鉄拳 いじめ・不条理テーマのパラパラ漫画PV公開

11月9日(金) 13:11

 今年イギリスの大物ロックバンド・MUSEの公式PVにパラパラ漫画作品を採用され、大きな話題となるなど、いまや世界レベルで活躍するお笑い芸人の「鉄拳」(40)が、パラパラ漫画で新たにMVの制作に参加したことが発表された。

 これはシンガソングライター馬場俊英(45)が2011年にツアーで発表して以来、ライブでダントツの人気を誇り、CD化が熱望されていた「弱い虫」という楽曲のPV。

 この曲はますます深刻化する「いじめ問題」や「誤認逮捕/冤罪」などが後を絶たない、不条理にまみれた現代社会を背景に、「一人ひとりの人間はみな弱い存在で、時に不条理な現実の前でやりきれない気持ちになることもあるけれど、腐ってはいけない。逃げても負けても良いのだから、生きることを投げ出してはいけない」ということを訴えるもの。

 今回のPVはその深遠なテーマとメッセージに感銘を受けた鉄拳が、様々なオファーが殺到する中、鉄拳の作品に同じく感銘を受けた馬場のオファーを快諾し、およそ1ヶ月間・1300コマ以上で作り上げた大作となっている。

 ストーリーは、幼少期からイジメを受けていたうだつの上がらない不器用な父が、ある日痴漢と間違われ逮捕され、妻・娘も痴漢・犯罪者の家族としてイジメや白い目を向けられることになり、自暴自棄になった父は自殺を考えるも、所詮人は「弱い虫」であると悟った父は会社を辞めて、健気に工事現場で働くなどして生きていこうとする。結局裁判でもその疑いが晴れることがないという不条理な現実を描いたストーリーで、ハッピーエンドではないラストに、

「いじめの連鎖はどこにでもいつでも起こる事。
どこかで何かが誰かが止めないと。
そう思わせる、優しくなれる作品。
すばらしい!」
「こんなことがないようにみんなで現実を変えるよう心がけましょうよ、というメッセージが含まれているのかな、と」

という声が投稿されるなど、考えさせられた人も多かったようだ。

 なお、鉄拳は8日のブログで「今後もパラパラマンガの締め切りが多く、当分はほぼおはスタのみになります!」と、こうしたパラパラ漫画制作が忙しすぎて、「芸人」としての仕事は水曜レギュラーを務めるテレビ東京の子供番組「おはスタ!」のみの露出に当面とどまると報告。パラパラ漫画制作に集中している様子がうかがえる。

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