってしまいました。
「返信しないのも感じが悪いかもしれないから、あたりさわりのないことを書いておこう」夫にそうアドバイスされ、私は「子ども同士すれ違うこともありますよね。お互いに子どもの記憶に残る夏休みを過ごせるといいですね!」という軽い雰囲気で返信しておきました。
何が何やらさっぱりわかりません。しかしきっと大人には理解しえない、子ども同士の世界というものがあるのでしょう。ソラくんが謝ってサトルがそれを受け入れたならば、もはやそれ以上は介入しなくてもいいのかもしれません。私はひと回り大きくなったようなサトルの後ろ姿を見つめていました。
もし自分が送り返していたら、息子の努力をだいなしにしていたかも……そう考えたらゾッとします。今回は夫の冷静さに助けられました。そしてサトルはどうやらソラくんと一緒に練習することになったらしく、私の頭のなかは「?」マークでいっぱい。まさか子どもたちの間ではあっさり解決していたとは。もしかしたら大人たちにはわからないような関係があるのかもしれませんね。今後もトラブルが起こらない限りは、そっと見守ろうと思います。
【第5話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ脚本・motte作画・うーにゃ編集・井伊テレ子
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