ネット選挙運動による公選法違反の特徴とは?

7月5日(金) 9:29

 いよいよネット選挙運動が解禁されましたが、早速公選法違反の疑いがある行為が出てきているようです。警察庁の発表によれば、6月2日までで、参院選に関して、ネットを利用した事前運動(選挙公示日前の選挙運動)の疑いがあるとして都道府県警から警告された例は、12件あるとのことです。ホームページやブログで支持を求めたり、知人らにメールで特定の立候補予定者への投票を求めたりしたことが原因のようですが、これらの違反行為には、従来と異なる性質があります。

 先日、ネット上で、ある会社の経営者の立場にある候補者が公選法で禁止されている事前運動をしたとの騒ぎがありました。その候補者が書いたとされる手紙の写真は、あるサイトに掲載されており、その文字も写真を拡大すれば判別が可能な状態になっていました。その手紙は、「ご関係者限り」との文字と一緒に、<1>今回の選挙に出馬するに至った経緯、<2>出馬にあたり会社内での役職が非常勤となること、<3>突然の表明で心配をかけるけれど会社を今後ともお願いします、という内容が記載されていました。この手紙を見ると、その候補者への投票を依頼する文言は避けており、公選法違反のリスクを避けるよう、注意深く言葉を選んで書かれたことがうかがわれます。

 もっとも、一般的に選挙運動にあたるかどうかは微妙な判断であることもあって、ネット上で事前運動ではないかと話題になり、手紙の写真は、色々な場所に転載され、シェアやリツイートされ、多くの人の目に触れるようになりました。有名な候補者であるほど、支持者の数だけではなく、反対の立場の有権者も多くなり、このようなことが起きやすいと言えるでしょう。

 この騒ぎは、ネット選挙運動に関するものではありません。しかし、デジタルデータが用いられるネット選挙運動においては、従来の選挙運動に比べて、事件がネットで瞬く間に拡散されて多くの人の目に触れることになります。また、公選法違反(の疑い)に関する証拠は簡単に保存され、削除されない限り、ネット上に残り続けることになります。この件は、ネット選挙運動においては、ネットの特性に注意する必要があることと、情報が拡散しやすいリスクを示したものといえるでしょう。

 有権者としては、投票の判断材料となりますが、一方で、情報の真偽は冷静かつ慎重に判断する必要があります。

鳥飼総合法律事務所
弁護士 渡邊康寛

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